トウモロコシの病気と害虫

トウモロコシの病害虫

トウモロコシ栽培で発生しやすい病害虫。

それら症状の特徴と防除方法をまとめています。

トウモロコシの栽培方法・育て方のコツトウモロコシの栽培方法・育て方のコツ

病気

トウモロコシに発生しやすい代表的な病気と、その対策・予防法をまとめています。

モザイク病

葉に濃淡のモザイク模様が現れ、ひどくなると葉は縮れて奇形化します。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

その他の病気

褐斑病葉に褐色の病斑ができます。

害虫

トウモロコシに発生しやすい代表的な害虫と、その対策・予防法をまとめています。

ムギクビレアブラムシ

体長1〜4mmの小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

アワノメイガ

トウモロコシの大敵アワノメイガ」。

蛾の仲間で、成虫がトウモロコシの葉や茎に卵を産みつけ、孵化した幼虫が茎や果実に小さな穴をあけて中に入り込み食害します。

幼虫は黄白色のイモムシで、体長5mm〜2cmほど。

アワノメイガの幼虫

成長期に大きくならない株があれば、茎の中を食害しているかもしれないので、1本抜いて見てみましょう。

雌穂に侵入した幼虫は、実を食い荒らします。食害中の幼虫は、潜り込んだ穴から黄褐色のふんを出します。

アワノメイガを防除するには、トウモロコシ専用の殺虫剤「デナポン」がよく効きます。

粒剤をそのまま散布するだけなので使い易く、未成熟トウモロコシを食害するアワノメイガを効果的に退治します。

使い方は、雄穂抽出期~雌穂抽出期に、葉身に留まるよう散粒します。(総使用回数2回以内)

その他の害虫

オオタバコガイモムシ状の幼虫が、雄穂、茎の内部、雌穂の子実を食害し、果実を渡り歩きます。若い穂を好んで食害します。
ネキリムシイモムシ状の幼虫が、地ぎわで苗を噛み切ります。
アワヨトウ淡緑〜褐色をしたイモムシ状の幼虫が、夜間に葉を食害します。

病害虫診断の参考に

植物の様子がおかしいと思っても、症状から判断するのは難しいもの。

そんな場合は、写真から自動で病害虫診断してくれるサービスもあります。

写真から病害虫診断ができるスマホアプリ写真から病害虫診断ができるスマホアプリ

病害虫予防のポイント

トウモロコシ栽培で病害虫を予防するためのポイント。

排水性の高い畑で育てる

トウモロコシは、水はけのいい土壌を好むので、砂質の畑でよく育ちます。

水はけが悪いと根腐れを起こすので、水はけの悪い畑では高畝にするか、籾殻をすき込むなどして排水性を良くしましょう。

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

トウモロコシは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

トウモロコシと相性の良い野菜には、次のようなものがあります。

コンパニオンプランツ効果
インゲン
エダマメ
マメ科の植物が「アワノメイガ」を忌避する。

中でも、つるありインゲンとの混植はアワノメイガの高い忌避効果が得られます。

同時に種を蒔くとトウモロコシの生育を妨げてしまうため、トウモロコシが本葉3枚になったら、株元にインゲンの種を蒔きます。インゲンのツルを巻き付かせて育てるのがポイント。

アワノメイガの予防

アワノメイガはトウモロコシの花粉に誘引されるため、授粉に必要な雄穂以外は先に切り取っておきます。

トウモロコシの雄穂はアワノメイガ対策に切り取っておく

授粉が終われば(花粉が出なくなれば)早めに雄穂を全て取り除いておくことで、産卵を防いで被害を抑えることができます。収穫後の枯れ株もきちんと処分しておきましょう。

可能であればトウモロコシの畝全体に防虫ネットを掛けておくと効果的です。受粉後の雌穂には、台所用の水切りネットなどを掛けてカバーしておくのも有効。

台所の三角コーナーのネットでトウモロコシの実を覆う

他に、栽培時期を早まきと遅まきでずらすことで、雄穂の開花時期とアワノメイガの飛来時期を重ならないようにするのも一つです。

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