尻腐病(しりくされびょう)の症状と対策・予防法

尻腐病になったトマト

果実のしりの部分や地際の外葉が黒褐色になる病気(生理障害)「尻腐病(しりくされびょう)」。

その症状と発生原因、対策・予防法をまとめています。

尻腐病(しりくされびょう)の症状

尻腐病が発生しやすい野菜
トマト ピーマン・パプリカ

果実の先端(しりの部分)や、地面近くの外葉が黒褐色になる生理障害で、症状が進むと株全体が腐敗します。

主な原因と伝染経路

土のカルシウム不足によって起こる生理障害です。

雨が多い日本では、カルシウム(石灰)やマグネシウム(苦土)が流亡しやすく、カルシウム不足になりやすい傾向にあります。そのため、植付け前に石灰資材を施しておきます。

また、土壌中にカルシウムがあっても、高温や土の乾燥、窒素肥料の過剰施肥などにより、カルシウムの吸収が抑えられたときに発生します。

尻腐病(しりくされびょう)の対策・予防法

対策

症状が出た果実は回復しないので摘み取ります。

カルシウムの補給に、塩化カルシウムなどを葉面散布しておきます。トマトには専用の「トマトの尻腐れ予防スプレー」も市販されており、開花時~幼果期に散布しておくと効果的です。

また、土の乾燥が原因の場合は、水まきで解決することもあります。

予防法

カルシウム(石灰)不足が原因のため、土作りの段階で土壌改良しておく大切です。

土壌の酸性度(pH)と測定・調整方法について

また、元肥・追肥の際は、窒素肥料の過剰施肥に注意しましょう。