テントウムシダマシ|被害の特徴・生態と防除方法

テントウムシダマシ

テントウムシダマシ」は、植物の葉を食害して生育を妨げる小型の甲虫です。

本記事では、被害の特徴から生態、効果的な防除方法までを写真付きで解説します。

被害の特徴

ナスやジャガイモなど、主にナス科野菜の主要害虫

暖かくなると発生し、6月頃から幼虫が増え始めます。このため、生育中のジャガイモの近くにナスの苗を植えると被害が出やすくなります。(どちらもナス科野菜です。)

テントウムシと見た目そっくりなので「テントウムシダマシ」と呼ばれます。

MEMO

肉食性で益虫のテントウムシに対し、草食性で作物を食害するテントウムシダマシ。黒い斑点が28個と多いのも特徴。

成虫も幼虫も、葉を食害して生育を妨げます。

葉の食害痕は特徴があり、写真のようにさざ波状になります。

テントウムシダマシが発生しやすい野菜

生態

関東以北ではオオニジュウヤホシテントウが、関東以西ではニジュウヤホシテントウが発生します。

どちらも成虫で落葉の下などで越冬し、5月頃に葉裏に数個〜数十個の卵を産みつけます。孵化したての幼虫は集団で行動し葉を食害しますが、やがて分散します。8mmほどの大きさに成長すると蛹になり、6〜7月に成虫になります。

オオニジュウヤホシテントウはこのサイクルで年1回の発生。暖かい地域にいるニジュウヤホシテントウは、夏頃にも産卵して年2〜3回発生します。

防除方法

対処法

寄生されると一気に繁殖して被害が大きくなるので、見つけたらすぐに手で捕まえて駆除します。

有効な薬剤(農薬)

薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。

ベニカ水溶剤」は、有効成分が植物体内に吸収され効果が持続する浸透移行性の殺虫剤です。植物の汁を吸う害虫はもとより、葉を食害する害虫や甲虫類にも優れた防除効果を発揮します。

ベニカAスプレー」は、植物を食べる虫や群がる虫をすばやく退治するスプレー式の殺虫剤。ノックダウン効果に優れ、素早い効きめが特徴です。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

予防法

肥料過多の株にはつきやすくなるので、肥料の与えすぎには注意。

裏葉に付いている20〜30粒の塊の卵や幼虫は、見つけたら駆除しておくことで、他の植物への被害を抑えることができます。

また、収穫後の植物の残渣は早めに処分し、冬場は越冬場所になる落ち葉の除去など畑の清掃を行いましょう。

MEMO

植物の様子がおかしいと思っても、症状から見分けるのは難しいもの。

そんな場合は、写真から自動で病害虫診断してくれるサービスもあります。

写真から病害虫診断ができるスマホアプリ 写真から病害虫診断ができるスマホアプリ