家庭菜園の初心者の方向けに、カリフラワーの栽培方法を紹介します。
基本情報
カリフラワーは「ブロッコリー」の改良品種で、栽培方法はほぼ同じですが、株間を少し広めにとって外葉をのびのび育て、株自体を大きくするのがポイント。
カリフラワーの花蕾は日が当たると黄ばんでしまうため、花蕾を葉で覆って遮光することで真っ白に仕上げます。
また、白色以外にも、黄色、オレンジ、紫など、さまざまな色の品種があります。
- 過湿に弱いので水はけの良い場所に定植する
- 株間を広めにとって植え付ける
- 花蕾がついたら外葉で覆って直射日光を防ぎ、純白に仕上げる
栽培時期
カリフラワーの栽培カレンダーです。
中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。
春まきと夏まきの年2回つくることができますが、育てやすいのは夏まき・秋冬採りです。
栽培方法
カリフラワーの栽培は、次のような流れになります。
種まき・育苗
ポット(3号:9cmサイズ)に3〜4粒ずつ種をまき、軽く覆土して、たっぷりと水をやります。
ポット苗は、春まきは保温資材を使って暖かい環境で、夏まきは遮光資材などで高温対策を施して育苗します。
庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室発芽したら段階的に間引いて1本立ちにし、最終的に本葉5〜6枚の苗に仕上げます。
育苗日数 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|
約35日(春まき) 約30日(夏まき) | 15〜30℃ | 20℃前後 |
土作り
カリフラワーは排水性と保水性がいい肥沃な土壌を好みます。
植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
土壌が酸性だと「根こぶ病」が出やすくなるので、土壌酸度(pH)の調整はしっかりと行いましょう。pHの目安は6.0〜6.5です。
肥料
栽培期間を通じて肥料が効いている必要がありますが、リン酸が不足したり、窒素が多すぎたりすると、茎葉ばかりが茂って花蕾ができにくくなります。
肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
植え付け
本葉5〜6枚まで苗が育ったら畑に定植。
株間45cmで植え付けます。
定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。
防虫ネットを掛ける
定植したら、「アオムシ」や「ヨトウムシ」などの害虫を防ぐために、防虫ネット/寒冷紗でトンネルを掛けておきます。
花蕾が食害されるとその跡が変色し、見た目が悪くて売り物になりません。
追肥・土寄せ
株を十分に育てると品質が向上するので、追肥を施して外葉をしっかり育てます。
植え付け2週間後に1回目の追肥を行います。また、このタイミングで除草も兼ねて中耕し、土寄せをして株を安定させます。
さらに2〜3週間後、2回目の追肥・中耕・土寄せを行います。
花蕾を保護する
主枝の頂部に花蕾がついてきます。
白色品種の場合、直射日光や霜で花蕾が傷んで黄ばんだりするため、外葉を束ねて花蕾を保護します。(または、外葉を数枚折り取って、花蕾の上にのせて覆います。)
こうすることで、真っ白なカリフラワーが収穫できます。
収穫
株の頂点にできた「花蕾(つぼみ)」が直径15〜20cmになったら収穫します。
収穫は、下葉5〜6枚を付けて切り取ります。
収穫が遅れると、花蕾の表面がざらつき隙間ができて味が落ちます。また、色付きの品種は退色してしまうため、採り遅れないようにしましょう。
尚、「ブロッコリー」と違い、カリフラワーはわき芽の収穫はできないので、中心の花蕾を採ったら終わりです。
連作障害とコンパニオンプランツ
連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
カリフラワーは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。
コンパニオンプランツ
違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。
アブラナ科野菜のカリフラワーには「モンシロチョウ」や「コナガ」の幼虫が寄生して葉を食害します。
そこで、コンパニオンプランツとして、これらが嫌うキク科の野菜(シュンギク、レタス)やセリ科の野菜(ニンジン)を近くに植えることで、害虫がつくのを防ぐ効果があります。