ハダニ被害の症状と対策・予防法

ハダニ被害にあった野菜の葉

小さくて姿は見えないが、葉裏から吸汁加害して葉が白くカスリ状態になる害虫「ハダニ」。

その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。

症状と被害

成虫・幼虫ともに葉裏に寄生して吸汁加害します。

被害にあったところは葉の色素が抜けて白くカスリ状になり、光合成ができずに、葉が落ちたり、枯れてしまいます。

被害がひどい場合は、葉の先端にたくさん寄生してクモの巣状態になることもあります。

また、植物寄生性のダニにはハダニ類以外にも、フシダニ類、ホコリダニ類、コナダニ類などがあります。

チャノホコリダニ被害に遭ったナス
チャノホコリダニ被害に遭ったナス

生態

ハダニはクモの仲間で足が8本あります。体長は約0.5mmと小さいので肉眼での確認は難しく、主に葉裏に寄生しています。

種類は70種類ほどいて、野菜類につきやすいのは「赤ダニ」とも呼ばれる「カンザワハダニ」と「ナミハダニ」。

成虫は毎日 葉裏に1個ずつ産卵、2〜3日で孵化した幼虫は10日ほどで成虫になるため、短期間で大量発生します。

高温乾燥時を好み、梅雨明けから9月頃にかけて多く発生します。

防除方法

対処法

ハダニは水に弱いので、葉裏に水を吹きかけます。水を散布しただけでも密度が下がります。

有効な薬剤(農薬)

薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。

ベニカナチュラルスプレー」は、3つの天然由来成分(B.t.菌・植物油・水あめ)で、食べる直前まで使える殺虫殺菌スプレー。植物油がハダニの幼虫・成虫・卵の全てのステージに効きます。(物理防除)

アーリーセーフ」は、天然由来成分(ヤシ油)で有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える殺虫殺菌剤で、ハダニの防除に効果的です。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

ハダニは薬剤に対する抵抗性が付きやすいため根絶は難しく、そのため、ハダニを捕食する天敵(チリカブリダニなど)を利用した「生物的防除」の開発も進んでいます。

予防法

ハダニは他の植物などから風にのって次々とやってくるため、完全に防除することは難しいです。

しかし、ハダニは水に弱いため、定期的に葉裏に散水することで数を減らすことはできます。

また、特定防除資材「ピュアベニカ」を葉面散布しておくと、ハダニの予防効果があります。有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える食品成分(食酢)100%のスプレーなので、あらゆる植物に、食べる直前まで使えます。

室内や雨のあたらない軒下などでは被害の進行が速いので注意。