幼虫(黒色のイモムシ)が集団で葉を食害する「カブラハバチ」。
その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
ハチの仲間で、イモムシ状の幼虫が集団、または単独でアブラナ科植物の葉を食害します。
食害痕は小さな円状で、アオムシやヨトウムシと似ています。若い葉を中心に食害し、古い葉にはほとんど加害しません。
大量発生すると葉脈だけを残して食べ尽くされてしまうこともあります。
カブラハバチという名前は、”カブラの葉を食べる蜂”という意味ですが、アブラナ科全般につきます。
畑には他にもよくに似たイモムシがたくさんいます。種類を特定するのに、コチラが参考になります。
生態
カブラハバチは草食タイプの蜂の仲間。幼虫は大きくなると真っ黒になるので「ナノクロムシ」とも呼ばれます。
幼虫は体長10〜20mmほど、やや光沢のある黒色をしたイモムシ状の幼虫。成虫は体長7〜8mmで、頭部と翅が黒く、胴体がオレンジ色。
成虫のハチが葉肉の中に卵を産みつけ、孵化した幼虫が葉を食害します。成熟した幼虫は、土の中に潜って繭の中で蛹になります。
4〜6月、10〜11月に多く発生します。
防除方法
対処法
幼虫は昼間でも集団で葉に寄生しているので、見つけたら捕まえて駆除、または、葉を切り処分します。
手で触るとポロッと地面に落ちて丸くなって動かなくなり、土に落ちると紛れて見つけにくくなります。そのため、駆除するときは動きの鈍い早朝にするのがオススメです。
有効な薬剤(農薬)
薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。
「マラソン乳剤」は、広範囲の作物に使用でき、幅広い害虫に効果のある代表的な園芸用殺虫剤です。
予防法
成虫が飛来し産卵するのを防ぐことが大切です。
アブラナ科野菜を植え付けたあと、すぐに防虫ネットや寒冷紗でトンネル掛けしておけば、産卵を防ぐことができます。
被覆資材の種類とトンネルの掛け方また、軟弱気味の株は産卵されやすいので、肥料の過不足に注意して丈夫な株に育てることが大切です。
密植などで風通しが悪い場合もつきやすいので、適切な株間をとって風通しをよくしておきましょう。