緑色の小さなイモムシが葉を食害する、アブラナ科野菜の代表的な害虫「コナガ(蛾の幼虫)」。
その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
アブラナ科野菜を加害する代表的な害虫。
蛾の仲間で、イモムシ状の幼虫が葉を食害します。
孵化直後の若齢幼虫は葉の中に潜り込んで、葉の内側を食害します。中齢幼虫になると葉肉から出てきて、葉裏から葉の表皮を残すように食害します。
老齢幼虫は大きくて1cmほどと小さいのですが、成長が早く、繁殖力も高いため、放置すると多発して野菜を食い尽くされてしまいます。
老齢幼虫の見た目は「アオムシ」とそっくりですが、コナガは最大1cm程度の大きさです。また、アオムシとは異なり、触るとポロッと落下します。
畑には他にもよくに似たイモムシがたくさんいます。種類を特定するのに、コチラが参考になります。
生態
”菜っ葉につく小さな蛾”という意味で、漢字では「小菜蛾」と書きます。
年10回以上、主に春から秋にかけて発生します。休眠しないので1年中見られる地域もあります。
主に葉裏に産卵し、孵化した幼虫が食害します。1cmほどに成長した幼虫は、葉の裏に粗い網目状の繭をつくって蛹になります。
防除方法
対処法
早期発見、早期防除を基本に、幼虫を見つけたらすぐに取り除きましょう。小さい食べ痕にいる若齢幼虫を駆除するのがポイントです。
有効な薬剤(農薬)
薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。
「ベニカS乳剤」は、チョウ目害虫に優れた効果がある殺虫剤。速効性と持続性があり、害虫を効果的に退治します。
「ベニカAスプレー」は、植物を食べる虫や群がる虫をすばやく退治するスプレー式の殺虫剤。ノックダウン効果に優れ、素早い効きめが特徴です。
但し、農薬に強い虫なので、殺虫剤を多用するとコナガの天敵のクモが減って、コナガが多発する可能性もあるため注意。
予防法
アブラナ科野菜を植え付けたあと、すぐに防虫ネットや寒冷紗でトンネル掛けしておけば、産卵を防ぐことができます。
被覆資材の種類とトンネルの掛け方ただ、トンネル内に入り込まれることもあるため、トンネルを掛けたあとも安心せず、葉裏に卵を見つけたら潰しておくようにしましょう。
また、キク科(シュンギク、レタス)の野菜が発する香りを嫌う性質があるため、コンパニオンプランツとして近くに植えることで、コナガの飛来を防ぐことができます。
コンパニオンプランツの組み合わせと効果窒素分が豊富で肥料過多の株に産卵しやすいので、適切な施肥量で育てることが大切です。
クモなどの天敵が棲みつく畑作りをするのが理想です。