家庭菜園の初心者の方向けに、ゴボウの栽培方法を紹介します。
収穫作業に手間が掛からない、袋栽培の方法です。
基本情報
地中深くまで根をのばすゴボウは、畑の土を大きく動かすことになり、次の作付けのためにも良い土を作ってくれます。
ゴボウは収穫が大変そう…と敬遠されがちですが、短根種を袋栽培すれば収穫作業も楽チンです。
連作を嫌うので、他の科の作物との輪作に取り入れるのがオススメ。
- 根がよくのびるように、畑は深く耕し、高畝にして種をまく
- 袋栽培にすると収穫作業が楽になる
栽培時期
ゴボウの栽培カレンダーです。
中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。
春まきと秋まきができますが、基本作型は春まきです。
栽培方法
ゴボウの栽培は、次のような流れになります。
土作り
ゴボウは根が地中深くまで伸びるので、できるだけ深く耕しておきます。(長根種は70〜90cm、短根種は30〜50cm)
過湿にとても弱いので、水はけのよくない畑では高畝にする、または「袋栽培」にするなどの対策が必要です。
種蒔きまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
未熟な堆肥は又根の原因になるので、必ず完熟したものを用いるようにしましょう。
また、ゴボウは酸性土壌を嫌うため、土壌酸度(pH)を適正に調整しておきましょう。pHの目安は5.5〜6.5です。
肥料
肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
袋の準備(袋栽培)
袋栽培の場合は、堆肥や肥料用の大きくて丈夫なビニール袋(30リットル程度、色は不問)と、支柱を1袋あたり4本用意します。
袋は上下を切って筒状にし、4本の支柱を立てて袋を支えます。
あらかじめ土作りしておいた土を袋に詰め、周囲の土を寄せて袋の下部を支えます。
袋の側面に数カ所、水抜き穴を開けておきます。
種まき
株間10cmで、1箇所に4〜5粒ずつ点蒔きします。
ゴボウの種は発芽の時に光が必要な「好光性種子」なので、覆土はできるだけ薄くし、しっかりと鎮圧しておきます。
水やり(袋栽培)
袋栽培の場合、土の量が少なく乾燥しやすいので、表土が乾いているのに気づいたら水やりをします。(畑で栽培する場合は不要。)
夏場であれば、日中に水やりすると葉焼けの原因となるため、朝か夕方を選んで水やりをしましょう。
間引き
本葉が1枚の頃、良い株を2本残して間引き。
本葉が3枚の頃に、もう一度間引いて1本立ちにします。
追肥
追肥は2回に分けて行います。
- 1回目:間引き2回目の後、株元周辺に追肥
- 2回目:本葉5枚の頃、株元周辺に追肥
同時に、除草を兼ねて周辺を中耕しておきます。
収穫
収穫時期は、春まき栽培で10月下旬頃から(秋まき栽培は6月下旬から)。根の肥大を確かめて掘り取り始めます。
葉を鎌で切り落とし、根を傷つけないように注意しながら周囲を掘り下げて収穫します。
袋栽培であれば、袋を破いて土を崩すだけで良いので、収穫作業が楽になります。
袋をハサミやカッターで切り裂いて根鉢を取り出し、外側から手で土を崩しながら、ゴボウを取り出します。
春まき秋冬採りでは、12月頃から葉が枯れ始めますが、根は生きているので、冬の間収穫することができます。
但し、春になって萌芽してくると品質が低下するので、3月上旬には収穫し終えるようにしましょう。
連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
ゴボウは連作障害が出やすいため、同じ場所での栽培間隔を4〜5年あけるようにします。
連作すると次第に「ネグサレセンチュウ」の密度が上がって、根に被害が出やすくなります。
栽培Q&A
切ってみると中がスカスカになっている、いわゆる「ス」が入った状態。
主な原因は、収穫遅れ(適期を過ぎてからの収穫)です。
収穫が遅れると成長が進みすぎて根が太くなり、老化して内部に空洞ができることがあります。