ゴボウの栽培方法・育て方のコツ

ゴボウの栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、ゴボウの栽培方法を紹介します。

収穫作業に手間が掛からない、袋栽培の方法についても併せて解説します。

基本情報

ゴボウの袋栽培の様子
科目栽培スタート生育適温好適土壌pH連作障害
キク科20〜25℃6.0〜6.5あり:4〜5年あける

ゴボウは、世界では主に薬草として利用され、食用として親しまれているのは日本が中心です。煮物やきんぴら、天ぷらなど和食に欠かせない食材で、食物繊維が豊富で低カロリーな健康野菜として注目されています。

栽培では、ゴボウの根が地中深く伸びるため、耕土が深く排水の良い畑が適しています。特に、浸水や過湿に弱い性質があるため、適切な水はけを確保することが重要です。

ゴボウには長恨種と短恨種がありますが、家庭菜園にオススメなのは短恨種です。収穫までの日数が短く、根が浅いため、限られたスペースでも栽培しやすいのが特徴です。

また、袋栽培であれば、収穫時に袋を破って土を崩すだけで簡単にゴボウを取り出せます。畑を深く掘らずに済むため、作業が格段に楽になります。

栽培のポイント
  • 根がよくのびるように、深くまで土をしっかり耕す
  • 袋栽培にすると収穫作業が楽になる

栽培時期

ゴボウの栽培カレンダーです。

ゴボウの栽培時期・栽培カレンダー

中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。

春まきと秋まきができますが、育てやすいのは春まきです。

短根種(ミニゴボウ、サラダゴボウ)は成長が早く、短い期間での収穫が可能です。

栽培方法

ゴボウの栽培は、次のような流れになります。

土作り

耕運機で耕して土作り作業

ゴボウは根が地中深くまで伸びるので、できるだけ深く耕しておきます。(長根種は70〜90cm、短根種は30〜50cm)

過湿にとても弱いので、水はけのよくない畑では高畝にする、または「袋栽培」にするなどの対策が必要です。

種蒔きまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。

MEMO

火山灰土など、湿り気がなくふかふかと柔らかい土で栽培されることが多いです。

未熟な堆肥は又根の原因になるので、必ず完熟したものを用いるようにしましょう。

また、ゴボウは酸性土壌を嫌うため、土壌酸度(pH)を適正に調整しておきましょう。pHの目安は6.0〜6.5です。

肥料

肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

袋の準備(袋栽培)

袋栽培の場合は、堆肥や肥料用の大きくて丈夫なビニール袋(30リットル程度、色は不問)と、支柱を1袋あたり4本用意します。

袋は上下を切って筒状にし、4本の支柱を立てて袋を支えます。

あらかじめ土作りしておいた土を袋に詰め、周囲の土を寄せて袋の下部を支えます。

袋の側面に数カ所、水抜き穴を開けておきます。

MEMO

袋よりも長くなる長根品種を育てる場合は、袋を立てる場所も耕しておきます。

種まき

株間10cmで、1箇所に4〜5粒ずつ点蒔きします。

ゴボウの種は発芽の時に光が必要な「好光性種子」なので、覆土はできるだけ薄くし、しっかりと鎮圧しておきます。

MEMO

ゴボウの種は発芽しにくいので、種を一晩水に浸し吸水させてから種をまくと発芽しやすくなります。

間引き

本葉が1枚の頃、良い株を2本残して間引き。

本葉が3枚の頃に、もう一度間引いて1本立ちにします。

MEMO

地上部と根は同じように伸びるため、葉が寝ている株は根も曲がっています。葉がまっすぐに伸びている株を残しましょう。

追肥

追肥は2回に分けて行います。

  • 1回目:間引き2回目の後、株元周辺に追肥
  • 2回目:本葉5枚の頃、株元周辺に追肥

追肥と同時に、除草を兼ねて周辺を中耕しておきます。

袋栽培での栽培管理

袋栽培の場合は、次のことに注意します。

水やり

袋栽培の場合、土の量が少なく乾燥しやすいので、表土が乾いているのに気づいたら水やりをします。(畑で栽培する場合は不要。)

夏場であれば、日中に水やりすると葉焼けの原因となるため、朝か夕方を選んで水やりをしましょう。

夏場は遮光

夏場は、袋に直射日光が当たると、袋の中が高温になりすぎて高温障害を起こしてしまいます。

盛夏前に南側と西側に遮光ネットを張るなどして、対策しておきましょう。

収穫

長根種は春まきでは150日前後、直径2cmほどまでに収穫します。(短根種は種まきから約75日)

MEMO

いずれも直径1cmくらいに肥大したら「若ゴボウ」として収穫できます。やわらかくて香りが良いのが特徴です。

葉を鎌で切り落とし、根を傷つけないように注意しながら周囲を掘り下げて収穫します。

袋栽培であれば、袋を破いて土を崩すだけで良いので、収穫作業が楽になります。

袋をハサミやカッターで切り裂いて根鉢を取り出し、外側から手で土を崩しながら、ゴボウを取り出します。

春まき秋冬採りでは、12月頃から葉が枯れ始めますが、根は生きているので、冬の間収穫することができます。

但し、春になって萌芽してくると品質が低下するので、3月上旬には収穫し終えるようにしましょう。

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

ゴボウは連作障害が出やすいため、同じ場所での栽培間隔を4〜5年あけるようにします。

連作すると次第に「ネグサレセンチュウ」の密度が上がって、根に被害が出やすくなります。

栽培Q&A

スが入って中がスカスカになったゴボウ

切ってみると中がスカスカになっている、いわゆる「ス」が入った状態。

主な原因は、収穫遅れ(適期を過ぎてからの収穫)です。

収穫が遅れると成長が進みすぎて根が太くなり、老化して内部に空洞ができることがあります。

早生種ほどス入りが早いため早く収穫することが必要です。

夏場は、袋に直射日光が当たると、袋の中が高温になりすぎて高温障害を起こしてしまいます。

盛夏前に南側と西側に遮光ネットを張るなどして、対策しておきましょう。

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