
スーパーなどで売ってるオガクズ栽培のものとは比べ物にならないくらい、肉厚で大型でジューシーなしいたけが作れる、しいたけの原木栽培。
我が家では、毎年実家で作ったこのしいたけを貰ってたのですが、今年は一緒に栽培体験させてもらいました。
原木栽培に準備するもの
原木
しいたけの種駒を接種する木を入手します。
栽培に良く使用されるのは、ナラ、クヌギ、シデ類、クリ、シイ、カシ。
うちでは、父親が山の管理を手伝っているので、そこからナラの木を貰ってきました。

しいたけ栽培向けの原木は、ホームセンターなどでも売っています。
種駒(しいたけの種)
ホームセンターや通販サイトなどで販売されてます。
今回購入したのは、広く使用されている「にく丸(290号)」という品種。

しいたけ菌を付着させた種駒800個入り(原木20~30本分)で、2600円ほど。

原木にこの大きさの穴をいっぱい開けて、そこに種駒を打ち込んでいくわけです。
これで、しいたけ400~500本分くらい(うまく栽培できればもっと)採れます。
栽培時期、栽培の流れ
しいたけ原木栽培の時期、手順は次のような流れになります。
上記のように菌を接種した後、品種や環境にもよりますが、早いもので接種年の秋や翌春から、通常は夏を2回経過した秋からしいたけが発生します。
無事にしいたけが発生すると、その後3~4年の間、毎年シーズンになればしいたけが発生してきます。(我が家では1年で終わるものもあれば、良くても2年ほど)
栽培手順
種駒を打ち込むための穴開け
種駒に合ったサイズのキリ・電動ドリルを使って、原木に穴を開けていきます。
電動ドリルは、ある程度トルクのあるものを。
種駒サイズのキリ(ドリル)は、こういうもの。(森産業の種駒用で9.2ミリ径。種駒の業者により太さが異なるかもしれないので、購入前にご確認下さい。)
横20cm、縦5cm間隔で、バンバン穴を開けます。

打ち込みする種駒の数が多いほど、菌が早くまん延して外菌の侵入も少なく、良いほだ木(しいたけが発生する状態になった木)になります。
種駒の打ち込み
開けた穴に、種駒を差し込んでいきます。

ハンマーで、表面が平らになるように種駒を打ち込みます。

残った種駒は翌年使用することができないので、種駒が余った場合は、余分に穴を開けるなどして使い切ってしまいます。
仮伏せ(保湿管理)
接種された種駒の菌糸が、確実に原木に移ってまん延を始めるように保湿管理するのが「仮伏せ」です。
原木に水分を含ませて、周囲をワラ、ムシロ、遮光ネット、ブルーシートなどで覆って、保湿できる状態にします。
うちでは、ワラで覆って、

遮光ネットで覆って放置しておきました。

本伏せ
3ヶ月ほど仮伏せしたら、次は本伏せです。
しいたけ菌糸の活着した原木を、更に原木全体へ菌糸がまん延できるような条件下で管理します。
しいたけ菌は高温には弱く、50℃にも達すると数時間で死滅するため、夏の直射日光に当たるとひとたまりもありません。
なので、↓のようにしておきます。
うちでは、平坦地での伏せ込みに適していると言われている「合掌伏せ」にして、遮光ネットを掛けています。

より多くしいたけができるように
冬に仕込むと、夏を2回経験した秋からしいたけが発生します。
で、今がまさにその時なのですが、その少し前の10月中旬に、次のことをしておきました。
- ほだ木を叩く
- ほだ木を水に漬ける
ほだ木を叩くことでシイタケ菌が活発になり、その後、ほだ木を24時間ほど冷たい水に漬け込むことで秋を感じさます。
こうすることで、しいたけがより多く発生しやすくなります。
しいたけの収穫
で、10月下旬、ついにしいたけが出始めました。

まだ全てのほだ木からは発生してませんが、これからポコポコと出てくるはず。
見よ、この肉厚なしいたけを。

バター焼きにして食べてみましたが、超ジューシーでめちゃ旨です。
ちなみに、うまくいけば、同じほだ木から2〜3年ほど繰り返し収穫できます。
しいたけが好きな方は、ぜひぜひ自分で栽培して食べてみて下さい。
一度食べると、スーパーとかで買ったしいたけではもう満足できなくなります。
しいたけの原木栽培キット
しいたけの原木栽培は、しいたけの種駒とそれを打ち付ける原木が必要になります。
原木を入手できる方は、こういった「しいたけの種駒」を。
それが難しい方は、種駒が打ち付けられた状態の「ほだ木」も販売されています。
菌床栽培なら自宅リビングでも育てられる

原木栽培はハードルが高いな…という方は、自宅で育てられる菌床栽培のキットもあります。
霧吹きで水をかけるだけの手軽さで、購入してすぐに収穫が楽しめるので、はじめての方にオススメです。
