家庭菜園の初心者の方向けに、シソ(紫蘇)の栽培方法を紹介します。
基本情報
葉の色が緑色の「青紫蘇(青ジソ)」、赤紫色の「赤紫蘇(赤ジソ)」があり、また、葉の表面が平らなものと、ちりめん(葉に縮みが多い)のものがあります。
栽培方法は同じですが、青ジソはは葉を摘みながら株を育て、赤ジソは収穫適期に株ごと抜き取って収穫します。
薬味や刺身のツマなどにと用途が多いのも魅力で、栽培方法も簡単なので家庭菜園にオススメです。
- 湿り気のある場所を好み、敷きわらなどで乾燥防止する
- 発芽適温が20〜25度と高めなので、気温が上がってから種まきする
栽培時期
シソ(紫蘇)の栽培カレンダーです。
中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。
育苗する場合は4月中〜下旬、畑に直播きする場合は5月以降、気温が上がってからが種まき時期です。
シソの品種
青紫蘇(青ジソ)。
葉を用いる「大葉」をはじめ、「花穂ジソ」「穂ジソ」「シソの実」「芽ジソ」など用途多彩。
栽培方法
シソ(紫蘇)の栽培は、次のような流れになります。
種まき
気温が暖かくなる5月以降であれば、畑に種を直播きすることもできます。直播きの場合
ポットに5〜6粒ずつ種をまき、ふるいでごく薄く土をかけて、たっぷりと水をやります。
ポット苗は、ビニール温室などの暖かい環境で育苗します。
庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室本葉が1、2枚出た頃に成長の良い苗を選んで1本に間引き、最終的に本葉4〜5枚の苗に仕上げます。
育苗日数 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|
30〜40日 | 20〜25℃ | 20〜25℃ |
芽ジソの収穫
双葉が開いて本葉が出ないうちに間引きしたものは、「芽ジソ」として刺身のつまなどに使えます。
芽ジソをたくさん収穫したい場合は、種をプランターなどに広くばら撒きして間引き収穫し、株を育てる分だけを本葉2枚の頃にポットに移植すると効率的です。
土作り
植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
土壌酸度(pH)の目安は6.0〜6.5です。
肥料
葉を収穫する野菜なので、生育初期から窒素を切らさないようにします。
肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
植え付け
苗が本葉4〜5枚になったら、定植の適期です。
株間40cmほどで、畑に植え付けます。
定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。
畑に直播きする場合
畑に直播きする場合は、株間40cmで1ヶ所に5〜6粒ずつ点蒔きします。
薄く覆土をして鎮圧し、たっぷりと水をやります。
発芽したら順次間引きをして、最終的に1本立ちにします。
追肥
草丈が20cm前後になったら、株元に追肥を施し、土を寄せておきます。
その後は月に1〜2回ほど、畝の脇に少量の追肥を施します。
敷きワラマルチ
夏期の乾燥で根が傷むと、葉がごわごわして質が低下します。
梅雨が終わったら乾燥を防ぐために、株元に敷きわらや刈り草などで覆っておきましょう。
こうすることで、土壌水分の蒸散を防ぎ、香り高く柔らかい葉を収穫することができます。
収穫
まずは「大葉」の収穫。
主茎の葉が10枚以上になったら、下の方の大きな葉から収穫します。
香りを保つためには、手で葉を触りすぎないように軸を持つようにしましょう。
尚、本葉7〜8枚で摘芯して、わき芽を多く発生させ、柔らかい葉をたくさん収穫するという方法もあります。(うちは放任栽培です。)
赤ジソの収穫
梅干し用などに使う「赤ジソ」は、株を束ねて根ごと引き抜いて収穫します。
草丈30〜40cmになったら収穫適期です。
花や実の収穫
短日性植物のシソは、秋が近づくと「とう立ち」して花穂が出だします。
この頃になると葉は小さく品質も悪くなるので、大葉としての収穫は終了。続いて、「花穂ジソ」「穂ジソ」「シソの実」の収穫になります。
花穂が伸びて、下の方から順に花が咲いて実を結んでいきます。
花が咲き始めた頃のものを「花穂ジソ」と言い、刺身のつまや天ぷらして食べます。
その後、花の後に穂の実が膨らんできて、下の方が実を結び先端に少し花が残る頃が、「穂ジソ」「シソの実」の収穫適期。
シソの実は、穂を指でしごくようにして実を採ります。
収穫したシソの実は、醤油漬けや塩漬けなどに。
連作障害とコンパニオンプランツ
連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
シソは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。
コンパニオンプランツ
違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。
赤ジソ×青ジソを混植すると色と香りの違いで互いの害虫が忌避できる効果があります。
注意点として、混植した状態で花を咲かせると交雑が起こりやすいため、種採りをする場合は混植しないようにしましょう。