ナメクジ被害の症状と対策・予防法

白菜を食害するナメクジ

新芽や若葉などの柔らかい葉を舐めるように食害する「ナメクジ」。

その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。

症状と被害

ナメクジが発生しやすい野菜
イチゴ キャベツ シイタケ ナス ネギ ハクサイ パクチー レタス

野菜や草花の新芽や若葉などの柔らかい葉を舐めるように食害します。

食害痕はヨトウムシと似ていますが、粘液の白っぽく光る筋や小さな糞が付着しています。

イチゴやナスにつくと、実に穴をあけるように食害します。

大きく育った外葉は食べませんが、キャベツやハクサイなどの結球野菜の内部によく入り込みます。

注意

ナメクジやカタツムリには「広東住血線虫」というセンチュウの一種が寄生している場合があり、誤って食べると発熱や頭痛などの症状を引き起こします。這った跡に残った粘膜にも付いている場合があるため、収穫した野菜はよく洗って食べましょう。

生態

ナメクジはカタツムリと同じ陸貝の仲間で、貝のない陸生貝の総称。

乾燥に弱く、湿った環境を好みます。昼は、敷きワラや野菜の残渣、石や鉢の下などに潜み、夜になると活動します。雨が降った後や水をまいた後などの夜は被害が多くなります。

卵は石の下や土の浅い部分にまとめて産み付けられ、半透明で2〜3mmの円形または楕円形をしています。

防除方法

対処法

幼苗の頃は要注意。見つけしだい駆除します。

夜行性なのでトラップを仕掛けると効率的です。深めの容器にビールかオレンジジュースを入れて野菜の株元に置くと、誘引されて容器に入ります。(浅めの容器だと飲み逃げされます)

塩をかけると死ぬと言われますが、小さくなるだけで、駆除するには熱湯の方が効果的です。

農薬(殺虫剤)を使う場合は、「ナメトックス」などが有効です。スプレータイプのものだと、ナメクジに直接かけて退治、地面散布して誘引&まちぶせ殺虫効果が1~2週間持続します。

他に、地面に撒いておくと、ナメクジを誘い出し、食べさせて退治する粒状タイプもあります。(中身同じで「ナメナイト」からリニューアルしました。)

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

予防法

隠れ場所となるような石や落葉、野菜の残渣などは排除しておきます。

若い雑草もナメクジの餌になるので、株周りに雑草を適度に生やしておくと被害を軽減できます。

また、ナメクジはツバキを嫌う性質があるので、野菜の周囲にツバキの実や葉を刻んでまいておくと忌避できます。また、キク科の植物を好むので、守りたい野菜の周りにおとり作物としてマリーゴールドなどを育てるのも1つです。

特定防除資材「ピュアベニカ」を葉面散布しておくと、ナメクジに忌避効果があり、食害を抑制することができます。有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える食品成分(食酢)100%のスプレーなので、あらゆる植物に、食べる直前まで使えます。