ウリ科の野菜につく茶色い甲虫で、葉を食害して穴だらけにしてしまう「ウリハムシ」。
その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
「ハムシ類」の中で、キュウリなどのウリ科植物につくのがウリハムシです。(ウリバエとも呼ばれます。)
ハムシ被害の症状と対策・予防法成虫は葉脈を残して葉を円弧状に食害し、葉を穴だらけにします。ひどい場合は、葉が網目状になります。
成虫による被害は、植物体が大きくなればそれほど問題はありませんが、幼苗期の食害は生育が抑制され、ひどい場合は植え替えが必要になります、
幼虫は根を食害するので、生育初期には株が弱ったり、枯れたりします。
生態
ウリハムシの成虫は、体長7〜8mmで茶色の甲虫です。
本州では年1回の発生。
成虫は落葉の下や樹皮の下で越冬し、4〜5月になると活動します。
ちょうどウリ科野菜の植え付け時期と重なるため、幼苗が被害に遭いやすい。
成虫は5〜7月頃に、ウリ科植物の株元の地中に産卵。成長して羽化した新成虫は7〜8月に発生します。
秋キュウリを育てる時期と重なるため、注意が必要。
防除方法
対処法
成虫は見つけしだい手で捕まえて駆除します。
しかし、成虫はすぐに飛んで逃げてしまうため、数が多い場合は薬剤散布が効果的です。
有効な薬剤(農薬)
薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。
「マラソン乳剤」は、広範囲の作物に使用でき、幅広い害虫に効果のある代表的な園芸用殺虫剤です。
また、苗の植え付け時に「サンケイダイアジノン粒剤3」を土に混和させておくことで、ウリハムシの幼虫を退治することができます。
予防法
予防法としては、繁殖力が強いため、何よりも最初の飛来を防ぐのが肝心です。
成虫は反射光を嫌うので、シルバーマルチを敷いたり、銀色の光反射テープを周囲に張ったりすると効果的です。
マルチシートの種類とマルチの張り方また、幼苗の頃に被害にあうと初期生育が悪くなってしまうため、生育初期は苗一つ一つを「あんどん」で囲ったり、「ホットキャップ(苗ドーム)」を被せておくと安心です。
また、ウリハムシの成虫は「ネギ」の香りを嫌うので、刻んだネギを株元に置いておくと、忌避効果が得られます。