
爽やかな香りと、甘酸っぱい味わいが夏にぴったりの「梅シロップ」。
材料も手順もとてもシンプルで、いつも青梅が出回る時期に「梅酒」と一緒に作っています。
この記事では、梅シロップの作り方をご紹介します。

梅シロップの使い方
梅シロップは、青梅を砂糖で漬け込み、そのエキスを抽出した甘いシロップ。日本では古くから家庭で手作りされてきた、夏の風物詩の一つです。
梅に豊富なクエン酸が疲労回復を助け、食欲を増進させるため、まさに夏バテ予防の強い味方。汗で失われがちなミネラルの補給にも役立ちます。
- ドリンクとして
水や炭酸水で割る定番の「梅ジュース」はもちろん、牛乳や豆乳で割るとラッシーのような味わいに。焼酎やジンと合わせれば、爽やかな「梅カクテル」も楽しめます。 - デザートに
ヨーグルトやバニラアイス、かき氷にかけるだけで、ワンランク上のデザートが完成します。 - 料理の隠し味に
お肉を柔らかくする効果も期待できるため、煮込み料理やドレッシングに少し加えるのもおすすめです。爽やかな酸味と甘みが、料理にコクと深みを与えてくれます。
梅シロップの材料

梅シロップを作るのに必要な材料は次の通り。
- 青梅 1kg
- 氷砂糖 1kg
- リンゴ酢 200ml(なくてもOK)
- 保存瓶
材料選びのポイント
- 梅の種類
黄色く色づいた「完熟梅」でも作れますが、発酵しやすく、実も崩れやすいので注意が必要。初めての方は、扱いやすい「青梅」がおすすめです。 - 砂糖の種類
ゆっくり溶けてエキスを引き出しやすく、雑味のないクリアな味に仕上がるのは「氷砂糖」。上白糖やきび砂糖でも作れますが、その場合は溶け残りを防ぐため、より頻繁に瓶を混ぜる必要があります。 - お酢の役割
お酢を加えることで、発酵を防ぎ、保存性を高める効果があります。「リンゴ酢」だと酸味がまろやかなので、フルーティーに仕上がります。
梅シロップの作り方
梅の下処理
梅を傷つけないように注意して、なり口のホシ(ヘタ)を取り除きます。つまようじなどでホジると、ポコッと取れます。


梅を丁寧に水洗いし、1つ1つ水気を拭き取ります。


保存食に水気は厳禁なので、風通しの良い室内でしばらく乾燥させておきます。

保存瓶の消毒
瓶とフタをきれいに洗い、完全に乾かします。その後、保存瓶をしっかり消毒します。
消毒を怠ると、カビや雑菌が繁殖し、せっかくのシロップがダメになってしまうこともあります。
消毒にはいくつかの方法があります。大きな鍋で瓶全体を煮る「煮沸消毒」は、火傷や瓶が割れるリスクもあって少し大変。
次に一般的なのが、ホワイトリカーや焼酎など、アルコール度数の高いお酒で瓶の内側を拭き上げる「アルコール消毒」。中でも便利なのは、「パストリーゼ」など食品にも使えるスプレータイプのアルコール除菌剤です。
内側にシュッと吹きかけて清潔なキッチンペーパーで拭き取るだけ。一つ持っておくと、梅仕事だけでなくジャム作りなど、一年を通して大活躍するのでオススメです。
瓶に詰める
消毒した瓶に、「梅」と「氷砂糖」を交互に敷き詰めていきます。
梅 → 氷砂糖 → 梅 → 氷砂糖… とサンドイッチのように重ねていくのがポイントです。
最後に残った氷砂糖を一番上に敷き詰め、リンゴ酢を入れたら、フタをしっかりと閉めて作業終了です。

熟成させる
保存瓶は日の当たらない冷暗所に置いておきます。
翌日には氷砂糖が少し溶け出すので、氷砂糖が溶け切るまで、1日1〜2回瓶を揺すって混ぜます。
2日後にはシロップがあがり始め、7日後には梅のエキスが出てシワシワに。


完成
10日ほどで氷砂糖も溶け切り、少し風味は淡いものの、美味しい梅ジュースが楽しめます。
その後も冷暗所に置いておき、漬け込みから2〜3週間でエキスも完全に出て完成となります。

その後の保存は、梅を取り出して、シロップを清潔な容器に移し替えて冷蔵庫で保存。1年ほど楽しむことができます。
残った梅はどうする?

シロップ作りに使った後の梅も、立派なごちそうです。
種を取り除いて煮詰めれば美味しい梅ジャムになり、そのまま食べても甘酸っぱいおやつになります。
ぜひ、最後まで美味しく活用してください。