トマト・ミニトマトの栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、トマト・ミニトマトの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

トマト・ミニトマト栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

トマト栽培の特徴

トマト栽培

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
トマト ナス科 6.0〜6.5 あり:輪作年限4〜5年

原産地が南米アンデス高原であるトマトは、乾燥・多日照・昼夜の温度差がある気候を好みます。

甘いトマトを作るためには水分を制御することがコツ。高畝にして排水をよくし、さらに雨除け栽培などの工夫が必要。乾燥気味に育てる方が味が良くなります。

また、トマトの生育には強い光が必要であり、光が不足すると軟弱徒長し、花数が少なく、花質も落ち、落花も多くなります。そのため、日当たりのいい場所で栽培するようにしましょう。

露地野菜で完熟させたトマトの美味しさは別格ですが、高温や多湿に弱く栽培途中の作業も多くて、意外と作るのが難しいです。

最初は、丈夫で作りやすく、たくさん採れるミニトマト系の品種がオススメです。

大玉・中玉・ミニトマト

栽培のポイント

  • ナス科の野菜との連作・近い場所での植付けはしない
  • 水はけのよい高畝、マルチ、雨よけ屋根などで過湿を避ける

トマトの栽培時期

トマトの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

3月中旬頃にポットに種をまいて育苗し、5月上旬に植え付け、7月頃〜10月初旬まで長期間収穫できます。

トマトの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

トマトの栽培方法

トマトの栽培方法は、次のような流れになります。

大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトのいづれも、種まきや栽培方法は基本的に同じです。

種まき・育苗

トマトの種
ポットへのトマトの種まき
トマトポットで育苗
トマトの育苗

9cmポットに3粒ずつ種をまき、たっぷりと水をやります。

発芽後に間引いて1本立ちにします。

ポット苗は、ビニール温室などの暖かい環境で育苗します。

⇛ 庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室

育苗のポイント

  • 日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意
  • 夜に水分が多いと徒長の原因になるため、水やりは朝に行う

病害虫に強い接木苗を使うと、失敗も少なく育てることができるのでオススメです。

土作り

トマトの根は深く伸びるので、深くまで耕しておきます。

過湿に弱いため、排水性が良くない場所では高畝にします。マルチにして根元への雨の侵入を防ぐのも効果的。また、周りにワラを敷くことで雨はね防止になります。

pHは6.0〜6.5が目安です。

肥料

茎葉を伸ばしながら実をつけていくので、栽培期間を通じて肥料切れしないようにします。

バランスが大切で、窒素が多すぎると、茎葉ばかり伸びて実がつきにくくなります。一方で、窒素が少なくリン酸が多いと、開花中の花房の実つきはよくなりますが、生育が衰え、次の花房が出にくくなります。

肥料には「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

また、カルシウム欠乏による「尻腐れ病」の予防には、1週間に1回ほどの頻度で「トマトの尻腐れ予防スプレー」を散布しておくと効果的です。

植え付け

トマト苗の植付け
トマト苗の斜め植え

本葉が8〜9枚出て、はじめの花がつきはじめた頃が定植の適期です。

株間50cmほど。寝かせ植えがポイントです。植え付け直後は仮支柱を立てて苗を支えます。

定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。

尚、花は全て同じ側につくため、花房を畝の外側に向けて植えると収穫作業がしやすくなります。

トマトの果房を収穫作業側に植える
トマトの花と果房

トマトの花房の付き方

トマトの花房は、本葉8葉から9葉に最初の花房がつき、その後は3葉おきに花房をつける規則性があります。

寝かせ植え(斜め植え)のメリット

トマトが茎から根が出やすい性質を利用して、寝かせて植えることで、茎の部分から根(不定根)を出させます。

これにより、吸水力、給肥力が高まり、樹勢が強く、収量が増えます。

また、原産地では横向きに葉茎を伸ばして成長するトマト。寝かせ植えはトマト本来の性質にも合い、より健康に育つため、病害虫に強くなる利点もあります。

トマトの寝かせ植え

植え付けの際には、土に埋める部分の子葉と本葉は掻き取っとておきます。そのまま土に埋めると腐ることがあります。

尚、接木苗の場合、寝かせ植えはNGです。接ぎ目部分が埋まってしまい穂木からも根が出て、接ぎ木の意味がなくなってしまいます。

連作障害・コンパニオンプランツ

トマトは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を4〜5年あけるようにします。

また、トマトと一緒に植えることで良い影響を受ける「コンパニオンプランツ」には次のようなものがあります。

トマトの植え穴にニラを一緒に植える。ニラとトマトの根を絡ませるように混植することで、ニラの根に繁殖する拮抗筋が「萎凋病」などの土壌障害を防ぐ効果があります。

トマトの株間にラッカセイを植える。トマトとラッカセイは互いの生育を促す働きがあるため、トータルの収量が増えます。

支柱立て

トマトの支柱立て(直立型)
トマトの支柱立て(合掌型)

1株に1本ずつ支柱を立てます。

1列なら直立型。2列なら合掌型の支柱にすると安定性があり、倒れにくくてオススメです。

主茎が伸びてきたら、生育に合わせて誘引していきます。茎と支柱とに8の字型に紐をかけて結びます。茎を傷めつけないよう、きつくしすぎないこと。

仕立て

「1本仕立て」は、大きな実をならせる必要がある大玉トマトはもちろん、中玉やミニトマトにも向く基本形。

茎葉が混みあいにくく、株の中まで光と風が入るので、株が健全に育って、病害虫の被害も受けにくくなります。

トマト栽培の仕立て方法

中玉トマトやミニトマトには、主枝と第1花房の下から伸びるわき芽の計2本を伸ばす「2本仕立て」も向いています。

主枝1本仕立ての倍の量が収穫できるので、苗が少なくてすむことが最大のメリット。成長点が2つになるため、初期育成が抑えられ、多少収穫期が遅れますが、茎葉が茂りすぎる「過繁茂」になりにくい利点もあります。

雨よけ屋根

トマト栽培の雨よけ屋根

雨に当たると病気や実割れを起こしやすいので、雨よけ屋根を張るのがオススメです。

特に、大玉トマトは完熟するまで時間がかかり、過湿障害が出やすいので、雨よけ屋根がないと難しいです。

また、雨が土を跳ね飛ばして葉に付くと、土壌病原菌に侵されやすくなります。これを防ぐためにも、特に梅雨の時期に設置しておきたいところ。

⇛ トマトの雨よけハウス(トマトの屋根)で実割れ・疫病を防ぐ

受粉

トマトの花は、雄しべと雌しべの両方を備えた「両性花」で、同じ花の花粉が同じ花の柱頭に受粉することで実を付けます。

通常は自然の力(風による振動)で受粉されますが、人の手で花を揺すって受粉を助けることができます。

生育が旺盛なトマトは、茎葉だけが茂り実がつかない「過繁茂」が起きやすくなります。特に、第1花房に着果しないと、果実に送り込まれるべき養分が茎や葉の成長に使われて「つるぼけ」になったり、2段目以降の実つきが悪くなったりします。

また、低温期や高温期には落花防止と着果促進のため、トマトトーン(ホルモン剤)を散布するのが有効です。

尚、ホルモン剤は開花した花だけに処理すること。つぼみに処理したり、何度も重複散布したりすると「空洞果」の原因になります。また、高温時や濃度が濃すぎるのも空洞果の原因になるため、暑い日は朝か夕方に行うようにしましょう。

追肥

開花後、実がつきはじめた頃に追肥します。

大玉トマトであれば、ついた実がピンポン玉大になった頃が追肥のタイミング。

尚、樹勢が旺盛、茎が太く葉の色が濃く、葉が内側に丸まっているなど、養分過多の状態であれば、追肥は控えます。

わき芽かき・摘果・摘芯

トマトの脇芽かき方法

わき芽かき

トマトのわき芽

葉のつけ根から出る「わき芽」は、トマトの成長に併せて次から次へと出てきます。

わき芽かきをしないと茎葉が茂りすぎて花芽がつきにくくなり、風通しも悪くなるため、葉の付け根から出てくるわき芽は全てかいておきます。

わき芽が伸びると主枝と見分けがつきにくくなるので、早めにかき取るのがポイント。1週間に1度はしておきたいところ。

ハサミで切ると樹液を介してウイルス病に感染することがあるので、手で摘み取るのが原則です。また、切り口がすぐ乾いて、傷が早く治るように、わき芽かきは晴れた日の午前中に行うこと。

摘み取ったわき芽は、丈夫そうなものを選んで植えれば、新たな株に育てることができます。

摘果

大玉トマトの場合は1個1個の実を充実させるため、1房につく実の数を4〜5個に制限します。

それ以上に付いている場合は、小さい実や形の悪い実を摘み取ります。

寝かせ植えをしない場合は、樹勢を強くするために、第1段目は摘果して2個にします。

摘芯

4〜6段目の花房ができる頃には、主茎の先端が支柱の頂上に達するので、先端を摘芯します。

この時に大切なのは、最も上の花房より上に出ている2〜3枚の葉を残しておくこと。これにより、株が充実して実に養分が届きやすくなります。

中耕

実がつき株がぐんぐん成長してきたら、高畝の外側から中耕して土寄せをします。

株まわりの雑草も土と一緒に削って除草しておきます。

鳥害対策

トマト栽培の防鳥ネット

トマトが熟す頃、カラスなどの野鳥に狙われやすくなります。

露地栽培では、株の周囲に棒を立てて釣り糸を張る、防鳥ネットを張るなど、鳥害対策が必要になります。

雨よけ屋根を張ると、支柱にぐるっとネットを巻きつけられるので、設置が簡単になります。

⇛ トマトの雨よけハウス(トマトの屋根)で実割れ・疫病を防ぐ

収穫

トマトの収穫時期
ミニトマトの収穫時期
ガクが反り返ったらトマト収穫適期
トマトの先端を指で折ると簡単に収穫できる

開花後55〜60日後が収穫の目安です。

へたの近くまで赤くなったものから順番に収穫します。ガクが反り返ったら収穫適期

特にミニトマトの場合は、収穫が遅れると割果や落果の原因となるので注意が必要です。

また、収穫の終わった花房の下の葉は不要なので摘み取って、風通しや採光を良くしてやります。

ちなみに、トマトは枯れるまで長期にわたって収穫できますが、栽培終了の目安としては、5段目以降になると病害虫が出やすくなるので、そのあたりで片付けるのも1つです。

生育診断

葉茎が次のような場合、生育に問題がある状態です。

茎が太い・葉が大きく色が濃い

茎が太い・葉が大きく色が濃い・葉が内側に巻く。この症状が揃ったら、典型的な肥料過多です。

次のように対策します。

  • 追肥の間隔をあける
  • 人工授粉やホルモン処理で着果を増やす
  • わき芽を1〜2本伸ばして、養分を分散させる
  • 根切り(株元から20cm〜30cm離れた場所に1ヶ所だけショベルを刺して根を切る)をして、養分の吸収力を弱らせる

葉が小さく、色が薄い

葉が小さく、色が薄い。これは肥料不足の症状です。

次のように対策します。

  • 早めに追肥を与える
  • 着果させずに花房ごと切り取る

茎に穴があいて生長が止まる

茎の真ん中に穴が開くのは異常茎の1つで、通称「めがね茎」と呼ばれます。

主な原因は、肥料過多。

対処法として、先に述べた肥料過多の対策。さらに、生長の止まった主茎は摘芯して、下のわき芽を新たな主茎として育てます。

生理障害

尻腐れ病(しりくされびょう)

トマト尻腐れ病

トマトのお尻(果頂部)が黒褐色になります。

土のカルシウム不足や、高温や土の乾燥、窒素肥料の過剰摂取によりカルシウムの吸収が抑えられたときに発生します。

⇛ 尻腐病の症状と対策・予防法

空洞果

果実の子室内のゼリー部分の発達が悪く、空洞が発生する「空洞果」。

高温や低温のため受粉不良となり種子が十分にできないことが原因で、日照不足でも発生しやすくなります。

また、ホルモン剤の散布時期が早すぎたり、高濃度であった場合にも発生します。

対策としては、ホルモン処理は開花時に限定し、高温時に処理はしない。光環境に注意し、強日射、光線不足にならないようにする。高温条件や養水分過多にならないように管理するなどがあります。

割果・裂果(トマトが割れている)

トマトの裂果・割果

トマトの実に亀裂が入る「割果・裂果」。

主な原因は、土壌水分の急激な変化にあります。

乾燥が続いたあとに急な降雨があると、実が内側から一気に肥大するのに、果皮の成長がついていけず、亀裂が入ります。また、強い日差しで果皮がコルク化し、そこから水を吸って割れることもあります。

対策としては、大きく3つあります。

1つ目は、根をしっかり張らせることで、急激な変化に耐えられるようにします。このためには、元肥は少なめに、こまめな追肥(株元から離していく)で根を伸ばしていきます。

2つ目は、マルチにより土壌の過湿を防ぎます。また、雨よけ屋根も有効です。裂果は雨に直接当たることでも起きるので、その面からも効果が期待できます。

3つ目は、果実が隠れるように葉を残し、直射日光や雨を防ぎます。雨よけ屋根に遮光寒冷紗をかけても良いです。

⇛ トマトの雨よけハウス(トマトの屋根)で実割れ・疫病を防ぐ

すじ腐れ果

果実が縦にすじ状に着色不良になります。

日照不足や肥料の過不足、ウイルス病の感染などが原因です。

対策としては、採光性をよくし、適正に肥料を施し、ウイルス病に強い品種を選定するなどがあります。

グリーンバック

果実は熟しているのにへたまわりの緑色が抜けない「グリーンバック」。

窒素分がやや多い時に現れますが、生育は良好で味は変わりません。2日くらい放置すると緑色が抜ける場合もあります。

発生しやすい病害虫

トマトに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

青枯病(あおがれびょう)

トマトの青枯病

元気だった株が急にしおれ、青みを残したまま枯れてしまいます。

⇛ 青枯病の症状と対策・予防法

萎凋病(いちょうびょう)

下葉から黄化してしおれ、生育不良となり枯れてしまいます。

⇛ 萎凋病の症状と対策・予防法

うどんこ病

葉の表面に、薄く白い粉状のカビが発生します。

⇛ うどんこ病の症状と対策・予防法

疫病(えきびょう)

葉・茎・果実に暗褐色の病斑が現れ、裏面には白いカビが発生、やがて枯れます。

⇛ 疫病の症状と対策・予防法

黄化えそ病

葉が黄化してえそ斑点を生じ、症状が激しいと株全体が枯れてしまいます。

原因ウイルスをミナミキイロアザミウマが媒介します。

⇛ 黄化えそ病の症状と対策・予防法

黄化葉巻病

葉が巻きだして委縮し、次第に葉色が黄色くなります。特にトマトに大きな被害

原因ウイルスをコナジラミ類が媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

トマト斑点細菌病

トマト斑点細菌病

葉に暗褐色の病斑ができます。

果実は小さく、果実上の病斑も残ります。食べられますが商品価値は低くなります。

発病した葉は摘み取って処分します。

高温で雨の多い時期に発生しやすいので、風通しよくするなど過湿を防ぐのが大切です。

⇛ トマトの葉が黒っぽくなった…ので、病気対策を施した

半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)

葉や株の片側だけがしおれます。

⇛ 半身萎凋病の症状と対策・予防法

モザイク病

葉に濃淡のモザイク模様が現れ、ひどくなると葉は縮れて奇形化します。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

害虫

ミナミキイロアザミウマ

新芽や新葉のすき間に体長1〜2mmの小さな成虫や幼虫が寄生し、吸汁加害します。

黄化えそ病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アザミウマの特徴と対策・予防法

アブラムシ

体長1〜4mmの小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アブラムシの特徴と対策・予防法

カメムシ

トマトに寄生したカメムシ
カメムシ被害にあったトマト

亀のような形をした昆虫が、トマトの果実を吸汁加害します。

カメムシに吸われたトマトは中身が透けたような見た目となります。触ると柔らかい触感。また、カメムシの悪臭もついているので、食べるのはお勧めしません。

⇛ カメムシの特徴と対策・予防法

コナジラミ

体長2〜3mmで白い羽の虫が群棲し、葉を吸汁加害します。

⇛ コナジラミの特徴と対策・予防法

オオタバコガ

オオタバコガに食害されたトマト
トマトを切るとオオタバコガ

淡いオレンジ色をしたイモムシ状の幼虫が、トマトの果実に潜り込んで食害します。

⇛ タバコガ類の特徴と対策・予防法

テントウムシダマシ

テントウムシダマシ

益虫のテントウムシと違い、黒い斑点が28個と多いのは害虫のテントウムシダマシ。葉を食害します。

⇛ テントウムシダマシの特徴と対策・予防法

ハモグリバエ

トマトの葉についたハモグリバエ

乳白色の幼虫が歯肉の中から葉を食害し、葉の表面に絵を描いたような白い筋状の食痕を残します。

⇛ ハモグリバエの特徴と対策・予防法