葉の表面に白い粉のようなカビが生える病気「うどんこ病」。
その症状と発生原因、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
茎や葉に、白い粉のようなカビが生える病気。
うどん粉(小麦粉)を振りかけたような見た目から「うどんこ病」と呼ばれます。
この病原菌は主に植物の表面で繁殖するため、初期の状態から発見しやすい病気です。
葉の表面が覆われることで光合成が阻害されたり、植物の組織の中に菌糸を伸ばして栄養が吸収され生育不良になります。葉や茎が奇形になることもあり、ひどいと黄色くなって枯れてしまいます。
多くの野菜で発生しますが、中でも被害が出やすいのがウリ科です。
主な原因と伝染経路
糸状菌(カビ)による伝染性の病気で、胞子が風によって運ばれて伝染します。
うどんこ病菌には多くの種類があり、中には複数の植物に寄生するものもいますが、主にはそれぞれ違う植物に寄生します。(宿主特異性)
例えば、キュウリとカボチャが隣同士で、キュウリに感染したのち胞子を飛ばしても、隣のカボチャには感染しません。
また、うどんこ病菌は「活物寄生菌」と言って、生きているものにしか寄生できないため、元気のいい株につきやすくなります。
多くの糸状菌の病気が多湿で発生しやすいのに対し、うどんこ病菌は涼しくて低い湿度を好みます。また、日当たりの悪いところ、風通しの悪いところで多発します。逆に雨が続くようなときには発生が少なくなります。
防除方法
対処法
胞子が風によって運ばれ伝染するため、発病した葉は切り取って早めに処分します。
有効な薬剤(農薬)
薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。
「ベニカナチュラルスプレー」は、3つの天然由来成分(B.t.菌・植物油・水あめ)で、食べる直前まで使える殺虫殺菌スプレー。水あめ(還元澱粉糖化物)が、うどんこ病を予防&治療します。
「カリグリーン」は、有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える殺菌剤で、炭酸水素カリウムを主成分としているので、散布後、副次的にカリ肥料にもなります。
予防法
乾燥が続くときは適宜水やりをすることと、日当たりをよくすることが大切です。密植を避け、繁茂しすぎたつるや葉は間引いて風通しの良い環境を作りましょう。
窒素過多で発生しやすくなるので、窒素肥料は控えめにしましょう。
また、特定防除資材「ピュアベニカ」を葉面散布しておくと、うどんこ病の予防効果があります。有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える食品成分(食酢)100%のスプレーなので、あらゆる植物に、食べる直前まで使えます。