
家庭菜園の初心者の方向けに、パクチー(コリアンダー)の栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。
パクチー栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツなど。

パクチー栽培の特徴

種類 | 科目 | 好適土壌pH | 連作障害 |
---|---|---|---|
パクチー | セリ科 | 6.0〜6.5 | あり:輪作年限1〜2年 |
タイではパクチー、中国ではシャンツァイ(香菜)、英語ではコリアンダーと呼ばれ、独特の強い香りでエスニック料理には欠かせないハーブ。
大きく育った葉を必要な分だけ摘み取って収穫します。
葉だけでなく、開花後に結実した種子はスパイス・香辛料としても利用できます。
丈夫で育てやすいので、家庭菜園にもオススメです。
- 種は殻を破って水に浸けておくと発芽しやすい
- 乾燥に弱いので、土が乾いたら適宜水やりする
- 暑さに弱いので、盛夏は被覆資材で防暑する
パクチーの栽培時期
パクチーの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

春まきと秋まきができます。暑さに弱いので真夏は被覆資材で防暑を、冬はトンネル栽培で防寒して育てます。
暖かくなると花が咲いて枯れてしまうので、種まき時期を何回かに分けて撒くと長く収穫することができます。
上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。
パクチーの栽培方法
パクチーの栽培方法は、次のような流れになります。
土作り

種蒔きまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
酸性土壌を嫌うので、土壌酸性度(pH)を適正に調整しておきましょう。pHの目安は6.0〜6.5です。
肥料
葉を収穫する野菜なので、生育初期から窒素を切らさないようにします。
「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
連作障害・コンパニオンプランツ
パクチーは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。
種まき
条間20cmでまき溝を切り、種が均等になるように条播きにします。


パクチーの種は発芽の時に光が必要な「好光性種子」なので、覆土は薄くし、しっかりと鎮圧しておきます。
発芽しやすくするために
パクチーの種は硬い殻に覆われているため、なかなか芽が出ません。
そこで、種を擦り合わせて殻を割り、一晩水に浸けてからまくと発芽しやすくなります。(コップなど固いものを殻に当てて転がすと割りやすいです。)


殻を割る際に、中に入っている種を傷つけないよう注意しましょう。
育苗して植え付けも可能
パクチーは直根性で直播きに向きますが、ポットで育苗してから畑への植え付けも可能です。
種をポットに5〜6粒ばら撒きして、本葉が出たら間引いて2本立てに。本葉4〜5枚の苗に育ったら、株間20cmで植え付けます。



根が傷つくと生育が悪くなるので、植え付けの際に根をあまり触らないように気をつけましょう。
育苗日数 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|
25日前後 | 20〜25℃ | 18〜25℃ |
間引き
直播きの場合は、発芽したら生育に応じて順次間引きします。


本葉2〜3枚で5cm、本葉4〜5枚で10cm、最終的に株間20cmにします。
追肥
本葉5〜6枚の頃、株元に追肥を施します。

その後は様子を見ながら、葉の色が薄かったり黄色っぽくなっていたら、適宜追肥していきます。
敷きワラマルチ

パクチーは乾燥を嫌うので、株元に敷きワラや刈草などを敷いて湿度を保つようにします。
土が乾いていたら、適宜水やりをしておきましょう。
また、敷きワラマルチは冬場の保温、泥跳ねによる病気を防ぐので、敷いておくと安心です。
暑さ・寒さ対策
パクチーは意外と暑さに弱く、また真夏の直射日光にさらされ続けると葉が固くなるため、盛夏には遮光ネットを掛けて防暑します。(裾はあけておきます。)

また、寒さに強いパクチーは秋まき冬採り栽培も可能です。冬に入ったら防寒のためビニールで覆ってトンネル栽培にします。
収穫
草丈が20cm以上になったら、葉をハサミや手で摘み取って収穫します。


収穫後に追肥しておくと生育が衰えずに長く収穫できます。
花が咲いて実がなると、枯れて収穫できなくなります。

長い期間、葉を収穫したい場合は、花芽を見つけたらこまめに切り取っておきましょう。
種の収穫
種を収穫する場合は、花を摘まずにそのまま咲かせて結実させます。

全体的に枯れて種も茶色く乾燥したら、手で扱きとって収穫します。
収穫した種は、翌年の播種に。また料理の香辛料として使うことができます。