
家庭菜園の初心者の方向けに、カブ(蕪)の栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。
カブ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、トラブルQ&Aなど。

カブ栽培の特徴

種類 | 科目 | 好適土壌pH | 連作障害 |
---|---|---|---|
カブ | アブラナ科 | 5.5〜6.5 | あり:輪作年限1〜2年 |
涼しい気候を好むカブは、真夏を避けた春まきと秋まきで年に2回の旬を楽しめます。
直径5〜6cmの小カブ、10cm前後の中カブ、15cm以上の大カブの3つに分類されますが、形や色が違う地方品種が各地にあります。
植え替えができないので畑に直播きし、苗が小さいうちは害虫に食害されないように注意が必要です。
標準サイズより大きくなると味が落ちるので、採り遅れないように収穫適期を守ることが大切です。
- 種まきをずらして数回まけば、長い間収穫できる
- 寒さが厳しい早春まき、晩秋まきの場合は、トンネル掛けして栽培する
カブの栽培時期
カブの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

寒さが厳しい早春まき(春まき1)、晩秋まき(秋まき2)はトンネル掛けして栽培します。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
カブの栽培方法
カブの栽培方法は、次のような流れになります。
土作り

カブは種まきから収穫までの期間が短いので、早めに土作りして土壌微生物相を安定させ、発芽してすぐに肥料成分を吸収できるようにしておくことが大切です。
土壌酸度(pH)の目安は5.5〜6.5です。
連作障害による「根こぶ病」の発生を防ぐため、高畝にして水はけをよくしておきます。
また、土が固く、土の塊や残渣があると玉の形がゆがむ原因になるため、よく耕しておきましょう。
肥料
カブは、小さいのに肥料好き。生育初期からリン酸をよく効かせると肥大がよくなります。
肥料は、窒素・リン酸・カリをバランスよく施します。「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
連作障害・コンパニオンプランツ
カブは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。
また、一緒に植えることで良い影響を受ける「コンパニオンプランツ」には次のようなものがあります。
種まき


種は畑に直播きします。
条間20cmでまき溝をつけ、2cm間隔で条播きに。軽く覆土をして鎮圧し、たっぷりと水をやります。
種まきは条播きの方が良い
条播きにすると競い合って根を伸ばすため、発芽とその後の生育がよくなります。
また、カブは胚軸(茎と根の中間部分)が肥大したものなので、肥大すると割れやすい性質があります。
しかし、条播きにすることで、胚軸の伸長と肥大を見極めながら質の良いものを残して間引くことができるので、都合が良いというのも理由です。
防虫ネットまたは寒冷紗を掛ける

春まきの場合は特に、苗が小さいうちは害虫がつきやすいので、種まきの直後に防虫ネットを掛ける、または寒冷紗をベタ掛けしておくと安心です。
間引き



生長に合わせて間引きします。
本葉が出たところで1回目の間引き、本葉3枚で2回目、5枚で3回目の間引きをし、最終的には株間を小カブ10cm、中カブ20cmほどの間隔にします。
1回で間引いてしまうと早く肥大しすぎて実割れを起こす場合があります。また、間引きが遅れると胚軸が徒長して、これも割れの原因となるため、3回に分けてタイミングよく間引くことが大切です。
追肥・中耕・土寄せ
2回目と3回目の間引きの後、条間に追肥を施します。
また、土が固くなると生育が悪くなるため、周りの土をほぐし、株元に土寄せをしておきます。
収穫


種まきから約45〜60日で収穫適期です。
地面にカブの白い肩が出ていて、大きいものから収穫していきます。
葉を手でまとめて、株元をつかんで引き抜きます。
収穫適期を過ぎると、玉が割れたり、スが入ったりして味が落ちてしまうため、適期を逃さないようにしましょう。
トラブルQ&A
カブ栽培でよくあるトラブル・質問などをまとめています。
実割れ(玉割れ)

引き抜くと根が割れていた(実割れ/玉割れ)は、割れ方によって原因が異なります。
地際の根に同心円状の亀裂が入るのは、根の肥大期に寒さに遭ったことが原因です。
尻部が避けるのは、乾燥が続いたあとに大雨が降ったりするなど、土壌水分の変化が激しいことが原因です。
また、採り遅れも実割れの原因となるため、収穫適期を逃さないようにしましょう。
肌がざらざら
カブは真っ白でつややかな肌が持ち味です。
ざらざらとした肌になるのは、主に「キスジノミハムシ」の幼虫による食害が原因です。