蒸したサツマイモを天日干しで乾燥させた「干し芋」。
ねっとりした噛み応えと自然な甘み、食物繊維を多く含み、ビタミンB1、ビタミンC、カリウムが豊富で栄養面でも優れもの。
炊飯器と干し網を使って、自宅で簡単にできる「干し芋」の作り方を紹介します。
干し芋に最適なサツマイモの品種
サツマイモの品種によって、干し芋の出来栄え、特徴は大きく異なります。
ねっとりした噛み応えの干し芋を作るなら、「鳴門金時」などホクホク系よりも、しっとり・ねっとり系のサツマイモ品種を選びます。
干し芋の代表的な品種は「玉豊」「いずみ」「玉乙女」などで、全国の9割の干し芋が茨城県で生産されています。
しかし、一般家庭で干し芋を作るなら、入手しやすい次のような品種がオススメです。
本命として挙げるのは「紅はるか(写真右)」。うちも今年初で栽培したのですが、しっとり食感で安納芋にも匹敵する甘さ。焼き芋・蒸し芋・干し芋と、どれにしても最高に美味しいです。
次に挙げるのは「安納芋(写真左)」。蜜芋と呼ばれるほど甘みが強く、水分多めのねっとり食感。干し芋にしてもカラカラになりにくく、しっとり柔らかに仕上がります。しかし、身崩れしやすいので細切れの干し芋になってしまいがち。
また、この品種は様々な土地・気候に適応して育てることができるので、自分で栽培してみるのもオススメです。
サツマイモの栽培方法・育て方のコツ干し芋の作り方
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手順
干し芋の作り方をざっくり説明すると、サツマイモを蒸して、干し芋サイズに切り、3〜5日ほど天日干し。
まず、丁寧に洗ったサツマイモを蒸します。
蒸し器がない場合は、炊飯器で代替可能。水カップ2杯とサツマイモを入れて炊飯ボタンを押すだけ。
玄米モードにすると、ねっとり仕上げになります。
玄米モードだと通常の白米より炊きあがりまでの時間が少し長く、うちの炊飯器では1時間ちょっとで完了。
取り出して皮を剥きます。
竹串やバターナイフを使うとキレイに剥けます。
1cm程度の厚さに切ります。繊維を切らないように、縦に切るのがコツ。
少し冷ましてから切ると、身崩れせず切りやすくなります。
そして、薄く切った蒸し芋を外に並べて天日干し。
ちょうど良い干し加減になるまで3〜5日掛かるので、晴れが続きそうな日に作りましょう。
虫が付いたり鳥につつかれたりしないよう、干し網(一夜干しネット)を利用するのがオススメです。
日の良く当たる洗濯干し場などに吊るしておきます。
1日1回イモを裏返して、夜は夜露を避けるため屋内に取り込みます。
天日干し3日目でこれくらい。
少しねっとり食感が残っている感じで、個人的にはこの干し加減が好き。
5日目になると噛みごたえのある硬さに。外カラカラ、中は若干しっとり。
あまり長い間干しておくと固くなりすぎるので、お好みの固さでどうぞ。
干し芋にカビ発生…
一度、天日干し2日目から雨が続き、その間屋内に保管していたら写真のようにカビが発生したこともあります。
このような失敗を避けるため、特に表面が乾燥するまでの天日干し3日目くらいまでは、晴天が続く日を狙った方がいいです。
袋に入れて冷蔵庫で保存
干し加減にもよりますが、水分を多めに残した場合は、室温保存だとカビが発生しやすいです。
そのため、袋に入れて冷蔵庫で保存します。
また、冷凍庫に入れておくと、長期保存も可能です。
取り出したら、後述のようにトースターで温めると柔らかくなり、美味しく食べることができます。
紅はるかと安納芋の干し芋食べ比べ
「紅はるか」と「安納芋」、2種類のサツマイモで作った干し芋を食べ比べしてみました。
まずは、紅はるか。
歯応えもあり、甘みも十分。市販の干し芋に負けないレベル。少し乾燥させすぎた感はあり、もう半日干すのを短くするともっと良かったかも。
次に、安納芋。
切断時に身崩れするかと思いきや、意外にキレイに加工できました。紅はるかよりもしっとり感は多く残っており、程よい歯応えと甘みも強い。しっとり系の干し芋が好みなら、安納芋の干し芋もイイですね。
一工夫でさらに美味しく
そのまま食べても美味しい干し芋ですが、さらに美味しく食べるのに一工夫。
火で炙ると柔らかく甘みも増す
干し芋をトースターなどで温める(火で炙る)と、外カリカリ中ねっとりと柔らかくなり、甘みも増します。
簡単お菓子「チョコ干し芋」
湯煎して溶かしたチョコレートを干し芋に掛け、冷蔵庫で冷やすだけの簡単お菓子。
チョコレートと干し芋の相性バツグンで、我が家でおやつに出したら一瞬でなくなりました。