
ジャガイモ栽培で発生しやすい病害虫。
それら症状の特徴と防除方法をまとめています。
目次

病気
ジャガイモに発生しやすい代表的な病気と、その対策・予防法をまとめています。
疫病(えきびょう)

ソウカ病
糸状菌(カビ)による病気で、イモの表皮にかさぶた状の病斑ができ、イモの肌がでこぼこになます。

アルカリ性の土壌で発生しやすいので、石灰の入れすぎに注意。(pH7以上だとほぼ発生します。)
モザイク病
葉にモザイク状の模様や”えそ斑”を生じたり、葉が縮れて小さい、葉色が薄い、などの症状が現れます。


ウイルス病は感染すると治療する方法がありません。種芋の時点で既にウイルスを持っている場合が多いので、無病の種芋を使うことが大切です。
また、アブラムシがウイルスを媒介して、他のジャガイモ株だけでなく、他の野菜にも感染する場合があるので、早めに抜き取って焼却処分すること。
その他の病気
害虫
ジャガイモに発生しやすい代表的な害虫と、その対策・予防法をまとめています。
アブラムシ

ホオズキカメムシ

ケラ


土中に潜む体長3〜5cmの茶色の虫が、イモを食害します。
種芋が被害に遭うと、芽が出ないこともあります。
テントウムシダマシ(オオニジュウヤホシテントウ)
益虫のテントウムシと違い、黒い斑点が28個と多いのは害虫のテントウムシダマシ。


成虫・幼虫ともに葉を食害します。
ネキリムシ
苗の茎を地ぎわで食いちぎるネキリムシ(ヤガ類(夜蛾)の幼虫)。


ジャガイモのイモに穴をあけて食害もします。
その他の害虫
ヨトウムシ | 夜間にイモムシ状の幼虫が葉を食害します。主にシロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ。 |
病害虫予防のポイント
ジャガイモ栽培で病害虫を予防するためのポイント。
種芋
食用のジャガイモを植えると病気が出ることがあるので、種芋用として販売されている無病の種芋を利用しましょう。

植え付ける時の種芋の大きさは、1片40〜60gが目安。大きすぎると抵抗力が弱く、病気に感染しやすくなります。
春作では種芋を切り分けて使うことができますが、秋作では地温が高いので、切ると腐りやすくなります。小さめの種芋を選んで、丸ごと植え付けましょう。
連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
ジャガイモは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。
相性の悪い野菜
ジャガイモは、近くに同じナス科の野菜があると病害虫が増え、キャベツがあると他感作用(アレロパシー)が起こってジャガイモの生育が悪くなります。
これらの野菜とは離して植えるようにしましょう。
肥料は控えめに
イモのまわりに有機物があると病原菌や害虫の攻撃を受けなすくなります。ジャガイモは少ない肥料でも育つので、肥料は控えめにしましょう。
肥料を控えればアブラムシやテントウムシダマシの被害も抑えることができます。
