
家庭菜園の初心者の方向けに、シュンギク(春菊)の栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。
シュンギク栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。
目次
シュンギク栽培の特徴

種類 | 科目 | 好適土壌pH | 連作障害 |
---|---|---|---|
シュンギク | キク科 | 6.0〜6.5 | あり:輪作年限1〜2年 |
関東以北では「シュンギク」、関西では「キクナ」と呼ばれ、品種により葉の形や茎の太さに違いがあります。
国内でよく栽培されているのは中葉種という種類で、側枝が出にくく茎が伸びやすい「株立ち型」と、株元から側枝がたくさん出る「株張り型」があります。


それぞれ収穫方法が異なり、株立ち型はわき芽を摘み取って収穫、株張り型は株ごと抜き取って収穫します。
また、シュンギクは、病害虫が少なく作りやすいキク科の野菜。アブラナ科の野菜に発生する害虫を防ぐ効果もあるため、コンパニオンプランツとしてもオススメです。
- 株立ち型と株張り型で収穫方法が異なる
- 春の遅まきは日照の長さと高温でとう立ちする場合があるので注意
- 肥料が好きなので、元肥となる堆肥は多めに鋤き込んでおく
シュンギクの栽培時期
シュンギクの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。
春まきと秋まきができ、基本的には畑に直播きして育てます。

冷涼な気候を好むので、育てやすいのは秋まきです。霜にあたると葉が傷むので、年内のうちに収穫することを目指します。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
シュンギクの栽培方法
シュンギクの栽培方法は、次のような流れになります。
土作り
種まきの3週間前に堆肥を、2週間前に石灰を入れて耕しておきます。
シュンギクは酸性土壌を嫌うので、土壌酸性度(pH)を適正に調整しておきましょう。
pHは6.0〜6.5が目安です。
肥料
シュンギクは、多めの肥料を好むので、元肥を多めに入れます。
「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
連作障害
シュンギクは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。
また、シュンギクは、キク科特有の香りがアブラナ科につく害虫を防ぐ効果があるため、コンパニオンプランツにもオススメです。
種まき


条間20〜30cmでまき溝を切り、種が均等になるように条播き。発芽率が悪いので多めに撒きます。
シュンギクの種は発芽の時に光が必要な「好光性種子」なので、覆土はできるだけ薄くし、しっかりと鎮圧しておきます。
また、覆土が薄いと乾燥しやすいため、種蒔き前に水やりして土を十分に湿らせておきましょう。
春まきは育苗して植え付けも可能


春まきの場合は、ポットで育苗してから畑への植え付けも可能です。
種をポットにばら撒きして、本葉が出たら1、2本に間引き。
本葉4〜5枚の頃に、苗を1本ずつ畑に定植します。
間引き


発芽したら生育に応じて順次間引きし、最終的に株間15cmにします。
追肥・土寄せ


本葉が伸び始めたら、中耕しながら溝を掘って追肥し、株元に土寄せをします。
以降、追肥は2週間ごとに行います。
摘心

株立ち型の場合は、草丈20cmほどになったら、下の葉4〜5枚を残して主枝の先端を摘心します。

こうすることで、主枝の生長が止まり、わき芽が次々と出てくるようになります。
収穫



株立ち型の場合は、摘心により次々と出てくる「わき芽」を摘み取って収穫します。わき芽が伸びてきたら、先端から20cmほどのところで、葉を1〜2枚ほど残して切り落とします。この方法で収穫を繰り返します。

株張り型の場合は、地際から側枝が次々と伸びだすので、草丈15cm〜20cmほどになったら、根から株ごと抜き取って収穫します。(または、わき芽を摘み取って収穫。)
写真は株張り型のシュンギクですが、うちでは基本的にわき芽を摘み取って収穫しています。
尚、霜が降りると葉先が傷むので、その前に収穫するか、不織布や寒冷紗をトンネル掛けして防寒対策をしておきましょう。
発生しやすい病害虫
シュンギクに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。
病気
炭疽病
葉に淡褐色の病斑ができ、やがて葉枯れ状態になります。
べと病
葉に黃白色のぼやけた病斑ができ、次第に拡大して、葉は淡黄色になって枯れます。
その他の病気 | |
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さび病 | オレンジ色の楕円形で、やや膨らんだ小さな斑点ができます。 |
害虫
ワタアブラムシ
小さな虫が葉裏に群生して、吸汁加害します。
ナモグリバエ
体長3mmほどの乳白色の幼虫が葉肉の中から葉を食害し、葉の表面に絵を描いたような白い筋状の食痕を残します。
その他の害虫 | |
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ミナミキイロアザミウマ | 葉に体長1〜2mmの小さな成虫や幼虫が寄生し、吸汁加害します。 |
ヨトウムシ | イモムシ状の幼虫が、夜間に葉を食害します。 |