
家庭菜園の初心者の方向けに、ラディッシュの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。
ラディッシュ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。
目次
ラディッシュ栽培の特徴

種類 | 科目 | 好適土壌pH | 連作障害 |
---|---|---|---|
ラディッシュ | アブラナ科 | 5.5〜6.5 | あり:輪作年限2〜3年 |
ラディッシュは、和名で「二十日大根(はつかだいこん)」と呼ばれるように、短期間で収穫できる小型のダイコンです。
アブラナ科なので虫は多少つきますが、栽培期間が短いので、簡単に育てられます。また、プランターなど小さなスペースでも栽培できるので、家庭菜園の初心者の方にもオススメ。
白色や赤色、長丸型など、いろいろな品種があります。
- 生長に合わせて、2回以上間引いて育てる
- 大きく育てすぎると味が落ちるので、早めに収穫する
ラディッシュの栽培時期
ラディッシュの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。
寒さが厳しい春採り、冬採りの場合は、トンネル掛けをして栽培します。

種蒔きから30日前後で収穫可能です。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
ラディッシュの栽培方法
ラディッシュの栽培方法は、次のような流れになります。
土作り
ラディッシュは種まきから収穫までの期間が短いので、早めに土作りして土壌微生物相を安定させ、発芽してすぐに肥料成分を吸収できるようにしておくことが大切です。
種まきの3週間前に堆肥を、2週間前に石灰を入れて耕しておきます。
pHは5.5〜6.5が目安です。
その後、種まきの1週間前に元肥を入れ、畝を立てます。
また、土が固く、土の塊や残渣があると玉の形がゆがむ原因になるため、よく耕しておくことが大切です。
肥料
肥料は、窒素・リン酸・カリをバランスよく施します。「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
連作障害・コンパニオンプランツ
ラディッシュは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。
また、アブラナ科野菜のラディッシュには、「モンシロチョウ」や「コナガ」の幼虫が寄生して葉を食害します。
そこで「コンパニオンプランツ」として、これらが嫌うキク科の野菜(シュンギク、レタスなど)やセリ科の野菜(ニンジンなど)を近くに植えることで、害虫がつくのを防ぐ効果があります。
種まき


種は畑に直播きします。
条間20cmでまき溝をつけ、2cm間隔で条播きに。軽く覆土をして鎮圧し、たっぷりと水をやります。
防虫ネットを掛ける

病気は栽培期間が短いのであまり心配ありませんが、気温が高くなると、「アブラムシ」や「カブラハバチ」などの害虫が発生します。
種まき直後に防虫ネットで畝を覆うなどしておくと安心です。
間引き


間引きは2回に分けて行います。
本葉が出たところで1回目の間引き、本葉2〜3枚の頃に2回目の間引き。
混み合った所や生育の悪い株を間引いて、最終的に株間5cmにします。
間引いた後は株がふらつくので、株元に軽く土寄せをしておきます。
収穫


地面にラディッシュの赤い肩が出て、直径2〜3cmになったら収穫適期。
葉を手でまとめて、つけ根を持って引き抜きます。
大きく育ちすぎると根が割れたり、スが入ったりして味が落ちるので、早めに収穫するようにしましょう。
トラブル・生育不良
ラディッシュ栽培によくある、トラブル・生育不良などをまとめています。
実割れ(裂根)

ラディッシュが割れるのは、土壌水分の急激な変化や収穫遅れが原因です。
収穫が遅れて大きく育ちすぎたことによる実割れがほとんどなので、適期の収穫を心掛けましょう。
発生しやすい病害虫
ラディッシュに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。
病気
白さび病
葉の表面、茎に乳白色の膨れた斑点ができます。
苗立枯病(なえたちがれびょう)
地ぎわ付近の茎や根が腐敗し、やがて株全体が枯れます。
害虫
カブラハバチ
黒藍色をしたイモムシ状の幼虫が、葉を食害します。
ダイコンハムシ
体長1cmに満たない、黒色の幼虫、成虫(丸い形をした甲虫)が、葉を食害します。
その他の害虫 | |
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アオムシ | 緑色の細かい毛がうっすらと生えた小さなイモムシが、葉を食害します。(モンシロチョウの幼虫) |
アブラムシ | 体長2mmの暗緑色の小さな虫が集団で棲みつき吸汁加害します。 |
コナガ | 体長10mmほど、淡緑色の幼虫が葉を食害します。 |
ヨトウムシ | 夜間にイモムシ状の幼虫が葉を食害します。 |