![キュウリの葉に現れた「べと病」の症状](https://ymmfarm.com/wp-content/uploads/2019/03/downy-mildew-top.jpg)
湿度の高い時期に多く発生し、葉に不規則な黄色い病斑が現れる病気「べと病」。
その症状と発生原因、対策・予防法をまとめています。
症状と被害
カビによる代表的な病気のひとつで、長雨のときに多くの野菜に発生します。
植物の種類により症状はさまざまですが、キュウリをはじめとするウリ科の場合は、葉の表面に葉脈に囲まれた黄色い病斑ができ、葉裏にはすす状のカビが生じます。
![キュウリの葉に発生したべと病](https://ymmfarm.com/wp-content/uploads/2019/03/cucumber-beto.jpg)
発病した葉は乾燥が続くと乾いてパリパリになりますが、雨が続いて湿度が高いとベトベトになります。(べと病の名前の由来です。)
キャベツなどのアブラナ科の場合は、ぼんやりとした輪郭の淡黄色の病斑が不規則にできます。
べと病が発生しやすいのはウリ科、アブラナ科の野菜ですが、他にも次のような植物にも発生します。
![ほうれん草に発生したべと病](https://ymmfarm.com/wp-content/uploads/2023/08/spinack-beto.jpg)
![タマネギに発生したべと病](https://ymmfarm.com/wp-content/uploads/2019/09/downy-mildew_onion.jpg)
主な原因と伝染経路
病原菌は糸状菌(カビ)の一種。
菌糸の形で株について越冬し、気温の上昇とともに胞子を分散して伝染源となります。
泥はねから感染することが多く、わずかな水分でも伝染するため、露地栽培では出やすくなります。
べと病の発生しやすい条件は、多湿、肥料切れや草勢が弱ったとき、窒素過多、密植などが挙げられます。
防除方法
対処法
胞子が飛び散って伝染するため、発病した葉などは除去、できるだけていねいに集め、畑の外に持ち出して処分します。
農薬を使う場合は「GFワイドヒッター」などが有効です。作用性の異なる2種類の殺菌成分で、べと病・疫病に対して優れた予防・治療効果があります。
他に「ダコニール1000」も有効です。広範囲の病気に防除効果をあらわす総合殺菌剤なので、1つあれば何かと便利です。
予防法
多湿で発生しやすいので、畑の水はけをよくし、密植を避け、繁茂しすぎたつるや葉は間引いて、風通しや日当たりの良い環境を作ることが大切です。
露地栽培では、マルチフィルムや敷き藁などで、雨水による泥はねを防ぎます。
![マルチシートを張った畝](https://ymmfarm.com/wp-content/uploads/2018/04/IMG_0961-160x160.jpg)
雨よけを設置するのも効果的です。
![雨よけハウス トマトの屋根 NT-18型](https://ymmfarm.com/wp-content/uploads/2020/11/tomato-saibai-160x160.jpg)
肥料切れや窒素過多でも発生しやすくなるので、施肥は適切に行いましょう。
種子伝染もするので消毒済みの種子を用いる、また、抵抗性品種があるものはそれを選ぶと安心です。