野菜を育てるための土作り

美味しい野菜を育てるには、まずは土作りから。

野菜づくりに理想の「団粒構造の土」の特徴、土作りで投入する「堆肥」「土壌改良資材」についてまとめています。

野菜づくりに良い土とは

良い土とは

野菜が元気に育つ土とは、次の要素を兼ね備えた「団粒構造」の土です。

  1. 適度な水分を保持し、供給できる
  2. やわらかく、空気を含んでいる
  3. 多様な生物が生息している

団粒構造の土

団粒構造の土

団粒構造の土とは、大小の粒が混ざり合った土のこと。

粒と粒の間には適度な隙間がたくさんできるため、水はけがよく空気もよく通ります。

土の塊に水や養分を蓄えるので、水持ちがよく肥料持ちもいい

また、団粒の隙間には無数の微生物も棲みつきます。土壌生物の多様性により、野菜を害する特定の生物が蔓延しないため、病害虫も発生しにくくなります

土の団粒化を促すには

団粒構造の土を作るには、土を耕して空気を含ませればいい訳ではありません。

団粒化は、土の中に棲む多様な土壌生物の活動のおかげです。

土壌生物が枯れた植物や根を食べながら活動し、分泌する粘液が接着剤の働きをして、土や腐食、ミミズの糞などがくっつき合って団子が作られます。

また、かたい土をほぐして耕しているのは、植物の根やミミズなどの土壌生物です。

このように、団粒構造の土を作るのに大切なことは、土壌生物を増やすことにあります。そのために、堆肥など土壌生物の食べ物となる有機物を投入してあげることが、土作りの第一歩です。

化学肥料を使い続けると・・・

化学肥料は土壌生物の食べ物ではありません。

そのため、化学肥料だけを使い続けると、土壌生物の減少と単純化を招きます。土壌生物が減れば病害虫が増えて農薬を使わざるを得なくなり、生物相の単純化に拍車が掛かるという悪循環に陥ります。

そうすると、土は単純な構造になり、耕しても雨が降るとかたく締まり、常に耕うんを繰り返す必要が出てきます。

化学肥料は明確で使いやすい肥料ですが、こういったデメリットも知った上で、バランスよく使うことが大切です。

土作りの作業

野菜づくりに適した土にするために、土作りでは次のような作業を行います。

堆肥を投入する

牛糞堆肥

野菜だけを作り続けていると、土の中の養分はだんだん失われ、土壌微生物が減少し団粒構造も崩れ、土が疲弊してきます。

そこで、畑に堆肥を投入して、土壌微生物を増やすします。

堆肥は、有機物(落ち葉、雑草、生ごみ、米ぬか、油粕、畜ふんなど)を微生物の働きで発酵・分解させて作ったもの。

土に入れることで、堆肥にいる微生物を土に供給し、また、堆肥に含まれる有機物が土壌微生物の餌となることで、土壌微生物が豊かになります。すると、微生物の働きにより、病害虫の発生が少なくなり、土の団粒構造が発達して、ふかふかの土になります。

堆肥を入れることで得られる主な効能は、次のようなもの。

  • 土が団粒化してフカフカになる
  • 土壌生物が多様化し病害虫が減る
  • 肥料分と微量要素を供給する

育土堆肥と養分堆肥

多くの種類がある堆肥ですが、用途によって「育土堆肥」と「養分堆肥」の大きく2種類に分けられます。

育土堆肥は、落ち葉堆肥、もみ殻堆肥、草質堆肥、バーク(木質)堆肥など、植物質由来の堆肥です。養分は少なめですが、水はけや通気性などの物理性を改善し、土壌生物を増やして生物の多様性を高めます。土壌改良を目的として使うほか、有機物マルチの素材などに利用します。

養分堆肥は、畜ふん堆肥(牛糞、鶏糞、豚糞など)、生ごみ堆肥、土ボカシなどがあり、養分を比較的多く含む堆肥です。土の物理性や生物性を高める効果もありますが、主として野菜に養分を供給する、肥料的な使い方をします。

良質な堆肥は臭くない

堆肥は臭いというイメージがあると思います。

きちんと発酵管理されて作られた品質のいい完熟堆肥は、アンモニア臭や腐敗臭はせず、無臭もしくはいい香りがします。

しかし、市販の堆肥の中には、袋をあけるとキツイ臭いがする未熟なものもあります。

未熟な堆肥を投入してすぐに種まきや苗の植え付けを行うと、生育障害を起こしてしまうため注意が必要です。使用する場合は早めに投入し、土の中で1ヶ月ほど腐熟させてから、野菜を植え付けるようにしましょう。

土壌改良資材を投入する

土壌改良資材(もみ殻くん炭)

土壌の種類によって、水持ち、水はけ、保肥力、酸性度(pH)などが異なります。

これを改善するため、土壌改良資材を投入します。

土壌改良の目的により、次のようなものがあります。

  • 肥料分が流亡しやすく水持ちが悪い砂質の畑・・・ゼオライト、粘土
  • 粘質で水はけの悪い畑・・・砂、パーライト、バーミキュライト、ピートモス、もみ殻
  • 酸性の畑・・・カキ殻、粉炭、くん炭
  • アルカリ性の畑・・・硫黄粉末

尚、土壌改良資材を多様すると、土壌理化学性が急激に変化し、野菜の生育が悪くなったり、微生物が急激に変化して病害虫の発生原因となる場合もあるので、様子を見ながら行いましょう。