ダイコン(大根)の病気と害虫

ダイコン(大根)の病害虫

ダイコン(大根)栽培で発生しやすい病害虫。

それら症状の特徴と防除方法をまとめています。

ダイコン(大根)の栽培方法・育て方のコツ ダイコン(大根)の栽培方法・育て方のコツ

病気

ダイコンに発生しやすい代表的な病気と、その対策・予防法をまとめています。

萎黄病(いおうびょう)

下葉からしだいに黄化・萎縮・奇形化、やがてしおれていきます。

白さび病

アブラナ科野菜に発生する白さび病

葉裏に乳白色の膨れた斑点ができ、白い粉状の胞子のうができます。

炭疽病

主に葉に灰褐色で円形の病斑ができ、古くなると破れて葉に穴があきます。

軟腐病(なんぷびょう)

軟腐病に罹って腐った大根

組織が水浸状になり、軟化して独特の悪臭を放ち腐敗します。

べと病

葉に黄色の小さい病斑ができ、裏面にすす状のカビが発生します。

モザイク病

葉に濃淡のモザイク模様が現れ、ひどくなると葉は縮れて奇形化します。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

その他の病気

黒腐病葉柄や葉脈が黒くなり、根を切断すると導管が黒変しています。
黒斑細菌病葉には黒褐色の病斑、根頭部や茎には黒色病斑が生じます。
腐敗病次々と葉がしおれ、つけ根には水浸状の病斑、組織は軟化して水分をなくしてへこみます。

害虫

ダイコンに発生しやすい代表的な害虫と、その対策・予防法をまとめています。

アオムシ

葉を食害するアオムシ

緑色の細かい毛がうっすらと生えた小さなイモムシが、葉を食害します。

ニセダイコンアブラムシ

葉に群生するニセダイコンアブラムシ

体長2mmの暗緑色の小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため注意。

カブラハバチ

カブラハバチの幼虫

黒藍色をしたイモムシ状の幼虫が、葉を食害します。

コナガ

葉を食害するコナガの幼虫

体長10mmほど、淡緑色の幼虫が葉を食害します。

アオムシと似ていますが、コナガは最大1cm程度の大きさです。

ダイコンハムシ

体長1cmに満たない、黒色の幼虫、成虫(丸い形をした甲虫)が、葉を食害します。

ネキリムシ

体長4cmほどのイモムシ状の幼虫が、地ぎわで苗を噛み切ります。

ネグサレセンチュウ

根に寄生し、根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

ダイコンの肌に黒い斑点を発生させ、品質を落とします。

ヨトウムシ

ダイコンについていたヨトウムシ

体長3cmほど、淡緑色をしたイモムシ状の幼虫が、葉を食害します。

その他の害虫

キスジノミハムシ成虫(体長3mmほどの甲虫)は葉を、幼虫は根を食害します。幼虫による根部表面の肌あれや食痕は軟腐病の原因にもなるため、注意が必要。
ハイマダラノメイガ体長1.5cmほど、淡褐色をしたイモムシ状の幼虫が、新芽をつづり合わせて食害します。
MEMO

植物の様子がおかしいと思っても、症状から判断するのは難しいもの。

そんな場合は、写真から自動で病害虫診断してくれるサービスもあります。

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病害虫予防のポイント

ダイコン栽培で病害虫を予防するためのポイント。

水はけをよくする

ダイコンは砂質土壌を好むので、水はけのいい畝で育てるようにします。

水はけが悪いと湿害や「軟腐病」による腐敗が多くなるので、高畝にして排水性を良くしましょう。

肥料は控えめに

ダイコンは肥料分の少ない荒地でもよく育ちます。

反対に、有機物の多い肥沃な土壌では病害虫が多くなるほか、又根や肌荒れを引き起こすので、肥料のやり過ぎに注意。

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

ダイコンは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。

萎黄病の原因となるフザリウム菌は連作すると出やすくなるので、輪作や混植、間作を取り入れて菌の密度を減らしましょう。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

ダイコンと相性のいい野菜には次のようなものがあります。

コンパニオンプランツ効果
キク科の野菜(シュンギクレタス
セリ科の野菜(ニンジン
独特の香りが、アブラナ科につく「モンシロチョウ」「コナガ」などの害虫を防除する
マリーゴールド地上部では、アブラナ科につく「モンシロチョウ」「コナガ」などの害虫を防除し、地下部では「ネグサレセンチュウ」を抑制する

反対に、ダイコンとネギの相性は悪く、混植することはできません。

ネギが出す成分を嫌って避けるようになり、ダイコンが曲がったり二股になったりしてしまいます。

ネグサレセンチュウの対策

ネグサレセンチュウの被害が大きい場合は、センチュウの密度を抑制する効果があるマリーゴールドを畝に鋤き込みます。

春から夏にかけてマリーゴールドを栽培し、緑肥として鋤き込んだら、1ヶ月ほど寝かせます。これでネグサレセンチュウの密度が下がり、秋まきでダイコンの種が蒔けます。

ダイコン(大根)の栽培方法・育て方のコツ ダイコン(大根)の栽培方法・育て方のコツ