ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培方法・育て方のコツ

ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培方法を紹介します。

基本情報

アサツキ(浅葱)・ワケギ(分葱)のプランター栽培
科目栽培スタート生育適温好適土壌pH連作障害
ヒガンバナ科種球(球根)15〜20℃6.0〜6.5あり:1〜2年あける

ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)はネギの仲間ですが、種から育てるネギと違い、種球(球根)を植えて育てます

分けつ力が旺盛で、繰り返し収穫できるので、小ネギの代わりに重宝します。

MEMO

ワケギ・アサツキは、普通のネギよりも株分かれ(分けつ)しやすく、多いもので20〜30本にもなります。それを分けてとるので「分葱(ワケギ)」と呼ばれます。

収穫期が過ぎて葉が枯れたら、次の年用に種球を採ることもできます。

手間が掛からず栽培も容易なので、プランター栽培にも向いています。ベランダなどで栽培しておくと、欲しい時にすぐに収穫できて便利です。

栽培のポイント
  • 刈り取り収穫後に追肥しておけば、再生した葉を繰り返し収穫できる
  • はじめに種球を入手すれば、2年目からは掘り起こした種球を利用可能

栽培時期

ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培カレンダーです。

ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培時期・栽培カレンダー

中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。

8月〜9月頃に植え付け、秋と春の年2回収穫することができます。

また、6月頃に球根を掘り起こして保存しておくことで、2年目からはその種球を利用することができます。

ワケギとアサツキの違い

ワケギ(分葱)

ワケギは、ネギとタマネギの交雑種です。

ネギよりも穏やかな香りと上品な風味が特徴です。

MEMO

ワケギは寒さに弱いので、寒冷地での栽培には耐寒性のあるアサツキがオススメです。

アサツキ(浅葱)

アサツキは、エゾネギの変種。もともとは野草の一種で、山野で自生しています。

ネギ(葱)よりも色が浅いことから、浅葱という名前の由来になっています。

鱗茎ごと食べられ、香りと辛味があって薬味として使われます。↓こんな食べ方も。

アサツキぶっかけご飯 浅葱(あさつき)の美味しい食べ方レシピ

栽培方法

ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培は、次のような流れになります。

種球の準備

ワケギ・アサツキの種球は、8月頃になると種苗店やホームセンターで販売されます。

前年に栽培して掘り上げ、保存していたものを種球として利用する場合は、小さいものや枯れているものを取り除き、大きくてハリのあるものを選びましょう。

土作り

耕運機で耕して土作り作業

植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。

土壌酸度(pH)の目安は6.0〜6.5です。

また、マルチングしておくと雑草抑制になり、後々の管理に手間が掛かりません。

その際は、タマネギ用の穴あきマルチ(株間15cm)を利用すると、穴をあける手間が省けて便利です。

肥料

肥料が好きなので、元肥は多めに施しておきます。

ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

植え付け

植えやすいように、種球を1球ずつに分けます。

MEMO

外側の薄皮をむいて植えると、発芽が早くなります。

株間15cm(ワケギ)/株間10cm(アサツキ)で、芽(尖った方)を上にして、1穴に2球ずつ植え付けます。

種球を植え付ける深さは、土の表面に種球の先端がやや見える程度の浅植えにします。

MEMO

深植えしすぎると発芽が遅れて生育が悪くなり、浅植えしすぎると株元がぐらついて真っ直ぐに育ちません。

追肥・土寄せ

草丈10〜15cmの頃、条間に追肥を施します。

ワケギ(分葱)の条間に追肥

その際、株元に軽く土寄せをしておきます。

以降、追肥は収穫後に行います。

収穫

収穫期は秋と春の2回あります。

秋に草丈20cmになったところで、地際から3cmほど残し、葉だけを切り取って収穫します。

再生力が旺盛で、刈り取った後から新芽が伸びてくるので、同様にして数回収穫することができます。

MEMO

何回も収穫する場合は、刈り取り収穫後に追肥を施しておきましょう。

冬に葉が枯れてきたら収穫期は終わり。そのまま畑に置いておき、春になるとまた新芽が出てくるので、同じように収穫できます。

また、根ごと掘り上げて、卵型に太った根の部分も食べることができます。

種球の掘り上げ

種球を掘り上げて保存することで、次回の栽培に使うことができます。

春の収穫後に株元を残してそのまま生長させ、球根を肥大させます。

5月頃になると株元に球を形成して、葉は枯れて休眠に入ります。5月下旬〜6月上旬頃に球根を掘り上げ、風通しの良い日陰で夏まで貯蔵しておきます。

7月〜8月になると休眠から覚めて芽が伸び始めるので、畑に植え付けて同様の工程を繰り返します。

連作障害とコンパニオンプランツ

連作障害

ワケギ・アサツキは多年草ですが植えっぱなしにはせず、春に種球を掘り出して、夏過ぎに植え直します。

連作障害はほとんどありませんが、病気予防のためにも同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

ネギ(ワケギ・アサツキ)の根には、土壌病害を抑える効果のある拮抗菌が共生しているため、コンパニオンプランツとしての利用もオススメです。

栽培Q&A

プランター「サイズ:幅65cm×奥行20cm×深さ20cm、容量15~20ℓ」に、株間10cmで植え付ければ、12株ほど栽培することができます。

植えっぱなしにすると病気や害虫の被害にあいやすくなります。

また、分球した株が増えて混み合ってくるので、葉が枯れてきたら種球を掘り上げて、植え替えるようにしましょう。

再生力が旺盛で、刈り取り収穫後に追肥しておくと葉が再生するので、繰り返し3〜4回は収穫できます。

ワケギ・アサツキともに、葉の下の白い球根も食べることができます。

関連記事