イチゴの病気と害虫

イチゴの病害虫

イチゴ栽培で発生しやすい病害虫。

それら症状の特徴と防除方法をまとめています。

イチゴの栽培方法・育て方のコツ(露地栽培)イチゴの栽培方法・育て方のコツ(露地栽培)

病気

イチゴに発生しやすい代表的な病気と、その対策・予防法をまとめています。

萎黄病(いおうびょう)

葉が黄色くなってしおれ、3枚の小葉のうち1枚が小型化するのが特徴です。

予防には、連作障害を起こさないようにすることが大切です。

うどんこ病

葉や茎、果実の表面に、薄く白い粉状のカビが発生します。

5月〜6月頃に雨が降らず乾燥が続くと発生しやすくなるので、収穫が始まって土が乾いていたら水やりをしましょう。

炭疽病(たんそびょう)

イチゴに発生した炭疽病

葉や葉柄、茎に黒褐色のくぼんだような斑点が生じ、ひどくなると株は枯れます。

予防には、畝にマルチシートを敷いて雨水による泥はねを防ぐことが効果的です。

灰色かび病

水浸状の病斑が腐敗を起こし、灰色粉状のカビがつきます。

イチゴの果実に発生した灰色かび病

放置しておくとすぐ伝染するので、被害部分はすぐに取り除いて処分しましょう。

治療薬には、有機農産物栽培(有機JAS)にも使える殺菌剤「カリグリーン」などが有効です。炭酸水素カリウムを主成分としているので、散布後、副次的にカリ肥料にもなります。

枯れた花や下葉を残したままにしておくと感染しやすくなるので、見つけたら摘み取っておきましょう。

その他の病気

ウイルス病葉の黄化やねじれ、株全体が萎縮します。原因ウイルスをアブラムシが媒介します。
輪斑病葉に紫褐色の病斑が生じ、拡大すると中心部が壊死します。

害虫

イチゴに発生しやすい代表的な害虫と、その対策・予防法をまとめています。

アブラムシ

イチゴに群棲するワタアブラムシ

茎や葉に、緑色や褐色などの小さな虫が群棲し、吸汁加害します。(写真はワタアブラムシ)

すす病を誘発することもあるので、注意が必要。

ナメクジ

イチゴの果実を食害するナメクジ

新芽や若葉、花や実をなめるように食害します。

ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウ(ヨトウムシ)

緑色〜茶色でイモムシ状の幼虫が、新葉、蕾、花などを食害します。

その他の害虫

病害虫予防のポイント

イチゴ栽培で病害虫を予防するためのポイント。

冷涼な気候を好む

イチゴは冷涼な気候を好み、(寒冷地以外では)秋に植え付けて初夏に収穫する、夏を避ける作型になります。

植え付けが早すぎると、暑さでやられて弱ってしまいます。

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

イチゴは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにします。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

イチゴと相性のいい野菜には「ニンニク」があります。

イチゴのそばにニンニクを植えると、ほどよいストレスで開花が早くなり収穫期間が伸びて収量が増えます。

また、ニンニクの香り成分「アリシン」には殺菌作用があり、根には抗生物質を出す微生物が共生するため、イチゴの病気(萎黄病炭疽病灰色かび病など)が抑えられ、ニオイでアブラムシも忌避します。

枯れた下葉は摘み取る

イチゴの枯れた下葉、赤く変色した葉は取り除く

越冬中、寒さで枯れた下葉や赤く変色した葉は、そのままにしておくと病害虫発生の要因になるため、付け根から取り除いておきましょう。

親株から苗へと伝染する

イチゴはランナーの先につく子株を育てて苗にするため、親株が病気を持っていると子株に伝染します。

苗採りをするときは、病気に侵されていない株を選ぶようにしましょう。

イチゴの子株づくり(親株から2番目と3番目を選ぶ)

また、親株から1番目の子株は親株から病害伝播の可能性があるので、苗として利用するのは2番目と3番目にします。

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