メイガ|被害の特徴・生態と防除方法

メイガ被害の症状と対処・予防法

メイガ」は、植物の茎や果実に入り込んで食害し、生育や収穫に大きな被害を与える蛾の幼虫です。

本記事では、被害の特徴から生態、効果的な防除方法までを写真付きで解説します。

被害の特徴

アワノメイガショウガトウモロコシ
ウリノメイガウリ科の植物(キュウリゴーヤスイカ)、オクラ
シロイチモジマダラメイガエダマメ
アズキノメイガアズキ、インゲンオクラナス
ワタノメイガオクラ
ハイマダラノメイガアブラナ科の植物(キャベツコマツナダイコンハクサイブロッコリー・カリフラワーミズナ
ベニフキノメイガシソ、ハーブ類
シロオビノメイガホウレンソウ
メイガの種類と発生しやすい野菜

メイガ類(蛾の一種)の幼虫が植物を食害します。

種類が多く、葉を折り合わせて葉の表面を食害するものや、野菜の葉を食害し芯止まりなどの被害を与えたり、果実に入り込んで食害するものなど多様。

果実や野菜の芯を食べるものは、シンクイムシ(芯喰い虫)とも呼ばれます。

アワノメイガ

トウモロコシの天敵とも言える「アワノメイガ」。

黄白色の幼虫が、茎や果実に潜り込んで実などを食害します。

ウリノメイガ(ワタヘリクロノメイガ)

ウリ科野菜を食害するウリノメイガ

ウリ科の野菜に発生。

緑色の幼虫が葉や果実を食害。中・老齢幼虫になると、葉を綴りあわせて丸め、その中に潜んで葉を食害します。

シロイチモジマダラメイガ

エダマメに必ずというほど発生する「シロイチモジマダラメイガ」。

幼虫がさやに潜り込んで豆(子実)を食害します。

アズキノメイガ(フキノメイガ)

アズキノメイガに食害されたインゲン

幼虫が茎やサヤに潜り込んで食害します。

アズキ、インゲンマメで発生が多く、他にオクラやナスも加害します。

ワタノメイガ

オクラの葉につく「ワタノメイガ」。

蜘蛛の糸のような粘着性のもので、葉を綴りあわせて丸め、中に潜んで葉を食害します。

ハイマダラノメイガ

アブラナ科野菜に発生。成長点付近の葉を食害するので、生育が極端に悪くなることがあります。

幼虫は「ダイコンシンクイムシ」とも呼ばれます。

ベニフキノメイガ

ベニフキノメイガがシソの葉を糸でつづり食害している

シソやハーブ類に発生。

葉や枝を糸でつづり合わせて食害します。

シロオビノメイガ

ヒユ科植物、ホウレンソウに発生。

淡緑色の幼虫が葉裏に寄生し、表面だけを薄く残して葉肉を食害します。

MEMO

畑には似たイモムシが多いので、種類の特定にはこちらが参考になります。

生態

種類が多く、生態も様々。

一般的には4月〜10月にかけて年3〜5回の発生。加害場所などで幼虫や蛹の状態で越冬します。

葉裏の葉脈付近に1個ずつ産卵し、孵化した幼虫は葉肉内や葉の上で食害します。

防除方法

対処法

幼虫が茎や果実に入ってしまうと駆除するのは難しく、被害を確認したら早めにその部分ごと切り取ります。

農薬(殺虫剤)を使う場合は、種類に応じて次のようなものがあります。

ウリノメイガには、天然成分で有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える殺虫剤「STゼンターリ顆粒水和剤」などが有効です。天然微生物(B.t.菌)が作る有効成分が、チョウ目害虫に効果をあらわします。

シロイチモジマダラメイガには、「スミチオン乳剤」などが有効です。広範囲の作物に使用でき、幅広い害虫に効果のある代表的な園芸用殺虫剤です。

ハイマダラノメイガアズキノメイガ(フキノメイガ)には、チョウ目害虫に優れた効果がある「ベニカS乳剤」などが有効です。速効性と持続性があり、害虫を効果的に退治します。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

アワノメイガについては、別ページにまとめています。

トウモロコシの子実を食害するアワノメイガ アワノメイガ|被害の特徴・生態と防除方法

予防法

種蒔きや定植後から収穫まで、防虫ネットをトンネル掛けして、成虫が飛来し産卵するのを防ぎます。

防虫ネットでトンネル 被覆資材の種類とトンネルの掛け方

肥料過多や弱った株につきやすいので、施肥は適正量でしっかりとした株を育てましょう。

また、被害が多くなる前に収穫できるよう、早生品種を早めにまくのも1つです。

MEMO

植物の様子がおかしいと思っても、症状から見分けるのは難しいもの。

そんな場合は、写真から自動で病害虫診断してくれるサービスもあります。

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