ホウレンソウ(ほうれん草)の栽培方法・育て方のコツ

ホウレンソウの栽培

家庭菜園の初心者の方向けに、ホウレンソウ(ほうれん草)の栽培方法を写真付きでまとめています。

ホウレンソウ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

ホウレンソウ栽培の特徴

ホウレンソウ栽培の様子

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
ホウレンソウ ヒユ科 6.5〜7.0 あり:輪作年限1年

冷涼な気候を好み、寒さにあたると甘みが増すホウレンソウ。

葉が厚くてあくが強い西洋種、葉が薄く株元が赤い在来種と、その交配種があります。

栽培の注意点は、酸性土壌が大敵なので石灰を入れて土作りをすること。

アブラナ科野菜と違って虫の被害も少ないので、しっかりと土作りができていれば、比較的簡単に育てることができます。

栽培のポイント
  • 酸性に弱いため、土作りで中性に酸度調整する
  • 9月から11月まで時間差で種まきすると、長期間収穫できる
  • 晩秋まきは、種まき後に寒冷紗か不織布をベタ掛けすると発芽しやすい

ホウレンソウの栽培時期

ホウレンソウの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

ホウレンソウの栽培時期・栽培スケジュール

真夏を除きほぼ1年中栽培することができますが、旬は冬です。

肉厚で甘いホウレンソウにするには、晩秋まきで冬の寒さにあて、年末から大寒にかけて収穫します。

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

ホウレンソウの栽培方法

ホウレンソウの栽培方法は、次のような流れになります。

土作り

ホウレンソウは酸性の土では生育不良になるため、土作りはpH(酸度)調整を含めて行うことが重要です。

種まきの3週間前に堆肥を、2週間前に石灰を入れて耕しておきます。

pHは6.5〜7.0が目安です。

その後、種まきの1週間前に元肥を入れ、条間15cmほどを確保して、畝を立てます。

肥料

葉を収穫する野菜なので、生育初期から窒素を切らさないようにします。

肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

種まき

ホウレンソウの種
ホウレンソウの種まき
ホウレンソウの発芽

ホウレンソウは移植を嫌う直根タイプなので、種は畑に直播きします。

ホウレンソウの種は発芽しにくいので、あらかじめ芽出ししておくと安心です。種を布切れで包んで一晩水に漬け、2〜3日ほど陰干しすると、小さな芽が出てきます。

条間15cmでまき溝をつけ、2〜3cm間隔で条播きに。

軽く覆土をして鎮圧し、たっぷりと水をやります。

連作障害・コンパニオンプランツ

ホウレンソウは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1年あけるようにします。

また、コンパニオンプランツとして、葉ネギを一緒に植えるのがオススメです。

ホウレンソウの種を蒔いた周辺に、1ヶ月ほど育苗した葉ネギを植え付けます。葉ネギは、えぐみの原因になる肥料過剰を防いでくれるので、ホウレンソウの食味がよくなります。

防寒対策

不織布ベタ掛け

寒さに強いホウレンソウですが、低温下では発芽率が落ちます。

11月以降の遅まきの場合は、種まき後に不織布のベタ掛けで保温してやると発芽しやすくなります。

本葉が出れば寒さにグンと強くなります。

間引き・追肥

ホウレンソウ間引き1回目
ホウレンソウ間引き2回目と追肥

本葉1枚の頃、指2本間隔になるように1回目の間引きを行います。

草丈が7〜8cmの頃、指3本間隔になるよう2回目の間引き。この際、条間に追肥を施します。

間引いたあとは、株がふらついて倒れやすくなるので、株元に軽く土寄せをしておきましょう。

収穫

収穫期のホウレンソウ
根を1cmほど残して収穫
収穫したホウレンソウ

草丈が25〜30cmになれば収穫時期です。

根がしっかり張っているので、引き抜かずにハサミで切って収穫します。

根元の赤い部分は甘みがあって美味しいので、根部を1〜2cmほど残して切り取ります。

寒締めホウレンソウ

ホウレンソウは、凍結しないように自ら葉の水分を減らし、糖分を蓄える性質があります。この生理作用を利用してつくるのが「寒締めホウレンソウ」です。

甘みが強く、葉は濃厚な緑色、縮みあって肉厚なのが特徴です。

寒締めホウレンソウ

寒締めホウレンソウは、11月に入ってから種を蒔き(晩秋まき)、真冬の寒さにあてて育て、2月頃に収穫します。

葉が地面を這うようにロゼッタ状に広がるので、最終株間を15cmくらいに広くとるようにします。

尚、長日になると「とう立ち」するので、3月初旬までには収穫を終えるようにしましょう。

トラブル・生育不良

ホウレンソウ栽培によくある、トラブル・生育不良などをまとめています。

葉が黄色くなって大きくならない

酸性土壌や肥料不足だと、本葉が数枚でたところで生長が止まり、葉が黄化してきます。

土作りの段階で石灰を入れて酸度(pH)調整をし、しっかり追肥を施して育てましょう。

⇛ 土壌の酸性度(pH)と測定・調整方法について

発生しやすい病害虫

ホウレンソウに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

萎黄病(いおうびょう)

株全体が萎縮。新葉は小型で軟弱、葉は退色して展開せず、内側に巻きます。

⇛ 萎黄病の症状と対策・予防法

萎凋病(いちょうびょう)

下葉から黄化してしおれ、生育不良となり枯れてしまいます。

⇛ 萎凋病の症状と対策・予防法

立枯れ病

地ぎわ部が冒された苗が、発芽後まもなく倒れます。

根は水浸状に褐変し腐敗、苗は立ち消えて欠株状態になります。

⇛ 立枯病(たちがれびょう)の症状と対策・予防法

炭疽病(たんそびょう)

ホウレンソウの葉に発症した炭疽病(たんそびょう)

葉に水浸状の斑点が生じた後、次第に大きくなり灰褐色の病斑になります。

症状が酷いと、病斑部は腐敗し穴があきます。

⇛ 炭疽病の症状と対策・予防法

べと病

葉に淡褐色の病斑ができ、裏面にすす状のカビが発生します。

⇛ べと病の症状と対策・予防法

モザイク病

葉に濃淡のモザイク模様が現れ、ひどくなると葉は縮れて奇形化します。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

害虫

アブラムシ

体長1〜4mmの小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アブラムシの特徴と対策・予防法

シロオビノメイガ

体長15mm、淡緑色をしたイモムシ状の幼虫が葉を食害します。

⇛ メイガ類の特徴と対策・予防法

ハダニ

肉眼で見えないほど小さい虫が葉裏に寄生して吸汁加害し、葉に白い斑点ができます。

⇛ ハダニの特徴と対策・予防法

ヨトウムシ

ハスモンヨトウ(ヨトウムシ)

主に、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ。

イモムシ状の幼虫が葉を食害します。

⇛ ヨトウムシの特徴と対策・予防法