
野菜の葉や果実に食い入って食害する「メイガ」類。
中でも「アワノメイガ」はトウモロコシの、「シロイチモジマダラメイガ」はエダマメの大敵です。
メイガ類による被害の特徴と、対策・予防法をまとめています。
メイガ被害の特徴
メイガ類(蛾の一種)の幼虫は、葉を折り合わせて葉の表面を食害するものや、野菜の葉を食害し、芯止まりなどの被害を与えたり、果実に食入して食害するものなど多様。
果実や野菜の芯を食べるものは、シンクイムシ(芯喰い虫)とも呼ばれます。
トウモロコシの大敵「アワノメイガ」被害の様子
トウモロコシの天敵とも言える「アワノメイガ」。
体長5mm〜2cmほど、黄白色のイモムシ状の幼虫で、茎や果実に潜り込んで実などを食害します。



成長期に大きくならない株があれば、茎の中を食害しているかもしれないので、1本抜いて見てみましょう。


雄穂に産卵し孵化した幼虫は、雄花や葉のつけ根などから内部に侵入して髄を食べ、潜り込んだ穴から黄褐色のふんを出します。
雌穂に侵入した幼虫は、実を食い荒らします。
エダマメの大敵「シロイチモジマダラメイガ」被害の様子
エダマメに必ずというほど発生する「シロイチモジマダラメイガ」。



幼虫がさやに潜り込んで豆(子実)を食害します。
葉を丸めて食害する「ワタノメイガ」
オクラの葉につく「ワタノメイガ」。葉巻虫(ハマキムシ)とも呼ばれます。



蜘蛛の糸のような粘着性のもので、葉を綴りあわせて丸め、中に潜んで葉を食害します。
メイガ類の対策・予防法
対策
幼虫が茎や果実に入ってしまうと駆除するのは難しく、被害を確認したら早めにその部分ごと切り取ります。
また、天然成分で有機農産物栽培(有機JAS)にも使える殺虫剤「STゼンターリ顆粒水和剤」も有効です。天然微生物(B.t.菌)が作る有効成分が、チョウ目害虫に効果をあらわします。
予防法
種蒔きや定植後から収穫まで、防虫ネットをトンネル掛けして、成虫が飛来し産卵するのを防ぎます。
また、被害が多くなる前に収穫できるよう、早生品種を早めにまくのも1つです。
トウモロコシに対するアワノメイガの予防策
アワノメイガはトウモロコシの花粉に誘引されるため、授粉に必要な雄穂以外は先に切り取っておきます。

授粉が終われば(花粉が出なくなれば)早めに雄穂を全て取り除いておくことで、産卵を防いで被害を抑えることができます。収穫後の枯れ株もきちんと処分しておきましょう。
可能であればトウモロコシの畝全体に防虫ネットを掛けておくと効果的です。受粉後の雌穂には、台所用の水切りネットなどを掛けてカバーしておくのも有効。

また、アワノメイガはマメ科の植物を忌避するため、インゲンやエダマメなどを混植するのもオススメです。

農薬を使う場合は、トウモロコシ専用の殺虫剤「デナポン」がよく効きます。粒剤をそのまま散布するだけなので使い易く、未成熟トウモロコシを食害するアワノメイガを効果的に退治します。
使い方は、雄穂抽出期~雌穂抽出期に、葉身に留まるよう散粒します。(総使用回数2回以内)

