アワノメイガ被害の症状と対策・予防法

アワノメイガ被害の症状と対策・予防法

イモムシ状の幼虫がトウモロコシの茎や実に入り込んで食害する「アワノメイガ」。

その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。

症状と被害

アワノメイガが発生しやすい野菜
ショウガ トウモロコシ

メイガ類(蛾の一種)」の中で、トウモロコシを食害する代表的な虫が「アワノメイガ」です。

枝豆の中に入って食害するシロイチモジマダラメイガ メイガ被害の症状と対処・予防法

体長5mm〜2cmほどで黄白色をしたイモムシ状の幼虫が、茎や果実に小さな穴をあけて中に入り込み食害します。

アワノメイガの幼虫

茎の中心部が食べられると、株の生育が悪くなります。

成長期に大きくならない株があれば、茎の中を食害しているかもしれないので、1本抜いて見てみましょう。

最も大きな被害は子実です。

雌穂に侵入した幼虫は、実を食い荒らします。食害中の幼虫は、潜り込んだ穴から黄褐色のふんを出します。

トウモロコシ以外の野菜ではショウガにつくこともあり、茎内に食入して萎れや芯枯れを生じ、 多発すると株が枯れてしまいます。

生態

春から秋にかけて、年2回の発生。

成虫がトウモロコシの葉や茎に産卵(1箇所に数個から数十個)。孵化した幼虫は茎に小さな穴をあけて内部に入り込み食害します。

成虫はトウモロコシの雄穂に誘引されるため、雄穂が出る時期に多く発生します。

防除方法

対処法

茎や果実に潜り込んだ幼虫には薬剤の効果は低いので、その前に対処が必要です。

アワノメイガを防除するには、トウモロコシ専用の殺虫剤「三明デナポン粒剤5」がよく効きます。

粒剤をそのまま散布するだけなので使い易く、使い方は、次のタイミングで2回の散布。(収穫21日前までに使用

  1. 雄穂抽出期(茎の先端の雄花が出始めた頃)に、葉身に留まるよう雄穂の箇所に散布
  2. 雌穂抽出期(実からヒゲが出始めた頃)に、葉身に留まるよう雌穂の箇所に散布
注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

予防法

アワノメイガはトウモロコシの雄穂に誘引されるため、雄穂を確認したら受粉に必要な分(5本に1本ほどの割合)だけを残して除去し、残った雄穂も花粉が出なくなったら全て取り除いておくことで、産卵を防いで被害を抑えることができます。

トウモロコシの雄穂はアワノメイガ対策に切り取っておく

雄穂を切るタイミングや残す本数によってうまく受粉できない可能性もあるため、家庭菜園など株数が少ない場合は、花粉が出たらすぐに人工授粉してしまい全ての雄穂を切り取っておくのがオススメです。

また、トウモロコシの畝全体に防虫ネットを掛けて、成虫の侵入・産卵を防ぐことも効果的です。

手間は掛かりますが、果実そのものに台所用の水切りネットなどを掛けてカバーしておくとより効果的です。

台所の三角コーナーのネットでトウモロコシの実を覆う

他に、インゲンエダマメなどマメ科の植物はアワノメイガを忌避するので、これらとの混植も有効です。

コンパニオンプランツ コンパニオンプランツの組み合わせと効果

中でも、つるありインゲンとの混植はアワノメイガの高い忌避効果が得られます。

同時に種を蒔くとトウモロコシの生育を妨げてしまうため、トウモロコシが本葉3枚になったら、株元にインゲンの種を蒔きます。インゲンのツルをトウモロコシの株に巻き付かせて育てるのがポイント。

栽培時期を早まきと遅まきでずらすことで、雄穂の開花時期とアワノメイガの飛来時期を重ならないようにするのも一つです。