インゲン(いんげん豆)の栽培方法・育て方のコツ

インゲン(いんげん豆)の栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、インゲン(いんげん豆)の栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

インゲン栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

インゲン栽培の特徴

つるありインゲン・つるなしインゲンの栽培の様子

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
インゲン マメ科 6.0〜6.5 あり:輪作年限2〜3年

インゲンは、豆を食べるというより若い幼果のサヤを食べます。

サヤがふっくらしているものの、豆の部分に膨らみが見られない未熟なインゲンは柔らかく甘みがあります。逆に、収穫が遅れ豆の部分が膨らんでくると、甘みは増すもののサヤが固くなってしまいます。

また、若採りすることで株は勢いを保ち、次々と花を咲かせて収穫量も増えるため、早めの収穫を心掛けましょう。

尚、インゲンには、ツルを長く伸ばす「つるあり種」と短い「つるなし種」があります。

  • つるあり・・・高い支柱を立てる必要があるが、収穫期が長く収量も多い
  • つるなし・・・収量は少ないが、支柱がいらず手軽に作れる

育てる際には、どちらの品種か確認しておきましょう。

MEMO
収穫までの時期が短く、一年で三度収穫できることから、関西では「サンドマメ(三度豆)」とも呼ばれます。
栽培のポイント
  • マメ科の野菜には珍しく、肥料(窒素)は多めに必要
  • ツルあり種は支柱を立てて誘引し、風通しを良くしてアブラムシの発生を防ぐ
  • 実を長くつけすぎると株が弱るので、大きくなったものから早めに収穫する

インゲンの栽培時期

インゲンの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

春まきは育苗と直播きができ、それぞれ夏に収穫可能。夏まきは直播きして秋に収穫することができます。

インゲン(いんげん豆)の栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

インゲンの栽培方法

インゲンの栽培方法は、次のような流れになります。

種まき・育苗

インゲン(いんげん豆)の種
インゲンの種をポットに種まき
ビニール温室で育苗
インゲンの苗を間引きして2本立ちにする

ポットに3粒ずつ、指で1cmの深さに押し込んで種をまきます。

軽く土をかけ、たっぷりと水をやります。

ポット苗は、そのまま暖かい環境で育苗します。

育苗のポイント
  • 日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意
  • 夜に水分が多いと徒長の原因になるため、水やりは朝に行う

本葉2枚の頃、良い株を残して2本立ちにします。

MEMO
インゲンなど豆の種は寿命が短く、前年に余った種は発芽率が悪くなるので、種は毎年新しいものを購入しましょう。

土作り

植え付け/種まきの3週間前に堆肥を、2週間前に石灰を入れて耕しておきます。

pHは6.0〜6.5が目安です。

その後、種まきの1週間前に元肥を入れ、株間30cmを確保して畝を立てます。

肥料

マメ科の植物の根には、空気中の窒素を固定する根粒菌が共生していて、自ら栄養分を作り出します。(根粒菌は、根の粒に住みついています)

マメ科植物の根に付いている根粒菌
マメ科の根に付いている根粒菌

そのため、マメ科の植物には窒素肥料を控えめにし追肥は施さないのが通常ですが、インゲンは多くの肥料を必要とするため、しっかりと追肥も施します。(つるぼけにならないよう、元肥は控えめに。)

肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

連作障害

インゲンは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。

また、インゲンには、マメ科の根に付く根粒菌が空気中の窒素を固定して土壌を肥沃にし、菌根菌がリン酸分などの養分を吸収しやすくする効果があるため、コンパニオンプランツとしての利用もオススメです。

植え付け

インゲンの苗を2本立ちのまま畑に植え付け

本葉3〜4枚の頃が、定植の適期です。

2本立ちのまま、株間30cmで畑に植え付けます。

直播きの場合

株間30cmで1ヶ所に3〜4粒ずつ、深さ1cmくらいに種まき。土を被せて軽く押して鎮圧し、たっぷりと水をやります。

インゲンの種まき(直播き)
種まき後の鳥害対策に不織布を掛ける

種まき直後は、カラスやハトが豆や芽を食べてしまうことが多いので、本葉が出るまで「不織布」などをベタ掛けしておくと安心です。

本葉が2〜3枚出たところで、生長のよい苗を2本残して間引きします。

インゲン苗を間引いて2本立ちにする

支柱立て・誘引

インゲンのツルを誘引するのための支柱とネット
インゲンのつるをネットに誘引

つるありインゲンの場合、つるが伸び始めた頃に支柱を立ててネットを張り、ツルを誘引します。

下の方の葉が混んでいるときは、わき芽をかいて風通しを良くしておきましょう。

追肥

追肥は開花と初収穫のタイミングで行います。

インゲンの花は1つ咲き始めると次々に咲きます。実に栄養を回すため、最初の開花時に1回目の追肥を施します。

インゲンの開花

収穫が始まったら2回目の追肥を施します。

注意
栄養過多だと「アブラムシ」が付きやすいので、アブラムシが付いているときは追肥を控えましょう。

収穫

花の後には小さな実がつきます。

インゲンの花の後に小さな実がつく

サヤの長さが10〜15cmになれば収穫の適期。(さやの中の豆が膨らむ前が採り頃。でこぼこが目立つようでは適期を過ぎています。)

収穫適期のインゲンマメ
インゲンマメの収穫

サヤの上をハサミで切るか、手でもぎ取って収穫します。

実を長くつけすぎると株が弱るため、大きくなったものから早めに収穫。こうすることで長期間、収穫できるようになります。

注意
収穫が遅れ、サヤの中の豆が肥大し始めると、新たな花芽を形成することを止め、豆の肥大に養分を供給するようになります。特に「つるなし種」は、豆が肥大して固くなると、完全に生育が止まってしまうので要注意。

トラブル・生育不良

インゲン栽培によくある、トラブル・生育不良などをまとめています。

サヤが曲がっている、豆の一部が膨らんでいない

受粉不良が原因です。

受粉が不完全で生育が悪いと、豆の一部が膨らまず、サヤが曲がったりします。

固くてスジっぽくなり、味も落ちてしまいます。

花は咲くのにサヤがつかない

真夏に30度以上の高温になると、花が落ちやすく実つきが悪くなります。栽培時期を調整しましょう。

また、葉が大きくでこぼことうねっているなら、肥料過多による過繁茂が原因です。今ついているサヤの収穫を遅らせ、着果負担により草勢を落ち着かせましょう。

他には、なり疲れや乾燥が原因の可能性があります。早めの収穫、水やりをして様子を見ましょう。

発生しやすい病害虫

インゲンに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

炭疽病(たんそびょう)

葉は葉柄や葉脈に黒褐色の病斑を生じて萎縮。

サヤにはくぼんだ黒褐色の病斑ができます。

⇛ 炭疽病の症状と対策・予防法

モザイク病

葉が緑色濃淡のモザイク模様となったり、葉脈に沿って濃淡ができたりします。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

その他の病気
かさ枯病 葉には黄緑色に縁取られた赤褐色の病斑、サヤには周縁部が赤みを帯びた濃緑色の病斑が出ます。
すすかび病 葉の表面に暗褐色の病斑ができ、その表面にカビが発生します。

害虫

アズキノメイガ

アズキノメイガに食害されたインゲン

幼虫が茎やサヤに潜り込んで食害します。

侵入口からふんを出すので、サヤに穴が開いていていれば要確認。見つけたらサヤを切り取って処分します。

⇛ メイガ被害の特徴と対処・予防法

カメムシ

インゲンに寄生するカメムシ

花が咲き終わってさやができ始める頃から、カメムシがやってきます。

さやが吸汁されると、落果したり、豆が入らなかったり、豆が変形したりします。

⇛ カメムシ被害の特徴と対策・予防法

マメハモグリバエ

体長3mmほどの乳白色の幼虫が葉肉の中から葉を食害し、葉の表面に絵を描いたような白い筋状の食痕を残します。

⇛ ハモグリバエ被害の特徴と対策・予防法

その他の害虫
アブラムシ 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害します。モザイク病を媒介するため注意。
オンシツコナジラミ 葉裏に寄生して吸汁加害します。
コガネムシ 成虫が葉を食害します。(成葉を食べるため、生育や収量への影響は小さい。)
ダイズシストセンチュウ 根に寄生して養分吸収が阻害され、生育不良になります。
ハスモンヨトウ 夜間にイモムシ状の幼虫が葉を食害します。
野菜の育て方