
芽生えて間もない苗の茎を地際で食いちぎる「ネキリムシ(根切り虫)」。
ネキリムシ被害の特徴と、対策・予防法をまとめています。
ネキリムシ被害の特徴
カブラヤガ、タマナヤガなど茎を食害するヤガ類(夜蛾)の幼虫の総称で、一見すると根を切られたように見えるため「ネキリムシ(根切り虫)」と呼ばれます。
体長40mmほどのイモムシ状の幼虫で、夜行性で昼間は土に潜っています。苗が地ぎわで噛み切られて横倒しになったり、切られた葉などが土の中に引きずり込まれたりします。
写真は順に、ネキリムシに噛み切られたキャベツ、ブロッコリー、ジャガイモの苗。



雑食性で近くにエサになる植物があればそれを食べます。発芽したばかりの苗や植え付け直後の苗が食害されるのは、他にエサがないから。雑草のないキレイな畑は被害がでやすくなります。
ネキリムシの対策・予防法
対策
昨日まで元気だった苗が翌朝にパタリと倒れていたら、ネキリムシの可能性が高いです。
幼虫は、昼間は被害を与えた苗の付近の土中に潜り込んでいるので、数cmほど掘り返して探し、見つけたら手で捕まえて駆除します。
また、農薬(殺虫剤)を使う場合は「ネキリベイト」などが効果的です。株元にばらまくだけで土の中に潜むネキリムシを誘い出し、食べさせて退治します。
効果は速効性で、植え付け後や発芽後の作物をネキリムシから守るので、被害防止に有効です。
予防法
幼苗の胚軸など柔らかい部分しかかじれないので、本葉4枚以上の苗を植えるようにします。
生えたての雑草もネキリムシにとってはご馳走なので、種をまいた畝にほどよく雑草を生やしておくと被害が軽減します。
また、株元に近寄れないようにすることで、ネキリムシから若苗を守ることができます。


高さ5cmほどのプラスチック筒を地面に1〜2cm差し込み、株元を覆うことで保護します。ペットボトルを輪切りにしたものが簡単で便利です。
尚、秋野菜に「米ぬか」や「ボカシ肥」を用いると、「ネキリムシ」や「ヨトウムシ」が増えます。
施用する場合は、深さ30cmほどの溝を掘って施す(溝施肥)や、完熟したものであれば、通路や畝にごく薄くまくだけにしておくなどの方が無難です。