サツマイモの栽培方法・育て方のコツ

サツマイモの栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、サツマイモの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

サツマイモ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

サツマイモ栽培の特徴

サツマイモ栽培の様子

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
サツマイモ ヒルガオ科 5.5〜6.0 連作可能

水はけのよい痩せた土地で育て、ツルを繁茂させないのがサツマイモ栽培のコツ。

貯蔵がきき、収穫から時間がたって追熟することで美味しくなるので、長く楽しめるのも魅力です。

栽培のポイント
  • 窒素分が多すぎるとつるボケするため、元肥は最小限に
  • ツルが茂ってきたら、つる返しをしてヒゲ根を切る

用途に応じた品種を選ぶ

サツマイモには、皮色、肉色、食味、用途の異なる多くの品種があります。

サツマイモの色々な品種

ホクホク系、ねっとり系など食感の違いも楽しんでみてはいかがでしょうか。

主なサツマイモの品種
品種 食感 おすすめ料理 特徴
鳴門金時 ホクホク系 天ぷら
焼き芋
関西で定番のサツマイモ。ホクホク食感の焼き芋に。
紅あずま ホクホク系 天ぷら
焼き芋
関東で定番のサツマイモ。ホクホク食感の焼き芋に。
安納芋 ねっとり系 焼き芋 蜜芋ブームの火付け役。クリームのような柔らか食感の極甘蜜芋。
紅はるか しっとり系 焼き芋
干し芋
繊維質多めでしっとり甘い。数ヶ月ほど貯蔵するとトップクラスの甘味に。
シルクスイート ねっとり系 焼き芋 絹のような繊細さでしっとりなめらか。

サツマイモの栽培時期

サツマイモの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

5月中旬頃に苗を植え付け、10月頃の収穫です。

サツマイモの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

サツマイモの栽培方法

サツマイモの栽培方法は、次のような流れになります。

苗の準備

サツマイモ(安納芋)の苗
サツマイモ(鳴門金時)の苗
サツマイモの苗を水に浸けて保存

サツマイモの苗は、4月下旬頃に種苗店やホームセンターなどで販売されます。

良い苗の基準は、茎が太くて、節間が間のびしておらず、葉色が濃くて厚みのあるもの。また、節数が4〜5あり、長さが15〜20cmくらいのものを選びます。

植付けまで苗を保存しておくには、浅く水を張ったバケツに浸けて日陰に置いておきます。これで1週間くらいはもちます。

土作り

サツマイモは、日光がよく当たる、通気性に富んだ乾燥した土を好みます。また、肥沃だと「つるボケ」になるので、痩せた土地が向きます。

植え付け10日ほど前に、土をよく耕し、幅45cmほどの畝を作ります。水はけと通気性をよくするため、高さ20〜30cmの高畝にします。畝間に水たまりができないよう、排水にも気をつけたいところ。

また、サツマイモは収穫まで長期間になるので、雑草を防ぐために「マルチング」しておきます。

pHの目安は5.5〜6.0です。

肥料

サツマイモの組織内には、空気中の窒素を固定する微生物(アゾスピリラム)が共生していて、自ら栄養分を作り出します。

また、肥料が多いとツルばかり伸びて芋の生育が悪くなる「つるボケ」になるため、肥料は最小限(または施さない)で育てます。尚、追肥は一般的には行わず、全量を元肥で施します。

肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

また、イモの肥大にはカリ成分が関係するため、「草木灰」などを多めに入れると良いです。リン酸は要求度は小さいのですが、イモの甘みを増します。

連作障害・コンパニオンプランツ

サツマイモは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。

また、サツマイモと相性の良い「コンパニオンプランツ」には「赤ジソ」があります。

赤ジソが過剰な肥料分を吸収してサツマイモのつるぼけを防ぐ他、葉の赤色がサツマイモを食害するアカビロウドコガネを忌避する効果もあります。

植え付け

サツマイモ苗の植え付け
サツマイモ苗の植え付け
植え付けたサツマイモ苗

株間30cmでマルチに穴を開け、深さ10cmくらいの楕円形の植え穴を掘ります。

植え穴の底に寝かせるように苗を置いたら、土をかけて鎮圧します。この時、塊根の基となる不定根が良く出るよう、3〜4節が土に埋まるように植え付けるのがポイント。

MEMO
苗を寝かせる方向は畝と平行にします。根は挿した方向に長く伸びるため、畝と直角に植えると通路や隣の畝までイモが広がり、収穫が大変になります。

土が乾燥しているときは、植え付け後にたっぷりと水をやります。

この後は、収穫まで追肥や芽かきなどの作業も必要ありません。

植え付け方

サツマイモの主な植え方には、「斜め植え」と「垂直植え」があります。

苗を斜めにさす「斜め植え」が一般的ですが、それぞれ次のような特徴があります。

  • 斜め植え・・・根は横に長く伸びるため、細長い芋になる。個数は多め。
  • 垂直植え・・・根は縦に短く伸びるため、丸く短い芋になる。個数は少なめ。また、栄養分の転流がスムーズになり甘みが凝縮する。
サツマイモの斜め植え

サツマイモの垂直植え

棒を使うと植え付け作業が簡単

例えば斜め植えの場合、次のように斜めに棒を挿して穴を掘り、開いた穴に苗を差し込んで土を被せます。

サツマイモ苗を植え付ける穴を棒であける
開いた穴にサツマイモ苗を挿す

これだと、マルチの上からでも簡単に植え付けができます。

また、数が多い場合は補助器具を使えば、立ち作業で素早く植え付けることができて楽チンです。

立ち作業でさつまいも苗の植え付けが行える さつまいも苗の植え付け作業に「かんしょ植え付け器 さすけ」

つる返し

株が成長し、伸びたツルが土につくと、葉のつけ根の部分から根を出します。

芋は根に養分が蓄積したものなので、放っておくと地表を這うツルにも芋がつき、養分が分散してしまいます。

それを防ぎ、植えつけた部分の芋だけを肥大させるために、つる返し(ツルを引き上げて土から根をはがし反転する)を行います。

サツマイモ栽培の様子
サツマイモのつるが畝間に根を張っているので剥がす
サツマイモのつる返し

地面に根を張ったツルの先を持ってたぐり上げ、根こそぎ剥がしたら、ツルをひっくり返して葉の上に乗せておきます。

つる返しは、根を出したツルを見つけたらその都度行います。

収穫

植え付け後110〜120日で収穫できます。

掘った芋を乾かすため、晴れた日の午前中に収穫しましょう。

株元でツルを切り、マルチをめくったら、芋を傷つけないように、スコップでまわりから掘り起こして収穫します。

サツマイモのつるを刈り取る
サツマイモのマルチをめくる
スコップでサツマイモを掘る
掘り起こしたサツマイモ
サツマイモの収穫

掘った芋は並べて午後いっぱい干し、表面が乾いてから保存します。

また、霜にあたると収穫した芋の保存性が悪くなるため、霜が降りる前に収穫を済ませましょう。

収穫期を遅らせると、芋は太く、大きくなりますが、色や形が悪くなります。

MEMO
収穫予定の1週間前に地上部のつるを刈り取っておくと、芋にデンプンが転流し甘みが高まります。

収穫後は追熟させて甘味を増す

収穫したてのサツマイモは保存して追熟させる

サツマイモの主成分は炭水化物ですが、収穫直後はそのほとんどがデンプンであるため、あまり甘くありません。

収穫後1〜2週間保存すると、デンプンが果糖などの糖類に変化して甘くなりまります。

また、9℃以下の低温で糖化が進むと腐敗しやすくなり(冷蔵庫保存は厳禁)、15℃以上になるとほう芽してしまうため、貯蔵する際の適温は12〜14℃くらいがベストです。

うちでは、イモを新聞紙に包んでダンボール箱に入れて保存しています。

MEMO
発泡スチロール箱に保存するなら、蓋に空気穴をあけておきましょう。サツマイモは収穫後も呼吸しているので、密閉すると腐りやすくなります。

トラブル・生育不良

サツマイモ栽培によくある、トラブル・生育不良などをまとめています。

つるばかり茂ってイモが小さい

肥料分、特に窒素過多による「つるぼけ」が原因です。

施肥量を控えることが肝心ですが、症状が出てしまった場合は「つる返し」を何度か行うようにしましょう。

各節から伸びた根を引き剥がすことで、養分の吸収を抑えることができます。

切り口から出る白い液体

サツマイモの切り口から出る白い液体(ヤラピン)

サツマイモを収穫した際、ツルの切り口から白い液体がにじみ出ます。

これは「ヤラピン」という成分で、イモ自身が切られた箇所を癒すために分泌されるもの。放っておくと黒いタール状になります。

サツマイモに含まれる成分で食べても問題なく、整腸作用にも良いと言われています。

発生しやすい病害虫

サツマイモに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

立枯病(たちがれびょう)

葉が黄色になってしおれ、つるは伸びず生育不良に、症状が激しいと枯れてしまいます。

茎や塊根に黒い病斑ができます。

⇛ 立枯病の症状と対策・予防法

つる割病

葉は黄化してしおれ、つるの地ぎわが縦に裂けて黒変します。

⇛ つる割病の症状と対策・予防法

その他の病気
黒斑病 芋の表面に丸く黒っぽい斑紋ができます。貯蔵中に被害が大きくなります。予防とてしては、無病の苗を用いることが大切です。
斑紋モザイク病 葉に紫色の斑紋が現れます。芋は表面が帯状にひび割れ、でこぼこになり、色あせます。原因ウイルスをアブラムシが媒介します。
かいよう病 芋に暗褐色でくぼんだ病斑が発生します。

害虫

サツマイモネコブセンチュウ

根に寄生し、根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

被害に遭うと、芋のひげ根の基部に黒色の斑点やくぼみができます。

⇛ センチュウ(線虫)被害の特徴と対策・予防法

ドウガネブイブイ(コガネムシ)

ドウガネブイブイ(コガネムシ)の幼虫

カブトムシやクワガタムシの幼虫と似ていますが、ドウガネブイブイ(コガネムシ)の幼虫です。

地中にいる幼虫が芋を食害します。

⇛ コガネムシ被害の特徴と対策・予防法

ハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)

サツマイモがハリガネムシに食害された穴

体長2〜3cmの赤茶色をしたイモムシが、イモを食害します。

食害された箇所には穴があき、酷い所だとイモの奥深くまで穴だらけになります。

その他の害虫
アブラムシ 茎や葉に小さな虫が群棲し吸汁加害します。モザイク病のウイルスを媒介するため必要。
イモキバガ イモムシ状の幼虫が葉を巻いて中に潜み、歯の外側の表皮だけを残して食害します。(別名:イモコガ)
ナカジロシタバ 体長40〜50mm、灰青色で黒色の小斑点、背には黄色の筋が特徴の、イモムシ状の幼虫が葉を食害します。(ヤガ類)
野菜の育て方