家庭菜園の初心者の方向けに、ミズナ(水菜)の栽培方法を紹介します。
基本情報
ミズナ(水菜)は伝統的な京野菜のひとつで、キョウナ(京菜)とも呼ばれます。
みずみずしくてシャキシャキとした食感が好まれる野菜。
サラダなど生食用には葉や軸が柔らかい小株で収穫、鍋物や漬け物用にはシャキシャキ感が味わえる大株に育てます。
- 畑に直播きして間引きしながら育てる
- サラダなど生食用には小株採り、鍋物や漬け物用には大株採り
栽培時期
ミズナの栽培スケジュールです。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
9月頃に畑に直播きし、11月下旬頃より大きくなったものから収穫します。
寒さに強いので、一般地なら3月下旬まで収穫可能です。(品種によっては周年栽培も可能です。)
ミブナ(壬生菜)も同様の栽培方法
同じく京野菜の「ミブナ(壬生菜)」はミズナの一種(変種)で、京都の壬生地区で栽培されていたもの。
ミズナとミブナの大きな違いは葉形で、ミズナの切葉に対してミブナは丸葉。ミズナにはない香りと風味があります。
どちらも同様の栽培方法で育てられるので、一度お試しあれ。
栽培方法
ミズナの栽培は、次のような流れになります。
土作り
種蒔きまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
土壌酸度(pH)の目安は6.0〜6.5です。
ミズナ(水菜)は名前の通り水を好みますが、栽培後半は多湿を嫌うので、やや高畝にしておきます。
肥料
葉を収穫する野菜なので、生育初期から窒素を切らさないようにします。
肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
種まき
種は畑に直播きします。
サラダなど生食用に小株採りをする場合は、条間20cmでまき溝をつけ、1〜2cm間隔で条播きにします。
鍋物や漬け物用に大株採りにする場合は、株間30cm〜40cmで1箇所に3〜4粒を点蒔きにします。
軽く覆土をして鎮圧し、たっぷりと水をやります。
育苗して植え付けも可能
ミズナは苗を育ててから植え替えすることもできます。
セルトレイ(128穴)に2〜3粒の種をまき、本葉2枚の頃に間引いて1本立ちにし、本葉4〜5枚になれば畑に定植します。
または、ポット(3号:9cmサイズ)に4〜5粒の種をまき、育つにつれて間引いて1本立ちにし、本葉6〜7枚の苗に仕上げて畑に定植します。
育苗日数 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|
約20日 | 20〜25℃ | 15〜20℃ |
防虫ネットを掛ける
アオムシをはじめ、カブラハバチやヨトウムシなどアブラナ科を好む害虫は多く、気をつけないと葉が穴だらけになってしまいます。
苗が小さいうちは害虫がつきやすいので、発芽すぐ(または種まき直後)に防虫ネットをトンネル掛けしておくと安心です。
生育初期は水やりをしっかりと
ミズナは、生育初期は乾燥に弱いので、土が乾いていたら適時水やりを行います。
尚、生育後半は多湿に弱くなるので、水のやり過ぎに注意。
間引き
生長に合わせて間引きをし、大株は疎植、小株は密植気味に育てます。
小株採りで条播きにした場合は、数回間引いて、最終株間を5cmほどにします。
大株採りで点蒔きにした場合は、本葉1〜2枚の頃に2株を残して間引き、草丈7〜8cmで1株に間引きます。
追肥・中耕
種まきから1ヶ月後を目安に追肥をします。
条間/株間に肥料を施し、除草を兼ねて中耕しておきます。
収穫
大きくなったものから順次収穫していきます。
小株採りなら草丈15cmくらいが収穫の目安。
大株採りなら草丈30〜40cmくらいが収穫の目安です。
収穫は、手で株元をつかんで根から引き抜く、または、根元を切り取って収穫します。
大株採りの場合は、根元にハサミを入れて、株分けするように収穫することもできます。
連作障害とコンパニオンプランツ
連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
ミズナは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。
コンパニオンプランツ
違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。
ミズナと相性の良い野菜には次のようなものがあります。