疫病(えきびょう)の症状と対策・予防法

疫病(えきびょう)の症状と対策・予防法

水がしみたような暗褐色の病斑が発生し、雨によって広がる病気「疫病(えきびょう)」。

その症状と発生原因、対策・予防法をまとめています。

症状と被害

茎・葉・果実などに水がしみたような褐色の病斑が発生し、やがて葉や茎の表面に白いカビが生え、枯れていきます。

多湿時に発生しやすく、梅雨の時期は蔓延しやすいため注意が必要。

特にトマトで大きな被害を及ぼします。

主な原因と伝染経路

病原菌は糸状菌(カビ)の一種。

土壌中に生息し、泥はねとともに植物の葉や茎、果実に付着し病気を引き起こします。株を枯らした後、被害残渣と共に土壌中で生存し、次の伝染源となります。

気温が20〜25℃ぐらいで、降雨などにより土壌水分が高くなると、病原菌が活発になり発生しやすくなります。

雨によって伝播するので、降雨が長く続く梅雨時や、排水の悪い畑で雨水が滞水したり冠水した場合には、大発生することがあります。

防除方法

対処法

発病した葉や果実は摘み取って処分します。

農薬を使う場合は「GFワイドヒッター」などが有効です。作用性の異なる2種類の殺菌成分で、べと病・疫病に対して優れた予防・治療効果があります。

他に「ダコニール1000」も有効です。広範囲の病気に防除効果をあらわす総合殺菌剤なので、1つあれば何かと便利です。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

予防法

低温・多湿となる梅雨、秋雨の時期には特に注意が必要。

畝にはマルチングをして、雨による泥はねを防ぎます。

マルチシートを張った畝 マルチシートの種類とマルチの張り方

可能であれば、雨が直接当たらないよう、雨よけを作ると効果的です。

雨よけハウス トマトの屋根 NT-18型 トマトの雨よけハウス(雨除け屋根)で実割れ・疫病を防ぐ

排水の悪い畑では、高畝にすることで土壌水分が溜まらないようにしましょう。

同じ植物を連作しないことも有効です。

輪作(CROP ROTATION) 連作障害の原因と対策、各野菜の輪作年限について

また、抵抗性品種の苗を選ぶのも予防の一つです。