ハクサイ(白菜)の栽培方法・育て方のコツ

ハクサイ(白菜)の栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、ハクサイ(白菜)の栽培方法を紹介します。

基本情報

ハクサイ栽培の様子
科目栽培スタート生育適温好適土壌pH連作障害
アブラナ科種、苗15〜20℃6.0〜6.5あり:2〜3年あける

中国が原産地のハクサイは、冷涼な気候を好む、秋まき野菜の代表格です。

外葉の育ち具合が球のできを左右します。

甘くてみずみずしい大玉のハクサイを採るには、外葉を大きく育てる、タイミングの合った追肥がポイントです。

播種(種まき)から収穫までの日数は、約60日〜120日となります。(品種・作型によって異なります)

栽培のポイント
  • 秋まきの時期が早過ぎると病害虫が発生しやすく、遅すぎると結球しないので、種まきの時期が大切
  • 元肥を多めに入れ、こまめに追肥して外葉を十分に育てる
  • 連作障害が出やすいので、同じ場所での栽培間隔をあける

栽培時期

ハクサイの栽培スケジュールです。

ハクサイ(白菜)の栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

秋まきの時期が早過ぎると病害虫が発生し、遅すぎると結球しないので、種まきの時期が大切です。

栽培方法

ハクサイの栽培は、次のような流れになります。

種まき・育苗

MEMO

ハクサイは種まき適期が5〜7日と短く、早いと暑さに遭い、遅いと結球しません。そのため、品種に適応した地域ごとの種まき適期を守ることが大切です。

ポット(3号:9cmサイズ)に3〜4粒ずつ種をまき、軽く覆土して、たっぷりと水をやります。

本葉2枚の頃に間引いて1本立ちにし、最終的に本葉4〜5枚の苗に仕上げます。

MEMO

セルトレイなら128穴に1粒ずつ種をまき、本葉2〜3枚でポットに鉢上げして育苗。または、本葉3〜4枚のセル苗で定植することもできます。

育苗日数発芽適温生育適温
約35日20〜25℃15〜20℃
ハクサイの育苗管理

土作り

耕運機で耕して土作り作業

ハクサイの根は細いですが広く分布するので、耕土が深く、排水性、通気性、保水性にすぐれた土壌を用意します。

苗の植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。

酸性土だと「根こぶ病」が発生しやすくなるので、土壌の酸度調整(pH)はしっかりと行いましょう。pHの目安は6.0〜6.5です。

肥料

ハクサイは肥沃な土を好むため、肥料切れさせないように、窒素・リン酸・カリをバランスよく施します。「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

大きな球を収穫するためには、初期育成を促し、外葉を大きく育てるのがポイント。しっかりと元肥を入れましょう。

植え付け

本葉4〜5枚が出た頃が定植時期です。

株間40〜50cmほどで、畑に定植します。

白菜の苗の植え付け
MEMO

早生種の株間は40cm、中生・晩生種は大きく育つので50cmあけます。

定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。

直播きの場合

畑に直播きする場合は、育苗する場合より遅めの9月上旬に畑にまきます。

株間40〜50cmほどで、1穴に5〜6粒ずつ種まき。

本葉2〜3枚から間引きし、本葉5〜6枚で最終間引きして1本にします。

MEMO

ハクサイは発根の力が弱いので、根を痛めやすい移植栽培よりも、直播き栽培の方がスムーズに生育します。しかし、種まき時期が夏場の高温乾燥期で病害虫被害に遭いやすいので、種を多めにまいておきます。

防虫ネットを掛ける

苗が小さいうちは害虫がつきやすいので、植え付け直後に防虫ネットを掛けておくと安心です。

白菜の若苗に防虫ネットを掛ける

また、収穫期には虫害の心配はなくなりますが、そのままトンネルを掛けておくことで霜よけにもなります。

追肥

ハクサイは外葉が大きくならないと結球しないため、成長に応じた追肥で外葉を十分に育てます。

1回目の追肥は定植から2〜3週間後。株のまわりに施し、除草を兼ねて中耕しておきます。

その2〜3週間後、葉が立ち上がり始めた頃に2回目の追肥。この頃には畝全体が葉で覆われているため、葉を傷つけないよう注意しながら、畝の肩に施します。

結球し始める

外葉が15枚くらいになると、結球し始めます。

白菜の結球し始め

この頃から水分要求量が増えるので、雨が降らない時は水やりをしておきます。

収穫

植え付けから約60日後、ハクサイの頭を手で押さえてみて、かたく締まっていたら収穫できます。

外葉を開いて結球部分を横に倒し、根元を切り取って収穫します。

霜や寒風にさらされると、球の頂部や外葉がカサカサになり、そこから腐ったりしてくるため、初霜が降りる前に収穫を終えるようにしましょう。

冬越しする場合

12月に入り霜が降りると、寒さでハクサイが傷んでしまいます。

越冬する場合は、結球部分を外葉で包み込むように、上部を紐で縛っておきます。

白菜の葉を縛って防寒対策

こうすると外葉が枯れるだけで中の葉は守られるので、2月頃まで畑に置いておくことができます。

連作障害とコンパニオンプランツ

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

ハクサイは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

ハクサイと相性のいい野菜には次のようなものがあります。

コンパニオンプランツ効果
キク科の野菜(シュンギクレタス独特の香りが、アブラナ科につく「モンシロチョウ」「コナガ」などの害虫を防除する
ハクサイと相性の良い野菜

栽培Q&A

結球しなかった白菜

葉が巻かなかったのは、定植時期が遅かったか、肥料が少なかったのが原因です。

結球には、初秋の成長期に一定の葉数が育っている必要があります。

そのためには、適期の種まきと定植、元肥をしっかり与え、生長に応じて追肥することで、健全な株に育てることが大切です。

本格的な寒さがくる前に、外葉が大きく広がり、しっかり育っていれば、放っておいても巻き始めます。

生長が遅れているようであれば、ビニールトンネルを設置して保温し、生長の遅れを取り戻しましょう。

MEMO

結球しなくても、菜っ葉として収穫して食べることができます。

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