
家庭菜園の初心者の方向けに、ミブナ(壬生菜)の栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。
ミブナ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。
目次
ミブナ栽培の特徴

種類 | 科目 | 好適土壌pH | 連作障害 |
---|---|---|---|
ミブナ | アブラナ科 | 6.0〜6.5 | あり:輪作年限1〜2年 |
古くから栽培されている京野菜のひとつで、歯切れの良さが特徴です。
京都ではカブの千枚漬けにミブナの塩漬けをつけるのが風習。
若いうちにとる間引き菜は柔らかくて生でも美味しく、収穫期のものは炒めものや鍋もの、漬け物にも向きます。
- 肥料好きなので元肥をたっぷりと入れる
- 畑に直播きして間引きしながら育てる
- 大株になるので、使う分だけ外葉を収穫してもいい
ミブナの栽培時期
ミブナの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

8月〜9月頃に畑に直播きし、トンネルを掛けて防寒しておくことで3月下旬頃まで収穫可能です。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
ミブナの栽培方法
ミブナの栽培方法は、次のような流れになります。
土作り
ミブナは肥料好きなので、堆肥とたっぷりの元肥を鋤き込んで耕しておきます。
株間40cmほどを確保して、畝を立てます。
pHは6.0〜6.5が目安です。
肥料
葉を収穫する野菜なので、生育初期から窒素を切らさないようにします。
肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
連作障害・コンパニオンプランツ
ミブナは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。
また、アブラナ科野菜のミブナには、「モンシロチョウ」や「コナガ」の幼虫が寄生して葉を食害します。
そこで「コンパニオンプランツ」として、これらが嫌うキク科の野菜(シュンギク、レタスなど)を近くに植えることで、害虫がつくのを防ぐ効果があります。
種まき


種は畑に直播きします。
条間40cmでまき溝をつけ、1〜2cm間隔で条播きにします。
軽く覆土をして鎮圧し、たっぷりと水をやります。
防虫ネットを掛ける

苗が小さいうちは害虫がつきやすいので、発芽すぐ(または種まき直後)に防虫ネットまたは寒冷紗を掛けておくと安心です。
間引き


生長に合わせて間引きします。
本葉が2、3枚の頃に、株間4〜5cmに間引きます。
その後、生育を見ながら間引きをして、最終的には株間40cmほどにします。
追肥・中耕

草丈が7〜8cmくらいになったら追肥をします。
条間にパラパラと肥料を施し、除草を兼ねて中耕しておきます。
収穫


草丈25cm以上に大きくなったものから、株ごと抜くか、使う分だけ切って収穫します。
寒さには強いのですが、霜が降りる頃を過ぎれば、トンネルを掛けて防寒しておくことで3月下旬頃まで収穫可能です。
発生しやすい病害虫
ミブナに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。
病気
白さび病
葉の表面、茎に乳白色の膨れた斑点ができます。
立枯れ病
本葉が出始める幼苗期、地際部が水浸状になり、細くくびれ、枯れてしまいます。
その他の病気 | |
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軟腐病 | 組織が水浸状になり、軟化して独特の悪臭を放ち腐敗します。 |
白斑病 | 葉に灰白色の病斑ができます。 |
べと病 | 葉に淡褐色の病斑ができ、裏面にすす状のカビが発生します。 |
害虫
アブラムシ
体長2mmの暗緑色の小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。
カブラハバチ
黒藍色をしたイモムシ状の幼虫が、葉を食害します。
ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)


体長1cmに満たない、黒色の幼虫、成虫(丸い形をした甲虫)が、葉を食害します。
その他の害虫 | |
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アオムシ | モンシロチョウの幼虫。緑色の細かい毛がうっすらと生えた小さなイモムシが、葉を食害します。 |
キスジノミハムシ | 成虫(体長3mmほどの甲虫)は葉を、幼虫は根を食害します。 |
コナガ | 体長10mmほど、淡緑色の幼虫が葉を食害します。 |
ヨトウムシ | 夜間にイモムシ状の幼虫が葉を食害します。 |