シシトウ・トウガラシの栽培方法・育て方のコツ

シシトウ・トウガラシの栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、シシトウ・トウガラシの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

シシトウ・トウガラシ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

シシトウ・トウガラシ栽培の特徴

シシトウ・トウガラシ栽培の様子
種類科目好適土壌pH連作障害
シシトウ・トウガラシナス科6.0〜6.5あり:輪作年限3〜4年

日本でトウガラシといえば、辛味のある赤トウガラシと、辛味のないシシトウです。

最近では他にも、激辛の青トウガラシやハラペーニョなど、様々な種や苗を手に入れることができます。

基本的な栽培方法は同じですが、環境や雨などの条件により、辛さが変わってくることもあります。

栽培のポイント
  • 定期的に追肥を施しながら育てる
  • 赤く完熟してから収穫するトウガラシ、完熟前の緑色で収穫するシシトウなど種類により異なる

さまざまな品種

さまざまな品種がある中、うちでよく作っているものは次の3つです。

赤唐辛子(鷹の爪)

乾燥赤トウガラシの代表「鷹の爪」。

完熟したものを乾燥させ、料理のスパイスとして利用します。

伏見トウガラシ

京都の伏見で昔から栽培されている在来種の「伏見トウガラシ」。

辛味がなく、焼き、天ぷら、油炒め、煮物など、何にでも使えます。

万願寺トウガラシ

京都の在来種で、長さ13〜15cmと大きく、ピーマンのように肉厚になる「万願寺トウガラシ」。

辛味がなく(むしろ甘い)、BBQで丸焼きにして食べるのが最高。

シシトウ・トウガラシの栽培時期

シシトウ・トウガラシの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

2月下旬に種をまいてポットで育てた苗は、5月上旬に植え付け、7月から10月いっぱいまで長期間収穫できます。

シシトウ・トウガラシの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

シシトウ・トウガラシの栽培方法

シシトウ・トウガラシの栽培方法は同じで、次のような流れになります。

種まき・育苗

セルトレイに種まきし、発芽して本葉2枚の頃にポットに移植。

定植まで暖かい環境で育てます。

育苗のポイント
  • 日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意
  • 夜に水分が多いと徒長の原因になるため、水やりは朝に行う

尚、種から育てると育苗期間が長くなり管理が難しくなるため、市販の苗を購入して育てるのが手軽でオススメです。

土作り

高温と乾燥を好むので、日当たりと水はけが良い場所に高畝を立てます。

また、シシトウ・トウガラシは肥料好きなので、堆肥と十分な元肥を入れて耕します。

株間45cm、畝幅60cmほどの広さを確保し、畝を立てます。

pHは6.0〜6.5が目安です。

肥料

茎葉を伸ばしながら次々と実をつけていくので、栽培期間を通じて肥料切れを起こさせないように、定期的に追肥します。

初期からリン酸を効かせることで、実付きがよくなります。肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

MEMO

科学的根拠は不明ですが、昔の農家さんの知恵で、唐辛子は肥料によって辛さを調節することができると言われています。「米ぬか」を施せば辛くなり、「木炭」を施せば辛くなくなるそうです。

連作障害・コンパニオンプランツ

シシトウ・トウガラシは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を3〜4年あけるようにします。

また、一緒に植えることで良い影響を受ける「コンパニオンプランツ」には次のようなものがあります。

コンパニオンプランツ効果
ニラ根を絡ませるように混植することで、ニラの根に繁殖する拮抗筋が「青枯病」などの土壌病害を防ぐ
ラッカセイマメ科植物の根に付く根粒菌が空気中の窒素を固定して土壌を肥沃にし、根に付く菌根菌がリン酸分などの養分を吸収しやすくする効果がある

植え付け

苗の草丈が15cmほどになれば定植時期です。

シシトウもトウガラシも高温を好むため、晴天の午前中に定植して活着を促進させます。苗のポットを外し、根を崩さずに浅めに植え付けます。株間は45cmほど。

茎が弱くて風で折れやすいので、定植と同時に仮支柱を立てて支えておきます。

定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。

支柱立て・マルチング

主茎が伸びたら垂直に立てた支柱に誘引します。

シシトウ・トウガラシの支柱立て

株ごとに高さ120〜150cmの支柱を立てて主茎を紐で固定し、さらに支柱を横に渡して補強しておきます。

また、株元に稲わらなどを敷いて「マルチング」しておきます。乾燥を防ぎ、夏場の雑草対策にもなります。

整枝

品種に合った方法で整枝します。

大きめの実が下を向いてつくタイプ

「万願寺トウガラシ」のように、大きめの実が下を向いてつくタイプ

シシトウ・トウガラシの整枝・摘芯

1番花のすぐ下で分かれる2本の側枝を伸ばし、その下のわき芽を全て摘み取って3本仕立てにします。(3本の先端は摘心せずに伸ばします。)

シシトウ・トウガラシのわき芽
MEMO

一番花は摘み取ります。株が幼いときの実を残すとそこに栄養が取られ、株全体の成長が遅くなってしまいます。

小さめの実が上を向いてつくタイプ

「鷹の爪」のように、小さめの実が上を向いてつくタイプは、わき芽も摘み取らずにそのまま放任して育てます。

追肥

植え付けから2週間後に、1回目の追肥を株元に施します。

その後、2〜3週間に1度のペースで追肥。畝の片側の裾に交互に施します。

収穫

花のあと緑の実がつき、そのまま完熟すると赤くなります。

緑から黄色、赤色に熟す唐辛子

シシトウは完熟直前、表皮の光沢が増し淡い緑色になった頃に、ハサミで付け根を切って収穫します。

赤トウガラシは完全に赤くなったら、株ごと引き抜いて収穫します。

赤トウガラシを保存させる場合、まだ緑色が残っていると乾燥途中でカビが生えるおそれがあります。収穫は完全に赤く熟してから行いましょう。

乾燥・保存

赤トウガラシを乾燥・保存させるには、

株ごと収穫した場合は、根元を数本ずつ縛り、風通しの良い場所に逆さに吊るして干します。個別に収穫した場合は、乾燥ネットなどを使って干します。

完全に乾燥させないとカビが生えるので、十分に乾燥させましょう。

だいたい、夏場でも2週間ほど、秋だと1ヶ月くらい掛かります。振ってカラカラと音がするのが目安です。

十分乾燥したら枝から外して、密閉容器などに保存します。

トラブル・生育不良

シシトウ・トウガラシ栽培によくある、トラブル・生育不良などをまとめています。

生育後半に辛い個体が増えてくる

辛味のないシシトウの栽培で、最初の収穫では辛みがなかったのに徐々に辛い個体が増えていき、栽培後半には辛いものばかりになってしまうことがあります。

主な原因は、暑さや水不足によるストレス、肥料不足による生理障害です。そのため、猛暑や天候不順の年であったり、栽培後半に発生しやすくなります。

また、唐辛子の近くに植えていたら交配して辛くなったとか、先祖返りした、なども聞いたことがありますが、これらの根拠は不明です。

発生しやすい病害虫

シシトウ・トウガラシに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

青枯病(あおがれびょう)

元気だった株が急にしおれ、青みを残したまま枯れてしまいます。

⇛ 青枯病の症状と対策・予防法

疫病(えきびょう)

葉に水がしみたような暗緑色の病斑が現れ、裏面には白いカビが発生、やがて枯れます。

⇛ 疫病の症状と対策・予防法

モザイク病

葉に濃淡のモザイク模様が現れ、ひどくなると葉は縮れて奇形化します。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対処・予防法

その他の病気

萎凋病下葉から黄化してしおれ、生育不良となり枯れてしまいます。
黄化えそ病葉が黄化してえそ斑点を生じ、症状が激しいと株全体が枯れてしまいます。原因ウイルスをミナミキイロアザミウマが媒介します。
白絹病株の地ぎわや周辺の土壌に白い糸状のカビが発生します。
苗立枯病地ぎわ付近の茎や根が腐敗し、やがて株全体が枯れます。

害虫

モモアカアブラムシ

シシトウについたモモアカアブラムシ

体長1〜4mmの小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アブラムシ被害の特徴と対策・予防法

ホオズキカメムシ

シシトウについたホオズキカメムシ

亀のような形をした昆虫が、つぼみや果実を吸汁加害します。

⇛ カメムシ被害の特徴と対策・予防法

タバコガ

ピーマンを食害するタバコガ

緑色をしたイモムシ状の幼虫が、果実に潜り込んで食害します。

⇛ タバコガ被害の特徴と対策・予防法

ハスモンヨトウ

シシトウについたハスモンヨトウ

イモムシ状の幼虫が、葉肉を裏側から食害します。

⇛ ヨトウムシ被害の特徴と対策・予防法

その他の害虫

ミナミキイロアザミウマ新芽や新葉のすき間に小さな虫が寄生し吸汁加害します。黄化えそ病のウイルスを媒介するため注意。
チャノホコリダニ肉眼で見えないほど小さい虫が葉に吸汁加害し、被害部がすすけたようになります。
テントウムシダマシ益虫のテントウムシと違い、黒い斑点が28個と多いのは害虫のテントウムシダマシ。葉を食害します。(別名:ニジュウヤホシテントウ)
ハモグリバエ乳白色の幼虫が葉肉の中から葉を食害し、葉の表面に絵を描いたような白い筋状の食痕を残します。