土中に潜む茶色い昆虫が、根や発芽直後の芽を食害する「ケラ」。
その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
「手のひらを太陽に」の歌に出てくる「オケラ」です。
夜に畑などの土の中から「ジー」と言う鳴き声が聞こえると「ミミズが鳴いている」と言われることがありますが、これはケラの鳴き声です。
地中にトンネルを作りながら根を食べ、根を浮かせ苗木を倒伏させます。ジャガイモやサツマイモなどは、イモの部分が食害されて穴だらけになります。
生態
体長3〜5cmほどの虫で、コオロギの仲間ですがモグラに似ており、幼虫・成虫ともに地中で生活します。
発生は年1回。幼虫または成虫が地中で越冬します。
5月から7月に成虫が地中に卵室をつくって産卵。孵化した幼虫が食害を始めます。
有機質が豊富で水分が多い柔らかい泥地や湿地を好み、雑食性でミミズや昆虫、植物の根や塊茎を食べます。
防除方法
対処法
見つけしだい手で捕まえて駆除します。
土中で食害するのでわかりにくいのですが、生育が悪いとき、株を掘って根が明らかに少なければ、付近を掘って確認して駆除しましょう。
有効な薬剤(農薬)
薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。
「サンケイダイアジノン粒剤3」は、土の中に潜む土壌害虫を退治する殺虫剤。土に混ぜるだけで予防効果が長持ちし、植物の根を害虫の食害からしっかり守ります。
予防法
湿地を好むので、排水を良くすることが大切です。
また、栽培場所の周りに波板を埋めておくと、侵入を防ぐのに効果的です。
病害虫の参考リンク