冬の土作り「寒起こし」|土を蘇らせる天地返しの方法

真冬の土作り「寒起こし(寒ざらし)」

冬場に行う土作り作業として、「寒起こし(寒ざらし)」があります。

これは厳寒期に土を深く掘り起こし、寒気にさらすことで土壌を改良する方法 です。

この記事では、寒起こしの効果とやり方について詳しく解説します。

寒起こしとは?

寒起こしとは、1月〜2月の厳寒期に土を深く掘り起こし、寒気にさらす作業のことです。

これにより、以下のような効果があります。

土の団粒化を促進する

寒起こしをすると、土が寒気にさらされ、凍結と融解を繰り返すことで自然に細かく砕け、フカフカの土になります。

これにより、通気性・排水性が向上し、根が張りやすくなるため、作物の生育環境が良くなります。

野菜を育てるための土作り 野菜を育てるための土作り

病害虫・雑草の抑制

冬の冷気によって 土中の病原菌や害虫が死滅しやすくなります。また、雑草の種子の発芽率が低下し、雑草の抑制効果も期待できます。

連作障害を防ぐ効果もあるので、毎年同じ場所で野菜を育てる家庭菜園にもオススメです。

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土壌のリフレッシュ(養分バランスの改善)

通常の土作りでは、堆肥や肥料が表層に集中しがちですが、寒起こしをすることで深層と表層の土が入れ替わり、土壌の養分バランスが整うようになります。

寒起こしのやり方

寒起こしの基本は「天地返し」と呼ばれる作業です。これを厳寒期の1月〜2月に行います。

MEMO

天地返しとは、土の表層(普段の耕運作業で堆肥や肥料が混ぜ込まれている作土)と深層(その下の心土)を入れ替える作業。

スコップの刃を30cmほど深く土に差し込み、土をひっくり返すようにして、表層と深層を入れ替えます。

畑の土を天地返し
MEMO

家庭菜園の場合は 30cmほど掘れば十分ですが、農家さんによっては重機を使って1m以上掘ることもあります。

土の塊は細かく砕かず、そのままの状態で1ヶ月以上、寒気にさらしておきます。この間に凍結と融解を繰り返し、土の塊が崩れてフカフカの土になります。

MEMO

細かく耕す必要はありません。土の塊が大きいままでも、寒気にさらすことで自然にほぐれ、空気を含みやすい土になります。

作業は重労働になりますが、うちでは1〜2月は農閑散期で余力があるので、空いてる畝だけを毎年行うようにしています。