
集団攻撃と強い繁殖力、ウイルス病を媒介する吸汁性害虫の代表格「アブラムシ」。
アブラムシ被害の特徴と、対策・予防法をまとめています。
アブラムシ被害の特徴
アブラムシが発生しやすい野菜 |
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アサツキ・ワケギ イチゴ インゲン オクラ カブ ゴボウ サトイモ ジャガイモ シュンギク スイカ タマネギ トウモロコシ ニラ ニンニク ネギ パクチー ピーマン・トウガラシ類 ブロッコリー マクワウリ ミズナ ラッキョウ レタス |
葉や茎、つぼみに小さい虫が群棲して植物の汁を吸い、生育を阻害します。
体長2〜4mm、体色は緑、赤、黒、黄色など種類により様々。
繁殖力が旺盛で、春から秋、特に春の新芽が伸長する時期に発生が目立ちます。
吸汁加害だけでなく、ウイルス病を媒介したり、排泄物がアリを誘引したり「すす病」を誘発するなど、二次的被害もあるため注意が必要。
ウイルス病を媒介する
アブラムシは、ウイルスを媒介する厄介な虫でもあります。
病気の植物を吸汁する際、病原となるウイルスを体内に取り込み、他の健康な植物に移動して吸汁することで、ウイルス病やモザイク病などの病原菌を伝播します。
病斑が出た葉にアブラムシが付いていたら、速やかに葉を切り取って処分するようにしましょう。

アブラムシ被害の様子
写真は順番に、ミズナ、シシトウの葉についているアブラムシ。


インゲンマメについたマメアブラムシ、トウモロコシについたムギクビレアブラムシ、ゴボウについたゴボウヒゲナガアブラムシ、イチゴについたワタアブラムシ。




アブラムシの対策・予防法
対策
アブラムシは、見つけたら個体数が多くなる前に潰して取り除くことが大切です。
農薬(殺虫剤)を使う場合は、「ベニカ水溶剤」などが有効です。浸透移行性で効果の持続期間が長いため、害虫の防除薬として適しています。
また、有機農産物栽培(有機JAS)にも使える自然派薬剤では「アーリーセーフ」「ベニカマイルドスプレー」なども有効です。
酢溶液やフノリ液、濃い牛乳の散布など、農薬を使わない民間対処法も数多くあります。
予防法
繁殖力が強いため、何よりも最初の飛来を防ぐのが肝心です。

ソルゴーやムギなどを周囲に植えて防風壁を作ったり、反射光を嫌う性質を利用して、シルバーマルチを敷く/銀色の光反射テープを張るのも有効です。
アブラムシは黄色に誘引される性質を利用して、黄色の粘着板や粘着テープを株の周囲に設置すると効果的です。
他には、アブラムシを食べる益虫のテントウムシを引き寄せる「ヒマワリ」などを畑に植えている所もあるようです。
また、植物が窒素過剰の状態だとアブラムシが発生しやすくなるため、窒素肥料のやりすぎに注意。