ヤマイモ(山芋・長芋・自然薯)の栽培方法・育て方のコツ

ヤマイモ(山芋・長芋・自然薯)のパイプ栽培

家庭菜園の初心者の方向けに、ヤマイモ(山芋・長芋・自然薯)の栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

クレバーパイプを使った、初心者にも簡単な栽培方法です。

ヤマイモ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

ヤマイモ栽培の特徴

ヤマイモ(山芋・長芋・自然薯)栽培の様子

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
ヤマイモ ヤマノイモ科 6.0〜6.5 あり:輪作年限4〜5年

長芋・大和芋・自然薯など、ヤマノイモ科の芋を総称して「山芋(ヤマイモ)」といいます。

自然薯などは山菜の王様と呼ばれる高級野菜で、家庭菜園でも挑戦する人が増えていますが、収量が少なかったり、先端が割れたり… また、地中深くに長く伸びるため収穫するのが大変で、収穫時に折れたり傷ついたりと、難易度の高いものでした。

しかし、クレバーパイプの登場で、初心者でも簡単に栽培することが可能となりました。

MEMO
長芋(105cm)、自然薯(135cm)でパイプのサイズが異なります。

クレバーパイプを使ったヤマイモの栽培方法は次のようになります。

クレバーパイプで山芋・長芋・自然薯栽培

ヤマイモは、種イモの先端にある発芽点の真下から新しいイモが育ちます。

パイプの受け皿に合わせて種イモを植え付けることで新生イモをパイプ内に誘導し、収穫時にはパイプごと掘り起こすことで、イモを傷つけることなく簡単に収穫することが可能となります。

また、本来は深い耕土が必要なヤマイモ栽培ですが、パイプを斜めに埋めることで耕土が浅くなり収穫も楽チン。イモもまっすぐになって一石二鳥です。

パイプには水分量の調整穴や、ヤマイモの生育に合わせて拡張するための背割りなど、ヤマイモ栽培のための工夫が施されています。

ヤマイモは浅い部分に伸ばした根から養水分を吸収し、イモから生えた根は養分を吸収しません。むしろ肥料分があると品質が悪くなります。そのため、パイプ内の土は無肥料、地表面にだけ肥料を含ませるのが栽培のポイント。

栽培のポイント
  • パイプ内の用土は無菌・無肥料にする
  • 種イモ先端の発芽点をパイプの受け皿に合わせる

ヤマイモの栽培時期

ヤマイモの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

4月下旬頃に種イモを植え付け、11月頃の収穫です。(自然薯は12月頃の収穫。)

ヤマイモ(山芋・長芋)の栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

ヤマイモの栽培方法

ヤマイモの栽培方法は、次のような流れになります。

クレバーパイプへ土入れ

各サイズ(長芋:105cm、自然薯:135cm)のクレバーパイプを準備します。

クレバーパイプへ土入れ

パイプの中に、肥料分のない山土(真砂土、赤土)を入れます。

パイプの中に入れる土の量は、長芋の場合は70%ほど、自然薯の場合は一杯になるまで。

MEMO
ヤマイモは連作障害が出やすいのですが、クレバーパイプの栽培ではパイプ内の土を入れ替えるため連作可能といわれています。(私は一応、栽培場所は変えるようにしています。)

クレバーパイプを埋める

図のように、クレバーパイプを土中に埋めます。

クレバーパイプの埋め方

まずは、クレーバーパイプを埋めるための溝(幅25cm、深さ30〜40cm)を掘ります。

クレバーパイプの角度が10〜15°、受け口の間隔が30cmになるよう、溝にパイプを重ねて並べます。

クレバーパイプを並べる

MEMO
受け皿が同じ高さに並ぶようにするのがポイント。

受け皿の上に、パイプの土と同じ土を盛り、中心に目印となる棒を立てます。

クレバーパイプの受け皿に目印の棒を立てる

MEMO
種イモ植え付けの目印となるため、棒は受け皿の真ん中に垂直に立ててください。

パイプの上に20cmほど土を盛り、かまぼこ型の畝を作ります。

パイプの上に土を盛って畝を立てる

種芋の準備

ヤマイモの種イモ(とっくり型)

種イモは、栽培時期になると種苗店やホームセンターで販売されます。

植え付け

植え付け時期になれば、種イモを植え付けます。

クレバーパイプでの山芋・長芋・自然薯の植え付け方

深さ5cm、パイプに対して水平になるように、種イモの発芽点を目印の棒に合わせて植え付けます。

ヤマイモの種イモの発芽点
クレバーパイプに種イモの植え付け
クレバーパイプに土をかぶせる

注意
種イモの発芽点を目印の棒に合わせないと、パイプ内にヤマイモが入らない場合があります。

施肥

定植後すぐ、畝の表面に肥料を施します。

MEMO
地表面は肥沃で、深部(パイプ内)は肥料分がない二層構造の土にします。

肥料には「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

マルチ張り

ヤマイモの上にマルチング

地温上昇、雑草抑制、また奇形の原因となる雨水の過剰浸透を防ぐため、黒色マルチを張ります。

目印の棒の場所には、芽を出すための切り込みを入れておきます。

定植から1ヶ月ほどで芽が出るので、マルチの外に芽を出しておきましょう。

ヤマイモの芽をマルチから出す

ネット張り

つるが伸び始めたら支柱を立ててネットを張り、つるを誘引します。

ヤマイモの支柱たて・ネット張り
ヤマイモのつるをネットに誘引

茎葉が茂ると結構な重さになるので、支柱とネットはしっかりとした造りにしておきましょう。

ヤマイモのつるが伸び始める
ヤマイモのツルが繁っている様子

注意
つるが垂れ下がると「むかご」ができやすくなって、イモの肥大が抑制されてしまいます。

追肥

生育当初は種イモの養分で成長しますが、2ヶ月ほどで種イモの養分を使い果たし、種イモはしぼんでしまいます。

このタイミング(定植から2ヶ月後)で、マルチをめくって畝の肩の部分に追肥を施します。

むかごの収穫

山芋のむかご

7月〜8月頃、花が咲いてムカゴができます。

むかごは食べることもできますが、植え付けて翌々年の種イモを作ることもできます。

熟しすぎると落ちるので、その前に摘み取りましょう。

むかごから種イモを作る

収穫したむかごを数日陰干しし、発泡スチロール箱に入れて涼しい室内で保管。

翌春、ポットに培養土を入れて1粒ずつ植え付けます。

芽が出て、つるが伸び始めたら畑に定植。(以降は本栽培と同様)

晩秋にイモを掘り上げて保存、または厚く覆土して土中に置き、翌春に種イモとして利用します。

収穫

11月に入り、つるが完全に枯れたら収穫です。

MEMO
自然薯は12月に入ってつるが完全に枯れてから2週間後以降に収穫。

畝の土を取り除き、クレバーパイプを掘り取ります。

パイプを開いて、ヤマイモを取り出します。

クレバーパイプを掘り起こす
掘り上げたクレバーパイプ
パイプ栽培のヤマイモの収穫

これはとっくり型 長芋の短径品種(長さ50〜60cm)の収穫写真。

クレバーパイプでまっすぐキレイな形にならない山芋

パイプ内に土が詰まりすぎていた?のか、まっすぐに伸びず、歪な形になってしまいました。

クレバーパイプで歪な形になった山芋

キレイな形のヤマイモが作れるよう、いろいろ試していきたいと思います。

発生しやすい病害虫

ヤマイモに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

炭疽病

葉や茎に黒褐色の病斑ができ、その上に小黒点が多数生じます。

やがて葉に穴があいたり、葉枯れ状態となります。

⇛ 炭疽病の症状と対処・予防法

葉渋病

葉に黄色の小斑点ができ、後に破れて白色の粉を生じます。

多発すると葉は枯れてしまいます。

その他の病気
モザイク病 葉に黄色のモザイク模様が現れます。原因ウイルスをアブラムシが媒介。

害虫

ヤマノイモコガ

幼虫が葉裏で葉を食害します。

葉の表皮だけが残り、葉が透けたようになります。

⇛ イモキバガ(イモコガ)被害の特徴と対策・予防法

ネコブセンチュウ

根に寄生し、根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

イモに大きなコブができ、形が悪くなります。

⇛ センチュウ(線虫)被害の特徴と対策・予防法

その他の害虫
アブラムシ 小さな虫が葉裏に群棲して吸汁加害します。モザイク病のウイルスを媒介するため注意。
カンザワハダニ 肉眼で見えないほど小さい虫が葉裏に寄生して吸汁加害し、葉がすすけたようになります。
マメコガネ 体長1cmほどの甲虫が、葉を網目状に食害します。
ハスモンヨトウ イモムシ状の幼虫が、夜間に葉を食害します。
野菜の育て方