サツマイモの栽培方法・育て方のコツ

サツマイモ栽培

家庭菜園の初心者の方向けに、サツマイモの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

サツマイモ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

サツマイモ栽培の特徴

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
サツマイモ ヒルガオ科 5.5〜6.0 連作可能

水はけのよい痩せた土地で育て、ツルを繁茂させないのがサツマイモ栽培のコツ。

貯蔵がきき、収穫から時間がたって追熟することで美味しくなるので、長く楽しめるのも魅力です。

栽培のポイント

  • 窒素分が多すぎるとつるボケするため、元肥は最小限に
  • ツルが茂ってきたら、つる返しをしてヒゲ根を切る

サツマイモの栽培時期

サツマイモの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

5月中旬頃に苗を植え付け、10月頃の収穫です。

サツマイモの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

サツマイモの栽培方法

サツマイモの栽培方法は、次のような流れになります。

苗の準備

サツマイモ(安納芋)の苗
サツマイモ(鳴門金時)の苗
サツマイモの苗を水に浸けて保存

サツマイモの苗は、4月下旬頃に種苗店やホームセンターなどで販売されます。

良い苗の基準は、茎が太くて、節間が間のびしておらず、葉色が濃くて厚みのあるもの。また、節数が4〜5あり、長さが15〜20cmくらいのものを選びます。

植付けまで苗を保存しておくには、浅く水を張ったバケツに浸けて日陰に置いておきます。これで1週間くらいはもちます。

土作り

サツマイモは、日光がよく当たる、通気性に富んだ乾燥した土を好みます。また、肥沃だと「つるボケ」になるので、痩せた土地が向きます。

植え付け10日ほど前に、土をよく耕し、幅45cmほどの畝を作ります。水はけと通気性をよくするため、高さ30cmの高畝にします。畝間に水たまりができないよう、排水にも気をつけたいところ。

また、サツマイモは収穫まで長期間になるので、雑草を防ぐためにマルチを掛けておきます。

pHの目安は5.5〜6.0です。

肥料

サツマイモの組織内には、空気中の窒素を固定する微生物(アゾスピリラム)が共生していて、自ら栄養分を作り出します。

また、肥料が多いとツルばかり伸びて芋の生育が悪くなる「つるボケ」になるため、肥料は最小限(または施さない)で育てます。尚、追肥は一般的には行わず、全量を元肥で施します。

畝にワラや米ぬかを入れると、それらを分解するときに窒素分が取り込まれるため、窒素が不足した状態になって「つるボケ」が防げます。さらに、秋に芋がつく頃には肥料にもなります。

肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

また、イモの肥大にはカリ成分が関係するため、「草木灰」などを多めに入れると良いです。リン酸は要求度は小さいのですが、イモの甘みを増します。

植え付け

サツマイモ苗の植え付け
サツマイモ苗の植え付け
サツマイモ苗の植え付け

株間30〜40cmでマルチに穴を開け、深さ10cmくらいの楕円形の植え穴を掘ります。

植え穴の底に寝かせるように苗を置いたら、土をかけて鎮圧します。この時、塊根の基となる不定根が良く出るよう、3〜4節が土に埋まるように植え付けるのがポイント。

植え付け後は、たっぷりと水をやります。

この後は、収穫まで追肥や芽かきなどの作業も必要ありません。

植え付け方

サツマイモの主な植え方には、「斜め植え」と「垂直植え」があります。

苗を斜めにさす「斜め植え」が一般的ですが、それぞれ次のような特徴があります。

  • 斜め植え・・・根は横に長く伸びるため、細長い芋になる。個数は多め。
  • 垂直植え・・・根は縦に短く伸びるため、丸く短い芋になる。個数は少なめ。また、栄養分の転流がスムーズになり甘みが凝縮する。
サツマイモの斜め植え

サツマイモの垂直植え

棒を使うと植え付け作業が簡単

例えば斜め植えの場合、次のように斜めに棒を挿して穴を掘り、開いた穴に苗を差し込んで土を被せます。

サツマイモ苗の植え穴を開ける
開いた穴にサツマイモ苗を挿す

これだと、マルチの上からでも簡単に植え付けができます。

連作障害・コンパニオンプランツ

サツマイモは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。

また、サツマイモと相性の良い「コンパニオンプランツ」には、「赤じそ」があります。

赤じそが過剰な肥料分を吸収してサツマイモのつるぼけを防ぐ他、葉の赤色がサツマイモを食害するアカビロウドコガネを忌避する効果もあります。

つる返し

株が成長し、伸びたツルが土につくと、葉のつけ根の部分から根を出します。

芋は根に養分が蓄積したものなので、放っておくと地表を這うツルにも芋がつき、養分が分散してしまいます。

それを防ぎ、植えつけた部分の芋だけを肥大させるために、つる返し(ツルを引き上げて土から根をはがし反転する)を行います。

サツマイモのつるが茂っている状態
サツマイモのつるが畝間に根を張っている
サツマイモのつる返し

地面に根を張ったツルの先を持ってたぐり上げ、根こそぎ剥がしたら、ツルをひっくり返して葉の上に乗せておきます。

つる返しは、根を出したツルを見つけたらその都度行います。

収穫

植え付け後110〜120日で収穫できます。

収穫期を遅らせると、芋は太く、大きくなりますが、色や形が悪くなります。

掘った芋を乾かすため、晴れた日の午前中に収穫しましょう。

サツマイモのつるを刈り取る
サツマイモのマルチをめくる
スコップでサツマイモを掘る
掘り起こしたサツマイモ
収穫したサツマイモ

株元でツルを切り、マルチをめくったら、芋を傷つけないように、スコップでまわりから掘り起こして収穫します。

掘った芋は並べて午後いっぱい干し、表面が乾いてから保存します。

また、霜にあたると収穫した芋の保存性が悪くなるため、霜が降りる前に収穫を済ませましょう。

収穫予定の1週間前に地上部のつるを刈り取っておくと、芋にデンプンが転流し甘みが高まります。

収穫後は追熟させて甘味を増す

掘ったサツマイモは乾かす

サツマイモの主成分は炭水化物ですが、収穫直後はそのほとんどがデンプンであるため、あまり甘くありません。

収穫後1〜2週間保存すると、デンプンが果糖などの糖類に変化して甘くなりまります。

尚、9℃以下の低温で糖化が進むと腐敗しやすくなり、15℃以上になるとほう芽してしまうため、貯蔵する際の適温は12〜14℃くらいがベストです。

また、貯蔵前の3〜4日間、温度30℃〜34℃、湿度90〜95%の環境下に置くと、傷のついたところにコルク層ができ、貯蔵中の病原菌の侵入を防ぐことができます。(キュアリングといいます)

発生しやすい病害虫

サツマイモに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

黒斑病(こくはんびょう)

芋の表面に丸く黒っぽい斑紋ができます。貯蔵中に被害が大きくなります。

予防とてしては、無病の苗を用いることが大切です。

⇛ 黒斑病の症状と対策・予防法

立枯病(たちがれびょう)

葉が黄色になってしおれ、つるは伸びず生育不良に、症状が激しいと枯れてしまいます。茎や塊根に黒い病斑ができます。

⇛ 立枯病の症状と対策・予防法

斑紋モザイク病

葉に紫色の斑紋が現れます。芋は表面が帯状にひび割れ、でこぼこになり、色あせます。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

害虫

イモキバガ(イモコガ)

イモムシ状の幼虫が葉を巻いて中に潜み、歯の外側の表皮だけを残して食害します。

⇛ イモキバガ(イモコガ)の特徴と対策・予防法

サツマイモネコブセンチュウ

根に寄生し、根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

被害に遭うと、芋のひげ根の基部に黒色の斑点やくぼみができます。

⇛ センチュウ類の特徴と対策・予防法

ドウガネブイブイ(コガネムシ)

ドウガネブイブイの幼虫

カブトムシやクワガタムシの幼虫と似ていますが、ドウガネブイブイ(コガネムシ)の幼虫です。

地中にいる幼虫が芋を食害します。

⇛ コガネムシ類の特徴と対策・予防法

ナカジロシタバ(ヤガ類)

体長40〜50mm、灰青色で黒色の小斑点、背には黄色の筋が特徴の、イモムシ状の幼虫が葉を食害します。

⇛ ヤガ類の特徴と対策・予防法

ハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)

サツマイモがハリガネムシに食害された穴

体長2〜3cmの赤茶色をしたイモムシが、イモを食害します。

食害された箇所には穴があき、酷い所だとイモの奥深くまで穴だらけになります。