
家庭菜園の初心者の方向けに、ラッキョウの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。
ラッキョウ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。
ラッキョウ栽培の特徴
ラッキョウは、中国原産のネギ科(ユリ科)の野菜。
独特の風味が人気で、ラッキョウの塩漬け、甘酢漬けなどの保存食になります。
ラッキョウは非常に丈夫で土壌の適用範囲も広く、やせ地でも十分育つため、栽培は簡単です。
葉が青いうちはエシャレットとして若採りが可能。
また、掘り上げたラッキョウを乾燥しておけば、次の栽培に使える種球になります。
- 植え付けの仕方で球の大きさが変えられる
- 生育期間が1年と長くかかるので、植える場所は慎重に選ぶ
ラッキョウの栽培時期
ラッキョウの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

5月頃のまだ葉が青いうちに若採りすると、エシャレットとして収穫することができます。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
ラッキョウの栽培方法
ラッキョウの栽培方法は、次のような流れになります。
種球の準備

ラッキョウの種球は、8月頃になると種苗店やホームセンターで販売されます。
土作り
ラッキョウは、日当たりと排水のいい場所を好みます。
植え付け3週間前に堆肥を、2週間前に石灰を入れて耕しておきます。
pHは5.5〜6.0が目安です。
その後、植え付け1週間前に元肥を入れ、株間15cm、畝幅40cmほどを確保して畝を立てておきます。
肥料
ラッキョウはやせ地でも育つため、肥料はそれほど多く必要としません。(追肥で調整可能)
肥料には「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
連作障害・コンパニオンプランツ
ラッキョウは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。
植え付け
種球を1球ずつばらして、芽(尖った方)を上にして浅植えにします。



ラッキョウは分けつして育つので株間は10〜15cmほどあけるようにし、5cmほど覆土して鎮圧。植え付け後はたっぷりと水を与えます。
浅植えにすると分球が多く、小球になります。また、地表に出て光が入りやすくなり、球が緑化しやすくなります。
除草
冬前に種球の分けつがが始まります。
そこから出た細い葉が雑草に負けないよう、秋から冬にかけて除草を心掛けておきましょう。
追肥・土寄せ
2月〜3月頃に葉色が悪ければ、株元に追肥を施します。

勢いがよければ追肥は不要です。
土寄せ
3〜4月の盛んに育ってきた頃、株元に土寄せをします。

根が伸びると、ラッキョウは地面の上に押されて出てきます。根元に光が当たらないように、土寄せをして育てることで、緑色になるのを防ぎ、白いラッキョウを収穫することができます。
また、土寄せしないと、丸球や長球など形の悪い球になってしまいます。
収穫
収穫時期は6月中旬〜7月中旬。
球が長卵型に肥大し、球の芯の青みが少なくなった頃、葉が枯れる前に株を掘り上げます。



掘り上げたら1球ずつにばらしておきます。
尚、ラッキョウは収穫後に根と茎を切り取っても成長を続けるため、塩漬けや甘酢漬けなどにする場合は、すぐに調理するようにしましょう。

若採りするとエシャレット
5月頃、まだ葉が青いうちに若採りすると、エシャレットとして収穫することができます。

ラッキョウほど香りやクセが強くなく、沖縄の島ラッキョウのように生のままで食べられます。
発生しやすい病害虫
ラッキョウに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。
病気
ウイルス病
葉に黄緑色の筋状の斑点や黄緑色と緑色のモザイク症状が現れます。
原因ウイルスをアブラムシやアザミウマが媒介します。
さび病

軟腐病(なんぷびょう)
葉身基部の地ぎわ部が軟化し腐敗します。
害虫
ネギアブラムシ
体長1.8〜2mm、黒色で小さな虫が葉に群がって、吸汁加害します。
ウイルス病のウイルスを媒介するため、注意が必要。
ネギアザミウマ
体長1〜2mmの小さな成虫や幼虫が葉を食害して、かすり状の白斑にします。
ウイルス病のウイルスを媒介するため、注意が必要。