サツマイモの病気と害虫

サツマイモの病気と害虫

サツマイモ栽培で発生しやすい病害虫。

それら症状の特徴と防除方法をまとめています。

サツマイモの栽培方法・育て方のコツサツマイモの栽培方法・育て方のコツ

病気

サツマイモに発生しやすい代表的な病気と、その対策・予防法をまとめています。

立枯病(たちがれびょう)

葉が黄色になってしおれ、つるは伸びず生育不良に、症状が激しいと枯れてしまいます。

茎や塊根に黒い病斑ができます。

つる割病

葉は黄化してしおれ、つるの地ぎわが縦に裂けて黒変します。

サツマイモ基腐病

2018年に沖縄県、鹿児島県、宮崎県で発生が確認され、全国各地に急拡大している病気

初期症状は萎れや黄変、生育不良として現れ、株元の基部が褐色になっている場合は基腐病の疑いあり。しかし、生育旺盛期は茎葉が繁茂しており気付きにくく、その間に発病が進行し、収穫期が近づいた頃に一気に枯れ上がったように見えます。

病原菌は糸状菌(カビ)の一種で、主に感染した種イモや苗を植え付けることで圃場に持ち込まれてしまいます。

無病健全苗を使うこと、発病株は速やかに除去、発生した畑では連作しないことが大切です。

その他の病気

黒斑病芋の表面に丸く黒っぽい斑紋ができます。貯蔵中に被害が大きくなります。予防とてしては、無病の苗を用いることが大切です。
斑紋モザイク病葉に紫色の斑紋が現れます。芋は表面が帯状にひび割れ、でこぼこになり、色あせます。原因ウイルスをアブラムシが媒介します。
かいよう病芋に暗褐色でくぼんだ病斑が発生します。

害虫

サツマイモに発生しやすい代表的な害虫と、その対策・予防法をまとめています。

イモキバガ(イモコガ)

イモキバガ(イモコガ)の幼虫

イモムシ状の幼虫が葉を巻いて中に潜み、歯の外側の表皮だけを残して食害します。(別名:イモコガ)

サツマイモネコブセンチュウ

根に寄生し、根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

被害に遭うと、芋のひげ根の基部に黒色の斑点やくぼみができます。

ケラ

土中に潜む体長3〜5cmの茶色の虫が、イモを食害します。

コガネムシ類

ドウガネブイブイ(コガネムシ)の幼虫

体長4cmほどと大きく、カブトムシやクワガタムシの幼虫と似ていますが、コガネムシの幼虫です。

地中にいる幼虫が芋を食害します。

MEMO

サツマイモに加害するコガネムシの主な種類は、ドウガネブイブイ(写真)、アカビロウドコガネ、アオドウガネ、ヒメコガネ、オオクロコガネ、など。

マルクビクシコメツキ(ハリガネムシ)

ハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)

コメツキムシの幼虫(体長2〜3cmで赤茶色)が、イモを食害します。

食害された箇所には2~3mm程度の針金を差し込んだような円形の穴があきます。

その他の害虫

アブラムシ茎や葉に小さな虫が群棲し吸汁加害します。モザイク病のウイルスを媒介するため必要。
ナカジロシタバ体長40〜50mm、灰青色で黒色の小斑点、背には黄色の筋が特徴の、イモムシ状の幼虫が葉を食害します。(ヤガ類)

病害虫予防のポイント

サツマイモ栽培で病害虫を予防するためのポイント。

未熟な有機物を入れない

畝に未熟な有機物があると、コガネムシが産卵しイモを食害します。また、センチュウ類が増えてイモの肌が汚くなります。

土作りの際は、完熟した堆肥・肥料を入れるようにしましょう。

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

サツマイモは連作障害が出にくいため同じ場所での連作が可能ですが、「サツマイモ基腐病」が発生した畑では連作を避けましょう。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

サツマイモと相性の良い野菜には「赤ジソ」があります。

アカビロウドコガネの幼虫が地中のイモを食害することがありますが、成虫は赤ジソの赤い葉色を嫌って産卵しなくなり、被害が抑えられます。また、赤ジソが過剰な肥料分を吸収してサツマイモのつるぼけを防ぐ効果もあります。

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