オクラの栽培方法・育て方のコツ

オクラの栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、オクラの栽培方法を紹介します。

基本情報

オクラ栽培の様子
科目栽培スタート生育適温好適土壌pH連作障害
アオイ科種、苗20〜30℃6.0〜6.5あり:2〜3年あける

アフリカ原産のオクラは高温を好むため、植え付けや種まきは気温が十分に上がってから行います。

初期の生長はゆっくりですが、ひとたび開花し着果し始めると、毎日実が大きくなり、どんどん採れるようになります。

場所を取らず長く収穫できるので、家庭菜園にもオススメの野菜です。

尚、オクラには、実の断面が五角形や六角形などの品種と、角がない丸さやの品種があります。丸オクラは実が大きくなっても固くなりにくく、おいしく食べられます。

栽培のポイント
  • 寒さに弱く10度以下で畑に植えると低温障害を起こすため、早まきは避ける
  • 草丈が高くなるので、株間と畝間は十分にとる
  • 採り頃がとても短く、遅れるとすぐに固くなるので、こまめに収穫する

栽培時期

オクラの栽培スケジュールです。

オクラの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

育苗する場合は4月中旬頃、直播きする場合は暖かくなる5月中旬以降が種まき時期です。

栽培方法

オクラの栽培は、次のような流れになります。

種まき・育苗

気温が暖かくなる5月中旬以降であれば、畑に種を直播きすることもできます。直播きの場合

ポット(3号:9cmサイズ)に3粒ずつ、指で1cmの深さに押し込んで種をまき、たっぷりと水をやります。

まだ寒い時期は、保温資材を使って暖かい環境で育苗します。

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発芽してから成長の良い苗を選んで1本に間引き、最終的に本葉2〜3枚の苗に仕上げます。

育苗日数発芽適温生育適温
30日前後25〜30℃20〜30℃
オクラの育苗管理

土作り

耕運機で耕して土作り作業

植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。

土壌酸度(pH)の目安は6.0〜6.5です。

また、オクラは高温を好むので、畝を立てた後に透明マルチを張っておいて、地温を上げておくと良いです。

肥料

オクラは吸肥力が強いので、元肥を施しすぎると茎葉ばかり育って実つきが悪くなります。そのため、堆肥と元肥は適度に施し、後はコンスタントに追肥で調整します。

茎葉を伸ばしながら実をつけるので、栽培期間を通して、窒素・リン酸・カリをバランスよく施します。「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

植え付け

本葉が2〜3枚くらいの若い苗のうちに定植します。

草丈が高くなるので、株間50〜60cmほどあけます。

定植の前にポットごと水を吸わせておくか、定植後たっぷりと水をやります。

尚、初期育成ではとくに低温を嫌うので、気温が十分高くなってから植え付けるか、トンネルで保温しておいた方が良いです。

また、若葉の頃はアブラムシが付きやすいので、寒冷紗や不織布を掛けておくのも有効です。防寒対策にもなります。

畑に直播きする場合

オクラは畑に直播きすることも可能です。

畑に直播きする場合は、気温が暖かくなる5月中旬以降まで待ってから種まきをします。早すぎると温度が低く、遅すぎると真夏までに成長が間に合わずに収量が減ってしまいます。

株間50〜60cmほどで1箇所3粒に点蒔きし、本葉2〜3枚の頃に間引いて1本立ちにします。

直播きしたオクラを間引いて1本立ちにする

追肥・土寄せ

植え付け20日後から2〜3週間に1回のペースで追肥します。畝の肩か株間にまいていきます。

また、オクラは草丈が大きくなるので、株が倒れないように追肥と同時に土寄せをしておきます。

肥料切れをおこすと写真のように葉が細るので、追肥の目安に。

開花

初夏にはオクラの花が咲き始めます。

オクラの花

花がしぼんだ後から、実が成長していきます。

オクラは節ごとに花を咲かせるので、節間の数が収穫量を決定します。

収穫

開花から1週間ほど、長さ6〜7cmの頃が収穫適期です。

収穫タイミングは品種にもよるので、手で触ってみて柔らかい内にどんどん収穫していきましょう。

花梗をハサミで切り取って収穫します。

収穫が早過ぎると種が入らず、ネバネバがありません。また、収穫が遅れると、皮が固くなって食用に向きません。

収穫と同時に下葉取り

オクラ収穫と同時に下葉取り

1本収穫するごとに、2段下の葉を切り取ります。

摘葉することで、養水分を上の若い葉の方に回すことができ、次々と実をつけて収穫が長く続きます。

また、風通しもよくなって病害虫の予防にもつながります。

適期に収穫しきれない場合

オクラの成長は早いので、毎日畑に通えないような場合は、収穫が遅れてさやが固くなってしまいます。

そんな場合は、種まきを1箇所に4粒以上にし、そのまま間引かず育てます。(1ヶ所に4株ほどが目安)

オクラの多粒まき栽培

そうすることで樹勢が弱まって生育が遅くなり、草丈も小ぶり、さやの成長もゆっくりになるため、やわらかいまま収穫できる期間が長くなります。

尚、樹勢が弱くなるため、1株当たりの収穫量は減りますが、本数が多いので、トータルでの収量は上がります。

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

オクラは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。

栽培Q&A

オクラの曲がり果

果実が曲がるものを「曲がり果」、果実の表面に小突起が見られるものを「いぼ果」といいます。

養水分の不足が主な原因ですが、逆に肥料や水の過剰によっても発生します。

特に収穫中盤以降になると発生しやすくなります。

収穫タイミングが適切でないことが考えられます。

品種などにもよりますが、開花から1週間程度が収穫期。早すぎると種が入らずネバネバがない、遅すぎると固くなります。

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