家庭菜園の初心者の方向けに、ラッキョウの栽培方法を紹介します。
基本情報
ラッキョウは、中国原産のヒガンバナ科(ネギ科)の野菜です。
独特の風味が人気で、ラッキョウ漬けの他、天ぷらや和え物などに利用できます。
ラッキョウは非常に丈夫で土壌の適用範囲も広く、やせ地でも十分育つため、栽培は簡単です。
若どりしたものはエシャレットとして食べられます。
掘り上げたラッキョウを乾燥しておけば、次の栽培に使える種球になります。
- 植え付けの仕方で球の大きさが変えられる
- 生育期間が1年と長くかかるので、植える場所は慎重に選ぶ
栽培時期
ラッキョウの栽培カレンダーです。
中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。
9月頃に植え付けたら、収穫は翌年6月頃になります。
3月下旬、まだ葉が青いうちに若採りすると、エシャレットとして収穫することができます。
1年目に収穫しないでそのまま据え置き、2年目に掘り上げると、実の締まった小粒のラッキョウがたくさん収穫できます。
栽培方法
ラッキョウの栽培は、次のような流れになります。
種球の準備
ラッキョウの種球は、8月頃になると種苗店やホームセンターで販売されます。
夏に収穫し乾かしておいたものを種球として利用する場合は、小さいものや枯れているものを取り除き、大きくてハリのあるものを選びましょう。
土作り
ラッキョウは、日当たりと排水のいい場所を好みます。
植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
土壌酸度(pH)の目安は5.5〜6.0です。
肥料
ラッキョウはやせ地でも育つため、肥料はそれほど多く必要としません。(追肥で調整可能)
肥料には「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
植え付け
種球を1球ずつばらして、枯れた皮を取り除きます。
ラッキョウは分けつして育つので株間は10〜15cmほどあけるようにし、1穴に1球ずつ、芽(尖った方)を上にして植え付けます。
1球植えだと数は少ないが大きい球がとれます。一穴に2〜3球ずつ植えると、小球を多く収穫できます。
覆土は5cmほど。植え付け後はたっぷりと水を与えます。
浅植えにすると分球が多く、小球になります。また、地表に出て光が入りやすくなり、球が緑化しやすくなります。
追肥
植え付けてから、収穫までに2回の追肥を行います。
1回目の追肥は、10月下旬頃。
秋の追肥は分球数を増やします。
2回目の追肥は、2月下旬〜3月上旬。
春の追肥は球の肥大を促進します。
それぞれ株元に追肥を施し、軽く中耕して土と混ぜます。
秋に咲くラッキョウの花
11月頃になると、薄紫色のキレイな花が咲きます。
花はそのまま放置していても大きな影響はないので、観賞用に残して楽しむのも一つ。
とはいえ、栄養が花の生育に使われることで、球根の肥大が若干抑制されるため、球根を大きく育てたい場合は、早めに花を摘み取ってしまいましょう。
除草
冬前に種球の分けつがが始まります。
そこから出た細い葉が雑草に負けないよう、秋から冬にかけて除草を心掛けておきましょう。
土寄せ
3〜4月の盛んに育ってきた頃、株元に土寄せをします。
根元に光が当たらないように、土寄せをして育てることで、緑化を防ぎ、白いラッキョウを収穫することができます。
また、土寄せしないと、丸球や長球など形の悪い球が増え、良球率が低くなります。
エシャレットの収穫(若どり)
3月下旬〜4月上旬、まだ葉が青いうちに若どりすると、エシャレットとして収穫することができます。
ラッキョウほど香りやクセが強くなく、沖縄の島ラッキョウのように生のままで食べられます。
収穫
6月〜7月頃、葉が枯れ始めたら収穫的期です。
スコップで周囲の土をほぐしたら、手で引き抜いて収穫します。
掘り上げたら1球ずつにばらして、葉と根を切り落とし、風通しの良い場所で乾燥させます。
尚、ラッキョウは収穫後に葉と根を切り取っても成長を続けるため、なるべく早く料理などに使いましょう。
自家製ラッキョウの甘酢漬けの簡単な作り方と必要材料連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
ラッキョウは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。