葉の表面に鉄さびのような、盛り上がったオレンジ色の斑点ができる「さび病」。
その症状と発生原因、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
葉の表面に、オレンジ色で細長くやや隆起した楕円形の小さい斑点が現れます。やがて表皮が破れて粉末(胞子)が飛び散ります。
症状が激しいと、葉の全体がさび状の粉で覆われ、葉が巻きあがるようにして枯死します。
植物の表面にできる胞子が鉄さびのように褐色の粉状であることから「さび病」と呼ばれます。
胞子の色は黒色、褐色、淡黄色、白色などさまざま。アブラナ科野菜に出るさび病は白い斑点がつくのが特徴で「白さび病」とも呼ばれます。
主な原因と伝染経路
糸状菌(カビ)による伝染性の病気です。
発病株の斑点が破れて、粉状の胞子が周囲に飛散して伝染します。(病原菌は越冬して翌春の伝染源にもなります。)
春と秋、低温で雨が多い時期の被害が目立ちます。(伝染源となる胞子の発芽適温は9〜18度と低めのため、夏の高温期には発生は少なくなります。)
防除方法
対処法
発病した葉などは除去して処分します。
さび病の菌は酸性を好む一方でアルカリ性が苦手なので、発生が見られた畑に「石灰」をまくことで、菌がそれ以上広がるのを抑えられます。
有効な薬剤(農薬)
薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。
「STダコニール1000」は、葉が変色するタイプの広範囲の病気に効果がある総合殺菌剤です。
「カリグリーン」は、有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える殺菌剤で、炭酸水素カリウムを主成分としているので、散布後、副次的にカリ肥料にもなります。
予防法
株が弱ると病気が出やすいので、水はけを良くし、多肥や肥料不足に注意しましょう。
また、ネギのさび病予防には「干しネギ栽培」も有効です。
干しネギ栽培・・・春に定植した苗を7月に一旦掘り出し、3日間ほどカラカラに干して植え直します。そうすると、根の張りが良くなり、耐病性が高まります。