立枯病(たちがれびょう)の症状と対策・予防法

下葉から黄化してしおれ始め、やがて立ち枯れ状態となる病気「立枯病(たちがれびょう)」。

その症状と発生原因、対策・予防法をまとめています。

立枯病の症状

立枯病が発生しやすい野菜
エダマメ サツマイモ ホウレンソウ ミズナ

下葉から黄化してしおれ始め、やがて株全体が枯れます。

根は腐敗し、地ぎわの茎も褐色になって腐敗します。

MEMO

発芽から幼苗期に発生する場合は「苗立枯病」と称して区別されています。

主な原因と伝染経路

病原菌は糸状菌(カビ)の一種。

土壌中の被害植物の遺体や、被害株の植物内部で越冬し、春になると菌核が発芽して、胞子が飛び散って伝播します。

立枯病の対策・予防法

対策

被害部はなるべく早く切除し、枯れ落ちた葉や蕾も拾い集めて焼却処分します。

農薬を使う場合は「ダコニール1000」などが有効です。広範囲の病気に防除効果をあらわす総合殺菌剤なので、1つあれば何かと便利です。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

農薬の参考リンク

予防法

土壌のpH値が高いと病気の発生が助長されるため、石灰の多施用は控えます。

土壌の酸性度(pH)と測定・調整方法について

また、苗を植える場所に一握りのカニ殻を1週間前に混ぜることで、立枯病を防ぐことができます。

MEMO

キチンを含むカニ殻を土に混ぜると、放線菌が増えてキチンを分解します。と同時に、細胞膜がキチンで作られている病原菌(萎凋病菌や立枯病菌)も分解します。

他に、コンパニオンプランツとして「ニンニク」や「ネギ」を一緒に植えることで、ネギ科植物の根に共生する拮抗菌が「立枯病」の病原菌を抑える効果があります。

コンパニオンプランツコンパニオンプランツの組み合わせと効果