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普段は畑で野菜を作っている農家ですが、もっと野菜の魅力と価値を伝えられるようになるべく、野菜ソムリエの資格を取得しました。
野菜ソムリエとはどんな資格か、受講した通信制(Web版)の講座内容やオンライン試験がどんなものかを紹介します。
野菜ソムリエとは
野菜ソムリエとは、野菜・果物の知識を身につけ、その魅力や価値を社会に広めることができるスペシャリスト。
野菜・果物の目利き、栄養、素材に合わせた調理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識を身につけることで、家族の健康や食に関わるさまざまな仕事に活かすことができます。
最近では、農業従事者でも野菜ソムリエの資格を有する方が増え、農産物のPRや事業拡大などに活かされています。
公式サイト
野菜ソムリエになるには
野菜ソムリエになるには、野菜ソムリエ養成講座に申し込んで、次の3つをクリアする必要があります。(独学で勉強して、試験のみ受けるということはできません。)
- 講座受講:全7科目(1科目2時間)
- 課題提出:ベジフルカルテ8枚の作成
- 修了試験
受講料は148,000円(税込)と少しお高いですが、知名度の高さや、同じ仲間と繋がりができる、受講後のサポート(イベント・講座、地域コミュニティ、社会で活躍するためのバックアップ)なども考えると、その価値はあるかと思います。
養成講座を確認
野菜の知識を仕事にも活かしたいなら「野菜ソムリエ」の資格ですが、趣味や普段生活に活かすことだけを考えているなら「野菜コーディネーター」という資格もあり受講費用も安く済みます。
受講スタイル
野菜ソムリエ養成講座は、次の4つの受講スタイルから選ぶことができます。
- 通学制:全7科目を協会指定の会場で受講
- 半通学制:体験科目などの4科目を協会指定の会場で受講し、その他3科目を通信教材(解説本)で学習
- 通信制(Web版):全7科目を通信教材(WEB動画)で学習
- 通信制(テキスト版):全7科目を通信教材(解説本)で学習
通学制、半通学制は、開催地域・日程が決まっています。
一方、通信制(Web版、テキスト版)は、いつでも好きな時に自宅で受講することができます。修了試験もWeb試験を選ぶことで、自宅でいつでも試験を受けることができます。
私の場合、ちょうどコロナ禍でもあったことから「通信制(Web版)」で受講しました。
学習スタイルを確認
通信制(WEB版)の講座内容
通信制(WEB版)を申し込むと、次のものが郵送されてきます。
- テキスト1冊
- 副読本「野菜と果物の品目ガイド」
- 案内書類
講座(Web動画)
講座はテキストとWeb動画で受講します。質問があればメールで。
- ベジフルコミュニケーション・・・グループワークを通じてコミュニケーション力を培い、発見・感動を表現する力を養う
- ベジフル入門①②③・・・野菜・果物の生産から流通までを学び、野菜の個性や良品の見分け方、保存方法などを知る
- ベジフルサイエンス①②・・・栄養・健康の観点から、食べ物による身体への影響やその必要性、作用、効果を科学的に学ぶ
- ベジフルクッカリー・・・調理のポイントや品種の違いなどに対応できる料理コーディネーション能力を養う
Web動画だと、いつでも何回でも繰り返し見ることができるのが利点。
一方、ベジフルコミュニケーションやクッカリーなどの体験科目は、動画で見るだけだと少し物足りないというのが正直なところ。実践的な部分をしっかりと身につけたいなら、通学制の方がいいかと思います。
課題(ベジフルカルテ)
課題は、自分で選んだ野菜について色々と調べ、次のようなベジフルカルテというものを作成します。
これを8枚作成してメールで送信。数日後に講師の方から、指摘・感想などの返信をもらいます。
カルテに載せる野菜を入手して、情報を調べ、料理してと、楽しいながらも1枚作るのに結構大変です。また、8枚作って終わりというより、継続的にいくつも作ってその中から8枚選ぶという姿勢で取り組むことが期待されています。
尚、カルテの作成には、副読本「野菜と果物の品目ガイド」が参考になります。
元は青果流通のプロ向けに出版されていたものを野菜ソムリエ向けに編集されたもので、いつでも手元に置いておきたいほどの1冊。
修了試験(Web試験)
通信制(WEB版)での修了試験は、Web上で行うオンライン試験を受験しました。
試験時間は60分、問題数は150問、7割以上の正解で合格です。(合格率は80%〜85%とのこと。)
試験の難易度レベルは、会場で実施している修了試験と全く同じ。全て選択問題(4択や○×)です。
自宅でWeb試験ならカンニングし放題じゃないか!と思いますが、Web試験ではそもそもテキスト持ち込みが認められており、テキスト閲覧による有利・不利はないと言われています。
というのも、Web試験は時間に対して問題数が多く、出題の順番もテキスト順ではなくバラバラ、1問で問われる内容もテキストの複数箇所を見る必要があるため、テキストに頼っていると時間が足りません。
基本はきちんと勉強して自分で答える(当たり前か)、どうしても覚えきれないところだけをテキストで補助する程度に考えおくと良いかと思います。
また、時間が余れば見直しをしたいところですが、Web試験では1問ずつ前に戻ることしかできないため、操作上、1から戻って見直しするのは難しいと思います。時間配分を考えつつ、1問1問きっちり解答するのがベター。
取得の流れを確認
試験対策
とにかく野菜ソムリエ養成講座のテキスト1冊を読み込むに限ります。
講座で講師の方が説明される補足内容的なこともガッツリ試験に出るので、しっかりメモしておきましょう。
また、課題であるベジフルカルテを作る過程で覚えることもあるので、課題は真剣に取り組みましょう。
受講生はWebから練習問題をダウンロードできるのでそれを一度やって、試験問題がどんな感じで出題されるかをイメージした上で、じっくり読み込むと良いと思います。(テキストの隅々から出題されることに気付き、テキストの読み込み方を変えました。)
そして、暗記。アレルギー物質や遺伝子組み換え食品の表示やら、指定野菜と主な品種やらは頭に詰め込みました。(ビタミン・ミネラルの一覧表は諦めて半分テキストに頼ってしまいました…)
こんな感じで1日2時間、2週間ほど掛けて勉強した結果、480点/500点。
私の場合は、農家だし普段から料理もしているので、ベジフル入門・ベジフルクッカリーは問題なかったものの、ベジフルサイエンスは厳しかった… 暗記ムリ。
修了試験を確認
さいごに
私は、普段は畑で野菜を作っている農家(作り手)ですが、家に帰れば家族の食卓を預かる身(食べ手)でもあります。
毎日料理をするようになって、もっと美味しく健康に野菜を食べられるようになりたいなーと思ったのが、野菜ソムリエの勉強を始めたきっかけです。
また、農業と野菜ソムリエの相性がいいと思うのも理由の一つ。
特に直接販売でお客さんとコミュニケーションをとる場合なんかは、農産物の持つ魅力を上手に伝えることは、これからの農家に必須スキルではないかと思います。
そんな訳で無事に合格することはできましたが、ここからがスタート。
正直、頭に詰め込んだだけの情報では身に付いたとは言い難く、ここから日々の生活の中で継続して学ぶ姿勢を大切にしていきたいと思います。
今後は農家に野菜ソムリエとしての視点を加え、畑から食卓まで、野菜・果物の魅力と価値を発信できるよう頑張ります。